コラム:組織づくり | ブログ・コラム

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カテゴリ:コラム:組織づくり

ハッピースパイラルな世界をつくる経営

2025.3.19

阪本です。組織を良くすることは、働く人の人生を豊かにし、それが地域社会にもつながるし、組織が大きくなることよりも、関わる人たちが誇りを持てる会社であることが大切だという思いで活動しています。

これまでもいくつかの素敵な企業を紹介してきました。

支援先も含めて、紹介させていただいているような素敵な会社の共通点としては、人の良心や優しさを引き出していること、出戻りの社員がいること、経営に透明性があること、社員だけでなく地域との関係性がオープンなことなどがあげられます。

宮田運輸さん https://accelc.co.jp/blog/soshikiteam3/

https://accelc.co.jp/blog/tuzukushakai/

木村石鹸さん https://accelc.co.jp/blog/jieigata2/

今回は、1月と3月に訪問させていただいて、行政とのトークイベントを一緒に企画していただいた井上株式会社さんのお話から、組織づくりのヒントになることをまとめてみました。

「オオカミ」の変化が生んだ組織の成長

現社長が継いだ時、会社は大きな負債を抱え、倒産寸前だったそうです。
その頃の社内は、不平不満が渦巻き、悪口が飛び交う環境だったといいます。
そして、そんな中で社員同士が「オオカミ」のようになり、ギスギスしていたとか。

でも、経営の立て直しとともに、社内の空気が変わっていきました。「日常を素敵にする」ことに価値を置くと、時間の流れが変わる。社員の意識も変わる。
結果として、増収増益の会社になった。その過程がとても興味深くて、また今度発売される本を読んで深掘りしたいなと思っています。

地域を考えたら「農」になった

井上株式会社は、廃校を活用したいちご農園を運営されています。地域に根差した事業を考える中で出会った廃校。「廃校って、地域にとって大切な場所だからこそ、楽しい場所にしたい。」そんな想いから生まれたのが 「Fun×Farmer=Fanmer」 というコンセプト。
単なる農業ではなく、 地域とのつながり、楽しい場所としての農をやっておられます。学校は地域の出入り自由な場なので今もそのまま、ハウスそばのベンチでお昼寝もできます。発想の柔軟さと、地域への想いの深さに、すごく共感しました。

「毎日がちゃんとしあわせで」

経営理念には 「ちゃんと」 という言葉が入っています。
これは、社員の意見から決まったそうです。経営層からは「経営理念に“ちゃんと”って入れるの?」という声もあったとか。でも、社員の意見を大切にし、最終的にこの言葉が選ばれたそうです。

「毎日がしあわせであること」
それを大切にしている組織って、すごくいいなと思います。みんなの顔が自然で、優しくて、アイデアがどんどん出てくる組織ができていく、安心な場であみんながやさしくなれるひつじの集団とのこと。

逆算して考えることをやめる。それができるからこそ、地域のためにやることが 「今、大切なことをやる」 という姿勢につながるんだな、と感じました。

オオカミからヒツジへ

井上株式会社では、本当の自分を表現することから逃げない、「フラットな雰囲気」 があります。最初は「オオカミ」をかぶっていた人も、いつの間にかその殻を脱ぎ、本来の自分を出して働けるようになっていく。「待つこと」「戻ってきたい会社づくり」 の姿勢が、社内に自然に根付いているのがすごいです。社員同士もあだ名でもなく 役職ではなく「Call MeName」として名前で呼び合う 文化があるそうです。社長のことも「だいすけさん」と取締役も新入社員も呼んでいる、それだけで空気も柔らかく感じました。トークイベントでは1年目の社員、出戻りの社員、20年を超えている取締役の方と社長を交えてお話をお聞きしていましたが、新入社員もベテランも、みんなが対等に関わることで、自由に意見を言える環境が生まれているようでした。

戻ってきたい会社づくり

今回話を聞いた社員の方も、一度退職された方でした。入社3年で一度辞めて、他のことに挑戦。
でも、新規事業が立ち上がるタイミングで声がかかり、戻ってこられたそうです。
ただ、戻るときも 社長の独断ではなく、社内で相談。「みんなが歓迎してくれるなら」ということで、カムバックが決まったそうです。それ以降、正式に 「カムバック制度」 をつくり、今では出戻りの社員も増えているとか。

手を上げる安心感と透明性

社内のプロジェクトは 「立候補制」
でも、単に「やりたい人どうぞ」ではなく、
上司や社長がしっかりフォローする仕組みがある。だから、やりたいことに挑戦できるし、失敗しても安心。「責任は社長がとる」「チャレンジを応援する」という文化があるからこそ、アイデアが生まれる。元々は「9時-5時で働いて、給料がもらえればいい」と考えていた社員も、いつの間にか 「自分が経営者だったら?」 という視点で考えるようになっているそうです。経営数値もオープンにされていて、会社の透明性が高い。こういう環境があるからこそ、社員が主体的に動けるのだと感じました。

「関係性」がすべて

この会社で一番感じたのは、「関係性の質の高さ」。
社員同士、社長との関係性が本当にあたたかく、信頼し合っているのが伝わってきました。言葉だけでは伝えきれない、この空気感をもっと広げていきたい。そして、自分自身もこういうスパイラルをつくれるように、行動していきたいなと改めて思いました。

中小企業診断士 阪本純子

「採用」より「働きたくなる職場づくり」が鍵

2025.2.19

阪本です。「求人を出しても応募が来ない」「せっかく採用してもすぐに辞めてしまう」——。そんな悩みを抱える経営者の方は多いのではないでしょうか。先日、人材確保をテーマに講演をさせていただきました。準備をしながら、そして経営者の方々と意見を交わしながら改めて感じたのは、「人材確保=採用活動」ではなく、そもそも働きたくなる職場をつくることが最優先だ」ということでした。

事例として紹介させていただいた会社は、採用の仕組みが特別に優れているというよりも、働きたいと思える仕掛けづくりをしている、そして生き生きと働き続きけるための工夫があることが共通点でした。そして、そんな会社は「一緒に働きたい」「この会社を知人に紹介したい」と自然に人が集まるのです。

「今いる人を活かす」「職場の魅力を高める」「関係性を強化する」の3つの視点から、人材確保につながる職場づくりについてお話しします。

今いる人を活かす:人が辞めにくい職場とは?

「人材確保=新しい人を採ること」ではありません。まずは、今いる人が活躍できる職場をつくることが最優先です。大企業と比較して中小企業の退職理由を見ると、「給料が低いから」という理由もありますが、「成長の実感がない」「職場の人間関係が悪い」「働きづらい」など、環境面が大きな要因になっていることが分かります。逆に言えば、待遇を大きく変えなくても、環境を整えることで、人材流出を防ぐことができるのです。

ある製造業の会社では、社内での「スキルの見える化」を進めたところ、若手の離職率がぐっと下がりました。それまでは、日々の仕事に追われる中で「自分が成長している実感がない」という声が多く、辞めてしまう人も少なくなかったのです。そこで、仕事を細かくスキルレベルに分け、どの仕事ができるようになったかを社内で共有できるようにしたところ、「自分ができることが増えている」と実感できるようになり、意欲が上がったそうです。また、「承認の文化」を取り入れた会社では、コミュニケーションが活発になり、社員同士の関係性が良くなったことで、人が辞めなくなったという事例もあります。

 

職場の魅力を高める:求職者に選ばれる会社とは?

 

「うちは大企業と比べたら、条件が悪いし、人も来ない」と諦めてしまっていませんか?確かに、大企業と待遇や知名度で競争するのは難しいかもしれません。でも、中小企業ならではの強みを活かせば、「ここで働きたい」と思ってもらうことは十分可能です。従業員が「この会社なら知人を紹介したい」と思えるような職場づくりを進めたところ、離職率が下がり、採用コストも削減できたといいます。「知り合いに紹介したくなる会社」というのは、それだけ働く環境が整っているということです。また、求職者にとって「実際に働くイメージが持てるかどうか」は非常に重要です。ある会社では、採用ページに社員の「1日の流れ」や職場の雰囲気が分かる写真を掲載することで、応募者とのミスマッチが減ったそうです。「仕事の内容がよく分からない」「どんな人が働いているか分からない」といった不安を取り除くことが大切です。

関係性を強化する:チームワークのある職場をつくる

以前のブログでも書いてきたように、職場の「関係性の質」が、人材確保にも直結しています。「採用活動」より「働きたくなる職場づくり」が大切です。「今いる人が辞めず、働きがいを感じる職場づくり」こそが、結果的に人材を引き寄せる最大の要素です。人手不足の中「どうすれば求職者に選ばれるか?」と考えることも大切ですが、まずは「今いる人が、この会社で働き続けたいと思えるか?」を問い直してみてください。

職場の雰囲気を変えるのは、小さな工夫からでも十分可能です。

明日からできる一歩を踏み出し、働きたくなる職場づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか?そのツールとして「承認力向上研修」「持ち味発見ワークショップ」も有効ですよ~

持ち味カードを使って楽しく「自己理解・他者理解」 他者から見た自分の新たな見え方を知れることもうれしく 他者への関心も高まりチームワークあふれる組織作りに役立つ仕掛けがたくさん。

①持ち味発見ワークショップ

②承認力向上研修

中小企業診断士 阪本 純子

人が生き生きと働ける職場が、持続可能な未来をつくる

2025.1.8

こんにちは。今年もチームワークと個を生かす組織を追求したい阪本です。

2025年も始まって1週間が経ちました。慌ただしい日々の中ですが、今年も未来につながる仕事をしていきたいと気持ちを新たにしています。少子高齢化、人口減少、地方の過疎化、自然破壊、食糧自給率の低下――以前から指摘されてきたこれらの課題が、最近ますます身近に感じられるようになって気持ち的な焦りも高まっています。こうした状況の中で、私たちは「働くこと」をどのように位置づけ、どのようなモチベーションを持って価値ある「仕事」を生み出していけばよいのかを考えています。

「働くこと」の定義は変わりつつある?

「仕事」や「働くこと」に対する価値観は、かつてと大きく変わってきています。従業員が「働くこと」に求めるのは単なる収入だけではありません。また、経営者にとって事業を行う目的は、単に利益を追求することにとどまらず、「社会に価値を提供できている」という実感が得られることが重要になっています。さらにそれは、「世の中に価値を提供している」という実感を通じて、幸せを感じられる場所――それが現代の職場の理想形ではないでしょうか。

持続可能な組織のあり方は自律的?

持続可能な組織を築く上で、自律的で柔軟な働き方を受け入れる姿勢が不可欠です。自律的な組織では、メンバーが自身の役割を理解し、自ら考え行動する力が求められます。その結果、一人ひとりが「組織に貢献できている」という実感を持ちやすくなり、働きがいのある職場が形成されます。ただし、自律性には責任が伴います。その責任を果たすための仕組みづくりが鍵となります。

私が特に注目しているのは、「承認」の文化を育むことです。メンバー同士が互いに認め合い、協力して責任を果たしていくことで、自律的な組織はさらに強固になります。この文化を根付かせるためには、研修などの支援を活用するのも効果的です。

チームワークの効用

チームワークは、人間が持つ本質的な欲求を満たします――それは他者とのつながりを感じ、協力によって達成感を得たいという欲求です。例えば、共同で問題を解決し、成功を分かち合う瞬間には、単なる業績以上の満足感が生まれます。

良好なチームワークがある職場では、自然とコミュニケーションが活発になり、信頼関係が構築されます。さらに、互いを尊重し合う文化が根付けば、働くこと自体に楽しさや充実感が生まれ、個々のスキルやアイデアが最大限に活用されるようになります。

しかし、これを実現するには「情報共有」が欠かせません。チーム内の状況が常に共有されていること、あるいは分からないことを前提に対話の場があることが必要です。自然な対話ができる組織を目指していくことが、チームワークをさらに強化する鍵となります。

情報共有って難しい

多くの従業員アンケートで、「情報共有ができていない」という声が挙がります。情報共有は、組織の効率とチームワークの基盤です。会議の議事録を迅速に共有したり、プロジェクトの進捗を見える化するツールを活用することはもちろん重要ですが、それ以上に、メンバーの価値観や思いを共有できる仕組みが必要です。

情報共有が活発な組織では、メンバー間の相互理解が深まり、確認作業や誤解が減少します。そして何より、情報共有は「自分の考えが認められている」と感じる機会を増やします。この感覚こそが、働きがいを高める一因となり、良い組織文化の醸成に繋がります。

【参考リンク】サイボウズのチームワークブログ

 

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結果的に人材確保につながる

このように、持続可能でチームワークのある組織は、「働きがいのある職場」として評価されます。その評判が外部にも伝わることで、優秀な人材を引きつける力となります。特に今の求職者は、単なる収入や福利厚生以上に、「関係性の良さ」や「やりがい」を重視しています。
「紹介したくなる会社」や「関わりたい組織」として認識されることが、結果的に人材確保の最大の武器になるのではないでしょうか。

今年も、より良い組織づくり、幸せ創造企業を目指し、お手伝いできるよう活動してまいります。ぜひお気軽にお声がけください!

 

①持ち味発見ワークショップ

②承認力向上研修

中小企業診断士 阪本 純子

幸福経営から始まるチームワークの好循環

2024.11.12

こんにちは。認め合えるしなやかなチームづくりを実践している阪本です。

最近、生産性向上や新しい働き方についての研修の機会が続き、組織面のご支援をする中で、働く場の大切さを改めて感じています。女性やシニアをはじめ、多様なメンバーを受け入れることが求められる今、組織づくりにおいて大切なことは何かを考えるきっかけとなりました。

先日の日経MJ(10月21日)では、丸亀製麺が進める『幸福経営』について取り上げられていました。同社では、働く人の幸せを経営の原点に据え、『感動スコア』を図るアプリや現場との対話を通じて、業務改善ではなく『幸福度改善』を目指した取り組みを行っています。

こちらのリンク先に、㈱トリドールの粟田社長の著書の前書きが掲載されています。

https://www.advertimes.com/20240913/article473855/

今回のブログでは幸福経営とチームづくりについて考えてみようという趣旨で書いてみました。

幸せの4つの因子を意識する

以前にも触れた、前野隆司先生の『幸福学』で提唱される『4つの因子』をご存知でしょうか?『ありがとう』『ありのまま』『なんとかなる』『やってみよう』、この4つの言葉が、職場やチームで幸福度を高めるカギとなります。「ありありなんや」で覚えています。

「ありがとう」という言葉は他者とのつながりが生まれます。感謝の気持ちが表れ、相手を認める心があるはずです。言われた側は自分がここにいる価値、「自己有用感」を感じることができます。「ありのまま」というのは、自分らしくいることを肯定されているという感じを受けます。「なんとかなる」っていう言葉を出すだけで、気持ちが楽観的になり前向きな姿勢で取り組める状態になっていきます。そして「やってみよう」これって、主体的を促す言葉ですよね。そんな言葉が日常的にあふれていると、お互いの信頼関係が自然と構築されてくるし、関係性の質も高まっていくはずです。それがチームワークあふれる職場につながるのではないでしょうか。

僭越ながら・・幸せ創造企業という言葉。私自身、ここに支えられています。

幸福度とチームワークの関係性

チームワークがあるから幸福度が高まるのか、幸福度を高めているからチームワークが生まれるのか・・・どっちもありそうですね。経営側が取り組むことは、場づくりや仕掛けづくり、その根底に「人が幸せに働く」ことを中心に据えた取り組みがあることが、結果として業績の向上や生産性向上につながっています。補助金の活用や業務改善以上に、「幸福経営」が組織全体を活性化させている事例をあげてみますね。

【チームワークを作るための施策が幸福度を高めた例】

・経営層で話し合い、「ありがとうカード」制度を導入。

・スタッフ同士の感謝を可視化し、共有の場を設けることで連帯感が向上。

→離職率が15%改善し、職場の雰囲気が大幅に良化。

【個々の幸福度を高める施策がチームワークを向上させた例】

・1か月の連続休暇や自由な働き方を導入。

・チーム内で「自分らしさ」やキャリアについて語り合う機会を提供。

→情報の共有と助け合いの文化が育ち、お互いへの関心が高まり効率が向上。

幸福経営とチームづくりは一方通行ではなく、互いに影響し合う循環の関係にあります。この循環を意識し、日々の職場改善を積み重ねることで、より幸せで強いチームを作ることが可能です。私たちも、こうした好循環を生む職場づくりをサポートしていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

持ち味カードを使って楽しく「自己理解・他者理解」 他者から見た自分の新たな見え方を知れることもうれしく 他者への関心も高まりチームワークあふれる組織作りに役立つ仕掛けがたくさんあります。


経営者だからこそできる場づくり

「今のメンバーで最高のチームを作る」―経営者として真剣に考えていると思います。自分たちの今のチームで何ができるか、それを探求してみませんか。「今のメンバーでは難しいんです」「リーダー層が育っていないんです」「いい人を採用しないと・・」 そう思うかもしれません。今いるメンバーを強制して直接的には変えれませんので、周りの環境、職場を整えていきましょう。その環境、職場づくりの手段として、当社の研修を使っていただければ思います。

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①持ち味発見ワークショップ

社内でやっていただく「持ち味発見ワークショップ」を開催できます。持ち味カードをつかって、お互いの個性や強みを深く理解し、チームとしてどう活かせるかを探ります。画像をクリックして詳細をご覧ください。

②承認力向上研修

中小企業診断士 阪本 純子

働きがいと働きやすさに関する考察 その2

2024.9.25

こんにちは、認め合えるしなやかなチームづくりを実践している阪本です。

今回も、毎年お話をお聞きしている株式会社宮田運輸の宮田会長の講演をもとに、「働きがい」と「働きやすさ」について考えを深めました。今回で宮田社長のお話を聞くのは5回目、宮田会長のお話しから、今回もやはり「人」を起点とした事業の広がりが印象的でした。宮田運輸は、規模はそれほど大きくないものの、社内には3人の代表取締役と5人の執行役員がいるそうです。今年の4月に、今の社長に交代、宮田博文社長は会長となり、福島の物流センターの社長に就任しました。福島の事業は、福島の復興に携わりたいという思いと、福島で働く人がいたから実現、まだ工場などが何にもないところに物流センターをつくられましたがそこがあることで工場の誘致ができ復興していくことになりそうです。最近では、元競輪選手の社員が廃業寸前の自転車屋を承継したいという話があり、宮田会長は「それなら会社としてやろう」と決断されました。儲かるか儲からないかは分からない、ただ「この人が必要だからやる」というシンプルな理由でした。このような決断、なかなかできないですよね。

※阪本が事務局をしているイノベーション・キュレーター塾のプログラムの一環で、宮田会長には毎年ゲストスピーカーとして来ていただいています。

経営者の役割は場をつくること ~「美点凝視」

宮田会長が強調していたのは、経営者が「美点凝視」、つまり人の良い面に目を向けて育てることが重要だという点です。宮田運輸では、目標はトップが決めるのではなく、みんなから自然に上がってくるものです。また、数字も積み上げ方式で管理され、「みらい会議」では、固定費や変動費まで含めたすべての経費項目がオープンにされ、外部の人にも公開されています。この会議は、社員の主体性を尊重し、「感謝と承認の場」として、笑顔とやる気にあふれる場となっています。自由参加の日曜日開催にもかかわらず、多くの社員や家族、さらには外部の人までが参加し、外部参加枠は常にキャンセル待ちです。皆さんの職場でも、こうした「感謝」と「承認」が自然に生まれる場があるでしょうか?

管理職は支援職~開かれた心から

宮田運輸では、管理職ではなく「支援職」という言葉が使われています。まさに、理論でいうサーバントリーダーシップですね。トラック運転手(宮田運輸では運転士といいます)が働く運輸業界では、通常ドライブレコーダーなどで厳しい管理が行われがちです。不安を恐れて仕事をすると、主体性はなくなっていく、自律性は発揮できません。もともと人の持っている良心を引き出していくのが管理職の役割で、徹底的に人を大切にして信じていくこと、違う考え方であっても「そんな考え方もあるよね」という心を開いて受け入れていく支援職の方々が各支店におられます。困ったときには、上司や仲間が助けてくれるという安心感がある組織が育っています。オープンな会社にしていこうとすると社会からも受け入れられていく、社会で必要とされる存在の会社になっているんですね。目的意識(売り上げ目標や短期的な目的などは特に)が強すぎると閉じてしまう、分けて考えてしまう、何だか思い当たることありませんか?

選ぶのではなく選ばれる会社へ

宮田運輸の採用は「先着順」で、すでに31組(300人中62人というと約2割!!)の親子が一緒に働いています。昨年は28組でしたが増えています。これも、特別な制度ではなく、自然な流れとして生まれたものです。信頼関係が築かれているからこそ、3回も出戻っている社員やもともと引きこもりだった社員を受け入れ、3年後には経理職として活躍している社員も、おられるそうです。人を信じ、人の良心を引き出す、「愛でいけるやん」という温かい環境が、社員にとっての働きやすさ、働きがいを生み出しているのでしょう。

人の心が社会をつくる

宮田会長のお話を聞くたびに感じるのは、「人の心が社会をつくる」ということです。自分の仕事が社会とどうつながっているのか、それを実感できると、人は自然とイキイキと働けるようになるのではないでしょうか。それは強制できないので環境を整えていくこと、まずは「わたしから」。これこそ「内発的に」内から湧き上がってこないと持続しないなーと思います。私たちも、承認研修や持ち味研修を通じて、お互いを認め合い、支え合う組織を育てていきたいと思います。

いつも毎回感動する、そして毎年進化し続ける宮田運輸さん。優しさがつながる感動で心が洗われます。

つづく未来のために、まずは身近な働く場は、あたたかさのあふれる場にしたい、自分自身も社会とのつながりを感じて働いていきたいと決意を新たにしました。

管理だけでは人は成長しません。信頼し合い、助け合うことで、しなやかな組織が生まれます。あなたの職場でも、こんな場を一緒につくってみませんか?

永続的な社会をつくっていこうとすることで真の幸福感が生まれていく、社会をつくるために人づくりが必要 会社のためでなく社会のために人を育てる、まさにウェルビーイングでもありますね。

宮田運輸について書いている当社の過去のブログも合わせてお読みください。

続く社会をつくる組織の意義ってなんだろう〜幸福を考える〜

合言葉「困ったときは大騒ぎ」~経営者の仕事は“仲間づくり”~

【持ち味カードを使って】

お互いを深く理解し、認め合うための手段として数年前から活用していただいている企業様。

現在は社内で、各部門のリーダーがチーム内で実施できるようにもなりました。新入社員研修でも活用してもらっています。

組織内でお互いの価値観や表現方法の違いを知ることが、チームの一体感を生み出し、より良い成果につながります。

 


経営者だからこそできる場づくり

今いるメンバーを強制して直接的には変えれませんので、周りの環境、職場を整えていきましょう。その環境、職場づくりの手段として、当社の研修を使っていただければ思います。

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①持ち味発見ワークショップ

社内でやっていただく「持ち味発見ワークショップ」を開催できます。持ち味カードをつかって、お互いの個性や強みを深く理解し、チームとしてどう活かせるかを探ります。画像をクリックして詳細をご覧ください。

②承認力向上研修

特に管理職層に特に必要な認める力。日常生活でも必要な承認力なので、職場だけでなく普段の生活も豊かになる、気持ちの持ちようが変わったということで受講してもらった経営者や社員からも好評です。

当社の研修は対面での研修が一番効果的ですがまずはオンランでお試し受講していただくこともできます。こちらもご覧ください。まずはオンラインでまずは話しませんか?

研修を通じてリーダーシップの新しい一面を発見し、組織をさらにしなやかに進化させることにつなげていきましょう。

中小企業診断士 阪本 純子