阪本です。
以前に蚕や野菜の写真を投稿していましたが、引き続き“農ある暮らし”をささやかに続けています。毎週、少しだけでも土に触る時間をつくるようにしています。春が近づいてきているので、2月は野菜の片づけと土づくりの季節。土の中に残る細かな根やミミズが顔を出してくるのをみると自然と土に感謝の気持ちが湧いてきます。

そんな中で読んでいたのが『ミミズの農業改革』という本。読んでいるうちに、「これ、組織の話にも通じるのでは?」と、半分こじつけのように思い始めました。でも考えてみると、妙に納得感がある。今日はその話を、先月に続いてエンゲージメント調査のQ10とも重ねながら、(こじつけつつ)書いてみたいと思います。
先月のブログ
若手が辞める理由は「条件」だけ??
Q10は、「職場に何でも話せる親友(同僚)がいるか」という問いです。この数値が低い会社は、正直少なくありません。もちろん、職場に“親友”が必要だと言いたいわけではありません。仕事は仕事と割り切りたい人もいますし、それも自然なことです。でも、この問いが見ているのはそこではなくて、「安心して話せる関係性があるかどうか」なのだと思っています。
若手が辞めるとき、経営者には「給料が合わない」「条件が合わない」と伝えられることが多いですよね。でも、現場を見ていると、本当の理由は本人からは決して言われないのですが、①失敗が怖い、②相談できない、③何を期待されているのか分からない、④頑張っても認められていない気がするというようなことではないでしょうか。これって、個人というよりも、最近「土壌」の問題だと捉えるようになりました。
生態系の強さは「循環」
ミミズは、落ち葉を食べて分解し、土に戻します。落ち葉も、枯れたものも、無駄にならない。全部が次の命の栄養になる。生態系の強さは、循環にあるんですね。これを組織に置き換えてみるとどうでしょう。循環っていうと人の循環、入れ替わりとらえられがちですがそうではありません。失敗や衝突、迷い。本来ならマイナスに見えるものが、ちゃんと対話され、振り返られ、次につながっているかどうか。循環すれば、学びになります。循環しなければ、ただの萎縮や沈黙になります。若手が定着しない会社は、循環が止まっているのかもしれません。

組織の中の「ミミズ」
会社の中にも、ミミズのような存在がいます。
・若手の話をちゃんと聴く人
・場の空気を少しやわらかくしてくれる人
・「ありがとう」を自然に言える人
・失敗を責めずに次につなげる人
そんな人がいるだけで、職場の空気が少し違う。私は、これが「承認の循環」だと思っています。承認といっても、大げさな表現ではありません。「見ているよ」「期待しているよ」「あなたがここにいることを大切に思っているよ」このメッセージが、日常の中でちゃんと行き交っているかどうか。それが、土のやわらかさを決めます。

若手の定着と採用
若手は会社を辞める、というより、硬い土から離れていくのだと思います。制度を整えることも大切です。
待遇を見直すことも必要です。でもその前に、「この会社の空気はやわらかいか?」と、自分に問いかけることのほうが、実は大事かもしれません。
そして採用においては、最近の求職者は、本当によく見ています。ホームページやSNSを細かくチェックして、面接の短い時間でも、会社の温度を感じ取っています。土がやわらかい会社は、言葉にしなくても伝わります。逆に、制度が整っていても、空気が硬ければ、なかなか人は集まりません。採用は条件だけの勝負ではなく、「この土壌で育ちたい」と思ってもらえるかどうか。そこにかかっているように思います。
承認と対話が循環する組織をつくることが、結局は採用にも定着にもつながっていくのだと思います。ミミズのように、目立たないけれど大切な存在。そんな役割を、組織の中でどう育てていくか。そこに、働きたいと思える組織をつくるヒントがあるように感じています。
持ち味研修を思い返すと、その研修をすることでだれもが優しくなれる、耕していける存在になれるってことだなとこじつけてみます(笑) 導入を検討されたい企業さま、随時ご相談ください。
中小企業診断士 阪本純子












