コラム:組織づくり | ブログ・コラム

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カテゴリ:コラム:組織づくり

認め合うことで組織はしなやかに進化する

2024.7.8

こんにちは 阪本です。

今年も蒸し暑い夏がやってきました。2024年も後半戦。いろいろなことが動いている世の中ですがしっかりと足元も見失わず皆様のお役に立てる組織支援に邁進します。そうそう、7月に入ると会社のある四条烏丸付近はすっかり祇園祭一色です。今週12日には前祭りの曳き初め、17日は巡行ということで、ますます賑やかになりそうです。その祇園祭を遂行するために、鉾町だけでなく、京都のあちこちのつながりを巻き込んであの盛大なお祭りができているとのこと。京都に根付いている力を感じます。

さて、5月に試験的にオンラインで認め合いのワークショップを実施しました。参加していただいた皆様から頂いた感想を少し紹介します。

  • 「承認力チェックで自分を見つめ直す機会になった」

  • 「承認力についての話は以前の勉強会で聞いたことがあったが、実践形式で体験できたことは良かった」

  • 「普段聞けない他者からのプラスの評価は励みになることを実感しました」

  • 「会社の体質を議論するきっかけにもなりました」

私たち誰もが持っている「認められたい」という欲求。そして、それと同時に他人を認めたいという気持ちも心の中に存在しています。この相互承認の力が発揮できていることは、組織開発においてとても重要な役割です。そしてその先に、組織の課題をそれぞれが自分事とらえて動けるようになると、組織、チームの力がついてきます。

私自身、この研修を通して自身を振り返ってみて、やっぱり認められたい欲求の中でも、特に共感や行動を評価してもらいたい意識が強いことに気づきました。自分の価値観をつい当てはめてしまって周囲への声がけも、どうしても過程を評価してしまいがちなことに気づきました。承認ポイントは人によって違うんですよね。「尊敬する」にポイントがある人にはそれなりの伝え方があるし、「功績を伝える」「手柄を伝える」ことで認められていると感じる人もいるわけです。

以前に当社メンバーでやった時の承認ポイント

以前に当社メンバーでやった時の承認ポイント 承認カードを使った研修では、仲間の承認と合わせて自分の承認ポイントも伝えます

ひとりで振り返るだけでなく、良く関わっている、あるいはこれから仕事をするメンバーと話す過程で、自己理解と他者理解が進み、「いる⇒なる⇒する」関係性ができます。認め合うことで、組織としてのしなやかさが備わってくるイメージが持てるようになってきました。


認め合う力を引き出すリーダーであるために

リーダーシップにおいて、承認の力はとても大切です。リーダーが部下の努力や成果を適切に認めることで、チーム全体のモチベーションやエンゲージメントが大きく向上します。ここでは、リーダーが効果的なフィードバックを行うための具体的な技法をいくつか紹介します。

①具体的であること

承認は具体的であることが大切です。例えば、「良い仕事をしたね」ではなく、「今回のプロジェクトでのあなたの分析はとても詳細にしてもらっていたので、私たちの理解を深め、お客様も喜んでいましたよ」と伝えることで、受け手は自分の具体的な行動が評価されていると感じることができます。

②できるだけすぐに

承認はできるだけ早く行うことが重要です。都度のフィードバックは、行動と結果を結びつけやすくし、認められた感が大きいのです。気づいたその場で言葉にして伝えましょう。

③ポジティブな言葉を選ぶ

認める承認の声掛は、肯定的で前向きな言葉を選ぶことが大切です。ネガティブなフィードバックも必要な場合がありますが、それを伝える際には必ずポジティブな要素も含めるようにしましょう。

良くない例:
「今回のセミナーはいまいち聞いている人に伝わりにくかったかも。次はもっと練習して工夫もしてみてくださいね。」

良い例:
「今回のセミナーでは、資料も整理されていて分かりやすかったです。次は、双方向に話す時間をつくるなど受講生にももっと積極的に発言してもらえる時間を入れると、さらに良くなると思いますよ。」

「良い例」では、良い点を具体的に指摘し、建設的な改善点を示すことで相手のやる気を引き出しています。「良くない例」はその逆で、やる気を下げてしまうようなネガティブさを感じます。

このように認めること、特に相互に承認しあえる関係性ができることは、チーム全体のパフォーマンスを向上させる効果があります。承認が行われる環境では、従業員の離職率も低下し、長い目で会社の未来とその価値を創造する組織基盤が築かれます。そして、何より、ひとりひとりが自律的に動けるようになってくるので、しなやかに対応できる組織へと成長します。


これらのリーダーシップにおける承認のスキルをさらに深く学んでいただける機会として、短時間のオンラインで参加可能な『承認力向上研修』を実施します。この研修は、単なる技法の習得にとどまらず、リーダーとしてのスキルをさらに磨き、組織全体のパフォーマンス向上に貢献できる内容となっています。具体的には、フィードバックの質を高めるための実践的なワークショップの一部を、一緒に推進していきたい会社のメンバーをお誘い合わせの上ご参加くださいね。

対面での研修が一番効果的です。こちらもご覧ください。まずはオンラインの『承認力向上研修』に参加してみて下さいね。まずは話しましょう!でも構いません。

研修を通じてリーダーシップの新しい一面を発見し、組織をさらにしなやかに進化させることにつなげていきましょう。

中小企業診断士 阪本 純子

ワクワクを起点に、認め合いの風土を醸成する

2024.5.23

こんにちは、阪本です。

一昨年から、近所の「シェア畑」で野菜作りを学び始めました。2年目に入り生活の一部になってきたかなという感じです。5月から6月にかけては、脇芽を取ったり支柱を立て替えたりと、手を入れる作業が多く、キュウリやナスが成長します。今年はぬか漬けにも再挑戦しています(数年前にも始めましたが、半年ほどでやめてしまいました)。野菜作りもぬか漬けも、環境が大切で、手を入れ過ぎず自然に適応し、無理やり促進させずに待つことが求められます。これって組織にも通じるところがあるなーと、最近よく思っています。(写真はぬか漬けです)

さて、「ワクワクを起点に認め合いの風土を醸成する」について考えてみたいと思います。認め合いとは「相互承認」のことです。この相互承認をワクワクしながら組織の風土として醸成できたら素晴らしいと思っています。「促進」や「活性化」といった言葉ではなく「醸成」としたのは、それがすぐにできるものではないからです。広告のような「これで絶対変わる」「読むだけで儲かる」といった強いキャッチコピーは、誇大広告にしか思えません。特に人や組織に関しては、そんな簡単にはいかないと考えています。「風土」という土壌を整えるものとすると、「醸成」や「発酵」が適していると思います。

ワクワクの源泉となるもの

ワクワク感とは、新しいことや挑戦的なことに対する期待感や興奮、そして楽しみを感じる感情を指します。仕事においても、新しいプロジェクトの開始や、チームとの協力による成果への期待感として現れます。ワクワク感は、個人のモチベーションや創造性を高め、組織全体の生産性や士気を向上させます。そんなワクワク感を感じながら認め合いの醸成を進めるための仕掛けをつくっていきましょう。

相互承認の一歩とは

SNSが広がっているように、相互承認に対する人間の慣性のようなものを感じます。最も簡単で日常的にできるのは、相手の存在を認めることです。その方法は、挨拶をする、名前を呼ぶ、話を聞く、会話をするなどの動作によって最低限の相互承認がなされます。

ご自身を振り返ってみてください。朝から相互承認の行動が取れていますか?名前を呼んで出会った人と目を合わせるだけで、相手の受け取り方は大きく変わります。このような小さなテクニックの積み重ねもあり、気持ちだけでなく習慣化していくことが「承認力」だと思います。私も投稿に「いいね」が増えると嬉しいし、コメントでさらに認められている感じがします。これって「存在承認」でもありますよね。でも、その承認欲求のポイントは人それぞれです。表現方法も単一ではなく、それぞれのキャラクターや性格にもよります。だからこそ、お互いを知ることが大切です。それが「相互承認」の第一歩となります。

 

承認のポイント(セミナー資料より)

ワクワク感を起点に、「認め合い」の風土を醸成できることは、経営者としてのリーダーシップとして大切だと考えます。そんな体験を、ちょっとだけ体験していただけるワークショップを企画しました。

 

詳細はこちらから・・まずは承認力の確認と、承認ポイントを感じてみませんか。

https://lp.accelc.co.jp/2405

より良い組織づくりについて、語り合いましょう。お気軽にお声がけください。

関連記事:11月のブログhttps://accelc.co.jp/blog/jieigata/

中小企業診断士 阪本 純子

エンゲージメントが高い組織は関係性から

2024.4.16

阪本です。

4月も後半、桜も散り初夏を感じさせる気候に入ってきました。先日の日曜日は、私が住む地域で5年ぶりに完全復活した玄武神社のやすらい祭りが行われました。桜と共に散り広がる疫病を花傘に集めて神社に封じ込めるという1年間の無病息災を祈願するお祭りです。

息子たちが参加するので、練習風景も少しだけ見ていましたが、祭りで練り歩く花形の鬼役、お囃子の笛の男の子たちは2週間、毎晩の練習。やんちゃな男の子たちの前に立って指導に当たる高校生や大人の方の熱気もすごいし、何だかいい空気です。短期間の力の入れようを感じます。こういった短期間の目標が明確な行事ってみんなの本気度が集結して、普段地域で顔見知りだったり遊んでいたりする間柄ではあるものの、普段とは違った場の中でそれぞれの強みが発揮できる場だなあと感じました〜ただ、私たちに見えるのはほんの短期間だけで、氏子町内会からの初穂料で何とかお祭りが継続し保存されています。この時期だけでなく、日々活動されている各町内の宮総代さんや踊りの保存会の方々のおかげ、そして声掛けなどもあり継続できていることも改めて知ることにつながりました。

さてさて、引き続きよりよい組織づくりからよりあたたかい豊かな社会をつくっていきたく発信していきますのでお付き合いください。

関係性から始まる、beから始まる

度々ご紹介している「関係性の質」もう一度復習的に・・・

前回のブログでもご紹介した木村社長と先月に再びお話しする機会に恵まれ、また学びました。人と人の関係性、コミュニティは「いる」→「なる」があって「する」があるはずなのに、会社では「する」が先に来てしまっているからうまくいかなくなるだということ。「いる」があって「なる」ために、雑談を含めて考え方を話すこと、一緒にいて話す時間を増やすために、3ヶ月に1回の社員同士で企画する社会科見学をやっているそうです。期待や成果をベースとなる「する」が前提にならないように。ヒューマンビーイングがあるとチームワークが生まれて、助け合う組織ができてくる。当たり前のようなことながら、人間性が大切と言いながら目先にとらわれると、気づかないうちに機械的に扱ってしまうことがないでしょうか。丁寧に扱えなってしまうと信頼関係と関係性は一気に壊れてしまいます。

共感しあえる目的を語り合う

目標はなくてもいい、目的があればいい。以前にもご紹介したアグティさんの齋藤さんが言われていました。目標を達成したらそこどまり、本質的な意味を考えなくなってしまう、思考停止してしまうと。じゃあ売上や利益目標って何?社内に説明していますよね。小さな目標の積み重ねがあってこそ目的は達成されるし、年始や期の始まりに「経営目標」を発表されている会社もあると思います。ただそれはあくまでも「経過」であることを忘れてはいけません。あくまでも「目的」を達成するための手段が目標です。ひとりひとりの価値観や生きる目的は違うかもしれません。でも重なり合う部分を分かり合っていれば組織で一緒にやっていく価値を感じてもらえるはずです。メンバーそれぞれの違う部分を認め合い共感しあえること、立場が違うこと、分かり合えないことを前提に、わかろうとすること。今風の言葉で立場の違う相手とベクトルを合わせていくスキルのことを「エンパシー」と言ったりもしますね。

 採用は入口が大切

先ほどの木村石鹸の木村社長のお話の中では「調整コストがかかりすぎる人は採用しない(大変さん、ネガティブ誇張ポジティブ矮小な人、心配症過ぎる人など)」と言われていました。ネガティブな人や心配症の人は必要だけど、周りによくない影響を与える人のことを「調整コストの高い人」として採用しないとしているそうです。そして「自分の機嫌を自分でとれるようになろう」と育成しているとのこと。とはいえ、社長が面接するのは最初だけ、あとの面接は幹部や現場の7人で面接し、一人でも×を付けたら採用しない、全員一致で採用とのことです。社長が決めるのではなくて現場が責任をもって採用する人、一緒の仲間になる人を決める、その基準は「する」ではないんですね。他の会社でも聞いたのが、やはり社長ではなく現場が採用を決めていく、そうすると現場も育つし、しっかりと自分事で思いを伝えようとする、そうすると「する」ではなくまずは「いる」ためにお互いのことを知ろうとする関係性から始まる組織になっていくことに直結しますね。

もう一つご紹介したい事例があります。京都にアミタホールディングスという会社があります。そこでは「入社」と言わずに「合流」というそうです。中途入社じゃなくて「中途合流」、入社説明会ではなく「合流説明会」。同じ夢の実現を目指す仲間に入るということを表しています。

ただ人不足といわれる今、特に小さな会社の採用では、最初から「夢」を目指すといった志が高い方ばかりとは限りません。ただ、採用時のマインド、「いる」ことができる関係性は大切です。採用の基準は、一日一緒に過ごしても苦痛じゃないかを確認しているという経営者の方がいたことを思い出します。まずは「いる」ことから、入社後の組織で共に働く「仲間」に「なる」ということ、そして初めて「する」ことができる。そこを育成し社会で活躍できる人材を育てる器であることも会社の社会的な役割です。

新入社員が入られた会社も多い時期、これまで書いてきたこととの重複もありますがお伝えしたくまとめてみました。今年度もよろしくお願いします。

より良い組織づくりについて、語り合いましょう。お気軽にお声がけください。

11月のブログhttps://accelc.co.jp/blog/jieigata/

中小企業診断士 阪本 純子

本当に地球が危ない!!環境経営、地域企業こそ取り組まないと!

2024.2.22

阪本です。

私は環境活動家でも、地球温暖化に詳しいわけでもないです。普通に暮らして働く市民として、地域の企業の皆様のご支援をさせていただく中で、「Think Globally Act Locally」を思い起こすことが増えています。この言葉なんと1960年代にできていたということにも驚きです)

例えば、昨夏の異常な猛暑、豪雨、この冬の暖冬と雨の降り方には気候の変化を感じずにはおれません。農業委員の活動で、農家の方の声をお聞きすることも増えました。異常な暖かさでの作物の出荷時期のズレや不作を心配しておられる方も多く、私たちの食卓への影響も今後も出てきそうです。「地球規模の視野で考え、地域視点で行動する(Think globally, act locally)」という考え方、まさに持続可能な社会の中で地域企業が存在価値を見出していくためには大切なことですよね。そのために具体的な取り組みが環境経営です。

 

知っておきたい流れ:サプライチェーンでつながっている

【上記は環境省の資料より】

地域企業で最近話題になっているカーボンニュートラル(以下CN)、脱炭素経営・環境経営とも直結することなのですが、取り組もうとするきっかけは取引先の大企業に求められたからということも多いようです。中小企業は、大企業にとっての上記の図のSCOPE3(事業者の活動に関連する他社の排出)にあたる部分であり、取引先の中小企業に対して、温室効果ガスの排出量を提出するようなことを言われていたり、どういったGHG(CO2等を含む)削減目標のもとに企業経営をしているのかということのヒアリングが入ったりしているそうです。

やってはダメなこと

大企業はできることができるが中小企業は無理じゃない?という声も多く聞かれます。小さな会社だとそんなこと考えている時間がない、専門知識を身に着けることができないというようなこともあるかもしれません。でも5年後、10年後を考えてみてください。

CO2減らそうと思うと生産量減らすことになるでしょ?うちのような小さな会社がやってもと大した影響はないんじゃないかと決めつけないでくださいね。確かに今時点をみるとそう思いますよね。今いる時点をみたらそうかもしれないですが、現時点で、できるかできないかを判断してはいけません。

CNへの取組ステップ

未来を見据えて、まずは2050年からバックキャストした自社の姿と私たちの暮らし、世の中を想像して考えましょう。30年近くあとは世の中もがらりと変わっているはずです。

【環境省 中小規模事業者向け脱炭素経営導入ハンドブックより】

まずは、「知る」ことから。たくさん情報は皆さん目にされていると思います。方針の検討をする際に、今、目先のできるできないかよりも、もっと未来から俯瞰しましょう。環境省のガイドブックにあるのですが「脱炭素経営へのロードマップを描く際には、実行可否が未確定の削減対策についても記載してください」となっています。すべてできるものでなくても、今はリソースがなくてできないけど自社として取り組みたいこと記しておくことが大切です。現時点では無理!と思うことあると思います。でも3年後5年後は周囲の脱炭素経営への取り組みも加速しているはずです。

やっぱりジブンゴトで、心で伝わり実行していく

何からっていうと、やっぱり省エネからになりますよね。省エネしよう!カーボンニュートラルに取り組もう!っていうんじゃなく、身近な働く場で未来を心で感じながら、思考停止せず取り組みを考えていく、そこから身近な家族、自社の仕入れ先と売り先とも波及しあえるはず。「カーボンニュートラルに向けた取組は自社のCO2排出量削減に留まらず、バリューチェーン全体に広がる」とか。仕入れ先側にも、お客様側にも、その先の最終ユーザーにも伝わって、当然未来にも関わるものです。最初は、とりあえず取引先から言われたから、なんかかっこいいからからでももちろん構いません。何より、今の目の前の小さな課題は、世界につながっています。

自分は2050年には完全にリタイアしているからあまり関係ないなんて思わないでください。私たちの子ども達や孫達に、50年前に地球温暖化の対策を全然してくれなかったから、食糧難の時代に、暮らしにくい社会になってしまったんだなんていう不名誉な先人に、不名誉な会社になりたくないですよね。

国や自治体の補助金も活用しながら、一歩進めてみる

温室効果ガス削減と生産性向上に資する設備投資等を支援するものづくり補助金(グリーン枠)もありますし、省エネ補助金、排出量の見える化・使用エネルギー量の管理を行う排出量算定ツールやエネルギーマネジメントシステムの導入などをIT補助金を活用するといったことも考えられます。導入事例なども調べてみてくださいね。当社でも情報発信していきます。

CNやGX推進なども含めたこれからの地域企業の未来を一緒に考えていくご支援もしますので、お気軽にご相談お声がけください。

そのほか参考

1)環境省「中小企業の取組事例集」(https://www.env.go.jp/content/000114657.pdf)

2)環境省動画「<ダイジェスト版>脱炭素経営で企業の新たな強みを創ろう」(https://youtu.be/4WH2qFIl6j4)

中小企業診断士 阪本 純子

組織はインフラ、働く場の環境づくり

2024.2.20

阪本です。

塾長として運営させていただいている「職場づくり元気塾」は全6回で、5回目までが終了し、残り1回となりました。5回目の現地視察では、伊賀の木村石鹸工業IGA STUDIO Projectを訪れました。この工場は2020年に稼働を開始し、「モノを作る」から「楽しいを作る」をコンセプトにしています。木村石鹸工業は、植物由来のせっけんや家庭用洗剤を製造するメイン工場であり、「STUDIO」として「楽しいをつくる場所」プロジェクトを推進しています。このプロジェクトは、常に進化し続ける場所として位置付けられています。

木村石鹸工業株式会社 代表取締役社長 木村 祥一郎氏:4代目社長、事業承継するつもりでなく、1代目の父親の後に工場長が引継ぎ、その後知人の外資系社長の経験のある方を紹介し、その方が会社の制度や評価を導入しその後保守的な組織ができてしまっていた。2013年に現社長が常務として入社し、その後2016年9月、4代目社長に就任。

各企業から参加されている塾生の皆さんからの事前質問でも多かった自己申告給与制度、親孝行強化月間について、その元にある考え方も社長からお話も聞き、そんな会社が増えていけば、もっとイキイキ働ける人もが増えていくことを感じました。

信頼関係の元となる透明性

全社員が、リアルタイムで自社の固定費の総額、限界利益を超えた売り上げのタイミングを見えるようにされています。賞与についても原資総額と関わる利益がみんなに見えるので、全社員での配分について納得感があるとのこと。信頼関係をつくっていくために、経営側がやらなければならないことは性善説に立った透明性のある環境づくり、「心配」ではなく「信頼」していくことと言われていて説得力がありました。経営側の透明性が必要というのは、サイボウズの青野さんが透明性の高い経営を実現することについて言われていた「公明正大=公の明るいところで正しいと大きな声で言える」とも通じるものがあると思い返していました。

経営者が率先する環境づくり

料理から発酵へ、管理ではなくよい環境をつくっていくこと。それって、組織が従来のピラミッド型のメンバーシップでなく、インフラ型になっていくこと、命令や統制で動く組織でなく、サーバーントリーダー的な支援できる土壌をつくることとも通じます。

「親孝行強化月間」は古くからやられている仕組みです。これも環境づくりの一つ。この制度では年に1回親孝行強化月間として1万円を支給されているそうです。親でなくてもお世話になった人を思い出し感謝の気持ちを伝えるきっかけとして使ってもらっているとか。心の使い方、より良い人間関係をつくっていけることが大切という思いが込められています。これも社員の育成の一つですね。見学案内の社員さんの工夫された説明、働く人へのインタビューなど顔も見えて気持ちの込められたおもてなしに温かな気持ちが伝わってきました。

これって、私たちの見学の受け入れも含めて、全部が社内外へのマーケティング活動ですよね。社内の人材の定着やモチベーションも高まる自律的な組織がつくられている。組織で働く人それぞれが、いい影響を与え合える共同体意識が生まれてそこではたらく価値を見出している状態になっている、心が通い合っている雰囲気、そこが商品やお客様にも伝播していく、それができる自律的な組織となっているなあと。そうすると会社のファンも自然と増えていきますよね。

心の使い方は磨いていくスキルと言われていたことも印象的でした。スキルとしてトレーニングできる環境をつくっておられます。心の豊かさを感じる場、よりよい人生をつくるための場が働く場であることで社会が持続可能に、やりがいと助け合い、よりチームワークのある社会になっていけば、もっと解決できる課題も増えそうですよね。

より良い組織づくりについて、語り合いませんか。お気軽にお声がけください。

11月のブログhttps://accelc.co.jp/blog/jieigata/

「職場づくり元気塾」の顧問をしていただいている太田肇先生の提唱するインフラ型になる組織について少し書いていますのでこちらも合わせて読んでいただければと思います。

中小企業診断士 阪本 純子