創業者・後継者のための経営講座
~ウィズコロナ、アフターコロナの経営戦略編⑥~
岡原です。
テーマを創業者と後継者としていますが、「これから新しいことを始める経営者にお役に立つ情報を提供する」というコンセプトで書いています。
前回は、同業他社との違いを生み出し、顧客の満足を高めるための「経験価値」、についてお伝えしてきました。
今回は、売上アップの法則①として、顧客生涯価値(ライフタイムバリュー)についてお伝えしたいと思います。
売上高=客単価×客数×購入頻度 と言われます。
売上を高めていくためには、3つの要素のどれか、またはすべてにアプローチして、数値を改善して行けば、結果的に売上が上がることになります。
今回の顧客生涯価値は、「購入頻度」や「客数」に関連するお話しです。
顧客生涯価値(以下、LTV)とは、「顧客1人あるいは1社の顧客ライフサイクル全期間で、その顧客が企業にもたらした価値の総計のこと」とグロービス経営大学院でも定義されています。
要するに、1回買ってくれたお客さんが、それっきりで離れてしまわないように、またリピートしてくれて、ずっとあなたの会社のお客さんで居続けてくれるようになれば、LTVは高まっていくということです。
なぜ、LTVを高めないといけないのか?
多くの中小企業で、新規顧客の開拓に苦労しています。新規顧客の開拓は、既存顧客の維持の5倍のコストがかかると言われます。
実際に新規顧客を開拓しようと思うと、チラシを作ったり、広告したり、キャンペーンをしたり・・・様々な集客施策を行う必要があります。
A社は、新規顧客のフォローをおろそかにし、その場限りで、継続顧客にする事ができず、次々と新規顧客を開拓している会社があります。
B社は、新規顧客があれば、ファンになってもらえるように手厚くフォローし、新規顧客の多くが継続顧客になっています。
さて、同じ商品を販売しているA社、B社、どちらの会社の収益性が高いでしょうか。
まちがいなく、B社です。
では、LTVを高めていくには、何を行えばいいのでしょうか。
まずは①顧客情報を管理する仕組みが必要です。
その前に顧客情報を把握することが必要ですが、把握した情報を会社として管理する必要があります。
担当者の頭の中に入っているだけでは活用のしようがありません。
②顧客を維持するための仕組みが必要です。
ポイントは「コミュニケーション機会をどれだけ作れるか」です。
できる限り顧客と多くの接点が持てるように、かつそこの多くの工数やコストがかからないように考えるのも必要です
③平均購買額を向上させる取り組みが必要です。
お客さんに買っていただいた商品に関連する商品の提案(クロスセル)やさらに上位商品の提案(アップセル)をして、より多くの商品を買っていただき、当社のファンになってもらいます。
皆さんの会社でも、売上アップのために、LTVを高めるためにどんな方法があるか、考えてみましょう。
中小企業診断士 岡原 慶高