こんにちは、阪本です。 今年度は、下の子の保育園では父母会副会長、上の子の小学校ではPTA副会長、そして町内会では体振委員と、家族内でもバタバタとしています。行事が復活するタイミング、これまで話したことのなかった方と話す機会も増えて、新たないい刺激となっています。一緒に作業をする中で、自然と自己開示が進み、役割分担がされて「チームワーク」が生まれ、関係性が良くなっていくとやる気や心地よさが生まれてきます。きっとこれも※「自己内多様性」を磨くことになるはずと信じて(笑)
※ ひとりひとりの中に目で見える役割だけでなく視点もいろいろ持っているということを「イントラパーソナル・ダイバーシティ」とか「自己内多様性」と言う。
私たちは子どもの頃から「チームワーク」という言葉は日常でした。ただ、時代の変化とともに、チームワークの定義やあり方は変化しています。 個が活かされないと、チームワークは十分に発揮されません。チームワークの重要性について考えてみましょう。
自己理解と自己開示、そして他者理解
自己理解とは、リーダーや管理職だけでなく、全てのメンバーにとって必要な要素です。自分自身の得意なことやスキルを掴むことで、積極的に貢献できる分野を見つけることができます。
自己理解が進み自己開示されることで、他者のことを知る機会が増えお互いの理解が進んでいると、苦手な分野では、得意な人にサポートを頼むことや、スピードを求められる場合には他のメンバーに任せることもできます。また、チームメンバーそれぞれの得意や苦手、価値観、性格などを理解していれば、仕事の割り振りや役割の選択が容易になります。 さらに、任せる仕事の意味や背景を説明する方法も変わってくるでしょう。 チーム内の自己理解と他者理解が進むと、自信を持ちながらお互いを認め合える関係性が築かれ、心理的安全性のある環境が生まれます。結果的に、チームワークが向上し、組織全体のパフォーマンスや生産性が向上するのです。
自己開示の前に会社の情報開示
自己開示は個人への働きかけではなく、組織全体の取り組みとしての仕掛けが必要です。会社が十分な情報を開示していなければ安心して開示することはできません。 従業員にとって会社はただ時間を過ごし稼ぐ手段としての場所になってしまいます。経営層には会社の情報開示と共有の仕組みを整備する重要な役割があります。積極的にオープンな環境を構築することで、チームワークを育むことができます。1対1での情報共有という名の指示ばかりになると、仕事は属人化するのが当然であり、他メンバーからのアドバイスや意見は出てきませんし、チーム意識が欠如していってしまいます。常に進捗を共有するためにITツールが必須です。社内情報には全メンバーがアクセスできるようにしておくことが大切です。コミュニケーションを開示するにはITツールをどんどん活用すべきです。
躊躇ある経営情報開示
経営情報の透明性も重要です。かつて私が働き方改革のプロジェクトに参加した際に、ご一緒した金融機関のOBの方が、「財務情報は従業員に開示できている?社員に出せない経営者が、従業員と共に取り組むことを求めるのは違うと思うで」と言われた経験があります。経営情報の透明性が欠けていると、従業員は残業削減や経費削減の意義や影響を実感することができません。従業員は自発的に作業を効率化する意欲を持つこともありません。
損益情報を従業員と共有することで、「自分たちにも還元してほしい」といった声や、経費の使われ方についての疑問が生まれるかもしれません。経営者はこのような反応を恐れるかもしれませんが、会社の数値情報が透明になることで、従業員の興味が他の部署や全体の業績にも向けられ、他者理解も促進されます。従業員が自分の給与に興味を持つのは当然ですが、会社の数字にも興味を持てる環境を作ることが大切です。組織全体での情報の透明性や危機感の共有によって、チームワークが高まり、困難を乗り越えるための強力なチームが形成されるでしょう。
以上のように、会社の情報が開示され自己開示も進み他者理解が進むことは、チームワークの向上につながります。チームメンバーがお互いをより深く理解し合い、心理的安全性のある環境を作り出すことで、意見やアイデアの共有が活発になり、創造性や生産性が向上します。さらに、組織全体の情報開示と透明性も重要であり、従業員が会社の目標や現状を理解し、共有することで一体感が生まれます。これらの要素を組み合わせることで、より強力なチームワークが形成され、組織の成果をより高めていけるということがイメージできますよね。
次回は「自己内多様性」と組織力について書きますね!
中小企業診断士 阪本純子
※メンバーの「自己理解・他者理解」を促進し、社員が主体性を引き出して持続可能な組織づくりをしませんか?詳しくはこちらをご覧ください。