3月, 2021 | ブログ・コラム

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2021年03月の投稿

ビジネスモデル再構築と組織開発 その①

2021.3.23

これまで、コロナ禍での「雇用」という言葉で「働き方」について書いてきましたが、これから数回、組織や人材育成にまつわることをお伝えしていきます。

今注目の「事業再構築」、企業がビジネスモデル再構築の際には、設備を購入する資金だけでなく、事業を担うための新たなノウハウの獲得や経験が必要となります。

新たな人材投資だけでなく、現在のメンバーの新たな技術習得、それ以前の社内の事業再構築に向けた組織目標の設定なども必要となるでしょう。組織の再構築を同時にやっていくことが必須となります。新しいことに取り組む「何をやるか」はもちろんですが、働くメンバー同士が新たな事業に対して成長意欲を持って取り組めるチーム体制をつくっていくことが大切になるでしょう。組織づくりにおいて重要なことをいくつか提示します。

  • 成長のマインドセット

組織が新たなビジネスモデルを再構築して成長しようというとき、組織の成長のためにはその構成の個々が成長しようという意欲があることが前提です。企業としての方向性を個々が自分事にできるように、自分の果たす役割に納得して、これまでやってきたことから新たなに取り組む意欲を高めていく組織の環境に配慮していく必要があるでしょう。

とりわけリーダー層や社歴の長い層の変化を促すために、仕事の進め方そのものを変化させ、今まで以上に社外に目を向け、新たな知識や新たな関係性をつくる行動力も求められます。

そこで必要となるのが「成長のマインドセット」です。新たな事業を、組織と自身の成長の機会ととらえて、困難なことや失敗を「学習の機会」としてとらえて、さらに挑戦の意欲を高めていけるマインドを持つことです。ちなみに、反対の言葉は「固定型マインドセット」や「停滞型マインドセット」です。つい「変えられない」「○○のせいで」「才能やし」と思考停止のマインドセットになってしまうことです。

成長のマインドセットには、経営者とリーダー層のメンバーへの任せ方や仕事の割り当て方、そして何より目標設定が大きく影響します。社歴や年齢やその人本来の持つ性質よりも、組織の環境が大切となりますので、新たなビジネスモデルで大切にしてほしい価値観を都度都度伝えていくこと、そして個への成長支援をしっかりとしていくこと、少し今までよりも高い目標設定をし、失敗を恐れず挑戦できる安心安全な組織づくりが求められます。その組織づくりが事業の成功に直結すると考えます。

(参考)【成長型マインドセットについて】(弊社セミナー資料より)

  • リスキリング

インバウンド業界から国内市場を対象としたサービス業へ、出向で全くの異業種へといったように、今まで以上に業態業界を超えた人的資源の移動が起こっています。「やっぱり時代はDX化だ!」とIT人材を新たに雇用するということは難しく、今働いているメンバーの新たな学び直しや技術習得が前提となります。製造ラインのスタッフがソフトウェアエンジニアになる必要も出てくるかもしれません。ロボットを導入すれば、手で組み立てる仕事をしていた職人がロボットのシステムエラーに対応できるようになれば、仕事の役割や価値が変化します。年齢や経験を問わず、組織的に取り組んでいくことがビジネスモデル再構築において大切なこととなるでしょう。当然、高齢な社員も、中途採用の方もいて、働き手の多様化も進む中、個々の能力が違いハードルもありますが、そんな時こそ社内に学び合う成長マインドが組織的に育っているとスキルを身に着けるスピードも速くなるはずです。

私たち自身が思考構造の中に、当然にデジタル技術、オンラインやクラウドなど取り入れていることが必須となっており、その分野の学び直し、再教育が必要です。そのような職業能力の再開発を「リスキリング」という言葉で表しています。デジタル技術によって、企画の立て方、製品の作り方、売り方、デリバリーの仕方、金銭の授受の仕方、原料の調達や在庫の管理まで、ありとあらゆる事業での方法が変化しています。その方法を理解し選択することが必要です。デジタルについてのみでなく新たな業種業態への適応もスピードが求められます。リスキリングにおいても必要となってくるマインドが前述の「成長のマインドセット」であり、それが個々人ではなく組織に存在していることです。

【補足:リカレントとリスキリング】

リカレント教育とは、1973年にOECDが提唱したもので「再教育」「回帰教育」近いのが「生涯学習」の考え方。リカレント教育は、特に数年前の「ライフシフト」が認知されてきた頃から再び広がっていた言葉でした。さらに、このコロナ禍で、オンラインの学びの場が充実したことから企業発信と言うよりも、個々がキャリアを意識し、身近な課題解決につながる学びをしようという潮流も見られます。対して、「リスキリング」は企業発信で、職業能力をつけること、とりわけ現在のデジタル技術への対応人材を育てること、新しい事業に向けた人的資源を育成の必要性が言われるようになり頻繁に使われるようになりました。

 

アフターコロナを見据えたビジネスモデル再構築②

2021.3.9

ビジネスモデル再構築の連載2回目です。

今回は、「コロナがもたらした変化を知る」というテーマで、事業者や地域経済に与える影響を見ていきたいと思います。

 

コロナによって事業環境は大きく変わりましたが、その影響は地域によって様々です。

また、飲食業・観光業ではGOTOトラベルキャンペーンのような経済対策による一時的な回復は見られましたが、その後の緊急事態宣言による時短営業や外出自粛の影響で、昨年春頃の状態に戻っています。

コロナによる影響は日々変化しており、その影響や変化を正しく掴み、企業経営に活かしていくことが求められます。

 

そこで今回ご紹介したいのが、V-RESASというツールです。

https://v-resas.go.jp/

V-RESASは、新型コロナウイルス感染症が、地域経済に与える影響を把握すること等を目的に作られたサイトです。

まち・ひと・しごと創生本部と内閣府地方創生推進室によって2020年6月30日にサイトが開設されました。

V-RESASの特徴は、政府や自治体が公表している統計ではなく、民間企業の保有するデータが集計され公表されている点で、民間のビックデータを活用してタイムリーに状況を把握することができます。

新型コロナウイルス感染症の影響が大きい、人流、飲食、消費、宿泊、イベント、興味・関心の6分野が対象で、都道府県別や圏域別などでデータを見ることができます。

例えば京都府を見てみると、まず京都府の2020年1月以降のサマリーが表示されます。

20年4月5月では、「移動人口の動向」や「飲食店情報の閲覧数」、「宿泊者数」で大きな落ち込みがあるのがおわかりいただけると思います。

また宿泊者数は10月11月に前年同週比を大きく上回って伸びているのがわかります。

データを詳しく見ていくと、「予約代表者の居住地ごとの宿泊者数」では、「都道府県内」の数値が20年11月に257%に達しており、京都府民が京都府内の地域に宿泊する人数が大幅に伸びていることがわかります。

これは、GOTOトラベルキャンペーンを利用した、近場の宿泊を伴った旅行が多かったことが要因だと考えられます。

今後、感染が収束してGOTOトラベルキャンペーンが再開された場合、近隣のお客様を集客する販促施策が有効になるでしょう。

 

このように、コロナの影響を正しく掴み、自社の事業活動に活かしていくことが重要なのです。

ぜひ、V-RESASのようなツールを使って「変化を正しく知る」ことに取り組んでいただければと思います。

創業者・後継者のための経営講座~心構え編①~

2021.3.3

岡原です。

今回から創業者・後継者のための経営講座をブログを通じてお伝えしていきます。

対象を創業者と後継者としていますが、コンセプトは「これから新しいことを始める経営者にお役に立つ情報を提供する」ということになります。

創業者は新しいビジネスの立ち上げですし、後継者もこれまでのビジネスを見直し、事業再構築のキーワードもあるように、今の時代にあったビジネスモデルを作っていく必要があります。

そのような方に参考になる情報を連載していきます。

創業塾の担当を毎年させていただくのですが、いつも最近の創業者の実態を調査している日本政策金融公庫さんの開業実態調査を紹介して、創業した人の現状を共有します。

日本政策金融公庫 総合研究所「2020年度新規開業実態調査」

その中で少しだけご紹介すると、開業時に苦労したこととして、「資金繰り、資金調達」(55.0%)、「顧客・販路の開拓」(46.8%)を挙げる企業の割合が高いようです。

また、現在苦労していることとしては、「顧客・販路の開拓」(47.3%)に次いで「財務・税務・法務に関する知識の不足」(32.4%)の割合が高くなっています。

みなさん、やはり売上を作るための活動に苦心されていることが良くわかります。

そういう意味でも、創業時や新規事業を行うときには、しっかりとマーケティングを考え、戦略的に行っていくことが必要ですね。

もうひとつ今回お伝えしたいことがあります。

みなさんに質問です。「今、100社が創業しました。10年後に生き残っている会社は何社でしょうか?」

 

 

少し古いデータですが、2006年中小企業白書に「開業年次別 事業所の経過年数別生存率」というデータがあります。

これは、0年に開業した会社が、1年経過後に事業を継続している割合は平均で72.8%、そのうち2年経過後に事業を継続している割合は平均で83.6%・・・・ということを意味しています。

これで計算していくと、100社開業して、10年後に生き残っている会社は26社になります。

ただ、このデータは20年程前のデータなので、今このインターネットが大きく普及し、時代の流れが加速している令和の時代では、おそらくその半分程度まで落ち込んでしまうのではないかと考えています。

要するに、「事業を作るのはたやすく、継続は困難」ということです。

それを踏まえて、創業や新規事業を行う場合は、戦略的にかつ顧客開拓から商品販売、リピートかなどのマーケティングをしっかりと考えて、事業を組み立てる必要があるということです。

こんな感じで、創業や新規事業を進める方にお役に立てる内容を連載していきます。

 

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