創業者・後継者のための経営講座
~ウィズコロナ、アフターコロナの経営戦略編⑤~
岡原です。
テーマを創業者と後継者としていますが、「これから新しいことを始める経営者にお役に立つ情報を提供する」というコンセプトで書いています。
前回は、同業他社との違いを出し、競争力を持って事業を行うかを検討する際の視点として、「モノ」提供業から「価値」提供業へ、についてお伝えしてきました。
今回は、同業他社との違いを生み出し、顧客の満足を高めるための「経験価値」についてお伝えしたいと思います。
最近は、あらゆる分野でオンライン化が進んでいるので、少しやりにくくなっている部分はあるのですが、工夫次第で、オンラインでも経験価値を提供している会社は多くあります。
B・J・パインⅡ/J・H・ギルモア:著 「THE EXPERIENCE ECONOMY」日本語訳:「経験経済」脱コモディティ化のマーケティング戦略 という書籍で、経験価値という考え方が広まるきっかけになりました。
経験価値とは、「消費者は単に商品やサービスを消費するのではなく、得られる体験そのものに価値を見いだす」という考え方です。
もともと、多くの商品がコモディティ化する中で、どのようにして差別化していくかということが根本にあると思うのですが、要するにコーヒーを提供するとしても、様々な提供に仕方があるということです。
次の中で、より経験価値が高いものはどれでしょうか?
①缶コーヒーにして提供する(コモディディ)
②コーヒー豆にして袋詰めにして提供する
③コーヒー豆を自分の好みに目の前でブレンドして提供してくれる
④コーヒー豆を挽いて、目の前で時間をかけてドリップし、その時間も楽しみながら、美味しいコーヒーを飲む
⑤自宅でも、職場でもない、第三の場所でゆったりとくつろぎながらコーヒーを飲む
いかがでしょうか?
①よりも②、②よりも③、④⑤に行くほど、コーヒーを買うという購買行動のみだけでなく、コーヒーを飲む時の体験が価値になっていることが分かると思います。
先日、アップルウォッチをネットで見ていたのですが、サイズ・色・ベルトの種類など、自分に合ったものをカスタマイズして注文することができます。
どれにしようかな・・・と選ぶ経験そのものに楽しみがありますよね。
まさに、経験価値を提供しています。
皆さんの会社でも、経験価値を提供しようと思ったら、どんな提供の仕方があるか、考えてみるのも、違いを生み出すことにつながるかもしれません。
アフターコロナやウィズコロナにおいて、競合との違い・差別化を検討されている方は、是非一度上記の視点で考えてみましょう!
中小企業診断士 岡原 慶高