2021 | ブログ・コラム - パート 3

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2021年の投稿

Z世代の消費行動 ~モノ・コト消費から「イミ消費」へ~

2021.8.2

コロナ禍のオリンピック。無観客の舞台でもひたむきな選手たちの姿に日々感動し、勇気と元気をもらっている大山です。

前回、「Z世代の価値観をつかむ ~SNSネイティブに向けたマーケティング~」と題して、Z世代と呼ばれる若い年齢層の消費傾向や価値観についてお伝えしました。

Z世代は、膨大な情報やコミュニティを選択できる環境におかれていることから、多様性を認め、ジェンダーや社会問題に対しても興味関心が強く、個性を尊重する価値観をもつ傾向にあるといわれています。

そんなZ世代の特徴的な消費行動を示すキーワードとして、最近聞かれるようになってきたのが「イミ消費」です。
「イミ消費」とは、商品・サービスそのものの機能だけではなく、それらに付帯する社会的・文化的な価値に共感して選択する消費行動のこと。たとえば「環境保全」「地域貢献」「持続可能な社会の実現」「フェアネス(正義)」「歴史・文化伝承」「健康維持」などといった付帯価値へ対価を支払うことによって、消費者は充足感や貢献感を得ようとします。こうした価値が付帯した商品・サービスを選ぶことによって間接的に貢献できることに意義を感じる消費の在り方である点が「イミ消費」の特徴です。
モノ消費からコト消費へと、時代の移り変わりとともに購買傾向は多様化し、ここ数年は「イミ消費」へとシフトしつつあります。


「イミ消費」は、モノを購入することで、自分自身が現時点でいいコトを体験できるだけでなく、他者や将来の自分にいい影響を与えようとしているといえるでしょう。
SDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりも、今の若い世代に大きく影響を与えるものと考えられます。単にモノを購入し、コトを体験するだけではなく、そこに社会的・文化的価値を求める消費行動は、ちょっとイケてる、クールなことだとZ世代の共感を呼び、そこからますます広がっていくのかもしれません。

たとえば飲食店では、美味しい料理や気持ちの良いサービスを提供することに加えて「食べることで自然や社会に貢献する」という付加価値がついた消費がイミ消費になります。飲食店側は、提供する料理の食材や、その食材が育まれる自然環境、そして生産者を大切にする姿勢をお客様と共有します。

・災害のあった地域の食材を多く使う
・無農薬、有機栽培で育った野菜を使う
・プラスチックストローの廃止
・テイクアウト容器を再生資材にする
・マイ箸を持参すると割引が受けられる

身近でも、上記のような取り組みをされているお店は増えていると感じます。
イミ消費は今後ますます求められていくでしょう。自社製品・サービスが「イミ消費」の対象になっているかどうか、「イミ消費」されるためにはどのような付加価値が提供できるか、あらためて考えてみませんか。

中小企業診断士 大山 マリ子

人財育成

創業者・後継者のための経営講座~ビジネスアイデア編③~

2021.7.28

岡原です。

対象を創業者と後継者としていますが、「これから新しいことを始める経営者にお役に立つ情報を提供する」というコンセプトで書いています。

今回は、ビジネスアイデアをどのようにして考えていくのかのパート3(最終回)です。

ビジネスアイデアを考えたり、広げていくために4つの視点があるのですが、前回、「好きな事、得意な事から創業分野を決める」「市場を見渡して考える」「組み合わせで考える」の3つを紹介しました。

今回は残りの1つをご紹介します。

それは、「ひとつのスキルを多様な創業アイデアにする」です。

例えば、自転車にものすごく詳しい人がいます。特に海外の高級自転車について詳しく、自分でも買って乗っていたり、メンテナンスをして大切に扱っています。

その人が、「自分の好きな自転車の関連で創業しよう」としたときに、この自転車についてのスキルを使って創業する方向性は様々考えられるということです。

ご自身の創業分野について、再度様々な方向性について検討するヒントにして頂きたいと思っています。その結果、いずれかの方向性に決めて創業することになります。

自転車についての知識と技術があるとしたときに、例えば、「高級自転車販売店」として創業することもできますし、「海外製自転車専門のメンテナンス・修理事業」として創業することもできます。

また、自転車修理技術を教える教室、自転車店専門のコンサルタント、自転車パーツのインターネット販売、海外製自転車に関するポータルサイトを作って広告収入を得るなど、それ以外にも様々な方向性が考えられます。

一度、皆さんの事業の方向性・分野を以下の視点で発想を広げて、考えてみましょう。

中小企業診断士 岡原 慶高

 

好評いただいております「コロナ時代の小規模企業対応ガイド」(2021年2月5日版)を更新版です。

今のうちにダウンロードしておいてください。

コロナ時代の小規模企業対応ガイドダウンロードはこちら

ビジネスモデル再構築と組織開発 その③

2021.7.2

阪本です。先日、令和3年6月18日、「経済財政運営と改革の基本方針2021 日本の未来を拓く4つの原動力~グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策~」(骨太方針2021)が経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定されました。

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2021/2021_basicpolicies_ja.pdf

概要と上記資料を読んでいると、次の時代を感じ、ワクワクしてきましたので、その中の一部をご紹介します。

「多様で柔軟な働き方が進むとともに、いつでも学び直しが可能となる中で、女性や若者、中高年を始め、多様な人材がそれぞれの能力を発揮し、エンゲージメントを高めながら活躍するとともに、こうした人材が地方移住や二地域居住を通じて地方でも活躍し、その活力が維持・発展する社会を実現する。」「正規・非正規という働き方の区分をなくし、誰もがいつでも何度でも学び直しと新たな挑戦ができるようにすることにより、社会全体で雇用の安定化を図る。」とあります。

また、働き方改革フェーズⅡとして「メンバーシップ型からジョブ型の雇用形態への転換、より効率的で成果が的確に評価されるような働き方への改革。ジョブ 型の雇用形態とは、職務や勤務場所、勤務時間が限定された働き方等を選択できる雇用形態。」の他、兼業・副業の普及・促進のためのガイドラインの周知、選択的週休3日制度、地方兼業などについて取り上げられています。

これらの動きからもみて、ひとりひとりの働く人(=生活する人)の新分野展開、業態転換に対応する能力が必要となってきました。企業に対しては、業態変換や新分野展開が対象となる「事業再構築補助金」のように、国からの事業見直しへの後押しもあり、従来の事業から大きく業態や業種を超えてビジネスモデルを再構築する企業が増えています。

私自身も、今の業務から新分野展開?業態転換?何ができるの?っていわれるとその瞬間は不安になってしまうかもですが、ちょっと立ち止まって未来に目を向けると「年齢や勤続によらず多様な選択肢から自らの能力やライフスタイルに応じて働き方を選択すること」を前向きにできる世の中は、新たなことにもチャレンジできる機会や選択肢を得ることなので素敵だと思います。

先日の新聞記事で、江戸時代創業という老舗企業の紙卸会社の40代の営業課長代理の方が、会社の新規事業として始めた高級食パンの店舗に異動して活躍していることが取り上げられていました。これまで全く未経験のパン製造をやるようなって活躍できている要因は、会社側との丁寧なすり合わせが都度できていること、分野は違っても、営業スキル、これまでの経験を活かしてまた成長できるということが実感できていることで、事業推進の原動力になっているように読み取れました。

もちろん失敗もありますし、不適合に見えることもあるでしょう。でもこれは捉え方次第。企業の存続のためには、担い手となるひとりひとりのアップデートの機会をつくることが、会社にも必要とされ、働く人が定着し成長する組織となっていくことを感じています。

自社の再構築と組織づくり、働き方についての方向性、未来のあり方について、是非可能性の広がりをお話しできるとうれしいです。

アフターコロナを見据えたビジネスモデル再構築④

2021.6.14

ビジネスモデル再構築の連載4回目です。

前回は、「コロナがもたらした変化をきっかけに多くのビジネスが生まれ、今はまさに変革のチャンスだ」というお話をしました。

アフターコロナを見据えたビジネスモデル再構築③

 

今の事業を見つめ直し、事業再構築をする最適の時期です。
今回からは、具体的なビジネスモデル再構築の方法についてご説明していきたいと思います。

事業・ビジネスを簡潔に説明すると「誰に・何を・どのように」で言い表すことができます。

 

誰に(顧客)・・・どのようなニーズを持ったターゲット顧客に対して

何を(商品サービス)・・・どのような価値のある製品・サービスを

どのように(提供方法)・・・どのような強みを使って、どのように提供するか

これらをまとめて事業ドメイン(事業活動を行う領域)と言います。

 

顧客のお困りごとを解決してお役に立つのが事業活動の本質だとすると、企業戦略においても「顧客、商品サービス、提供方法」の3つ切り口で事業転換を考える必要があるということです。

 

・店舗販売が難しいので、オンライン販売を強化しよう。

・訪問営業からウェブ会議ツール(zoom)を使ったデジタル営業にシフトしよう。

 

これらは営業活動の手段の変化に過ぎません。

まず重要なのは、顧客のお困りごとの変化を的確に捉え、事業ドメインを見直していくことなのです。

 

そこで次に考えていくことは「顧客は誰か?」という問いです。
そして、自社の商品・サービスが「お客様から選ばれているのはなぜでしょうか?」

 

事業転換を考えていく前に、まずはこれまで自社が提供してきた顧客提供価値は何なのかを、改めて問い直すことが大事になってきます。
この顧客提供価値を考える上で、上の2つの問いが効果的です。

ぜひ、自社の社内でスタッフの皆さんと一緒に考えてみてください。

Z世代の価値観をつかむ ~SNSネイティブに向けたマーケティング~

2021.6.4

はじめまして。大山です。
アクセルコンサルティングの新メンバーとしてブログデビューとなりました。
どうぞよろしくお願いします。

さて、私が利用している通勤電車には朝、多くの高校生が乗り合わせています。テストに備えて英単語や歴史の暗記をしていたり、宿題の答え合わせをしていたりというのはよく見る光景ですが、私の高校時代と決定的に違う点。それは、手にしているのが本やノートではなく、タブレットであることです。画面上のテキストが色でマークされた箇所を指でタップしながらチェックしたり、お互いの画面を見せ合ったり、目にもとまらぬ華麗な指さばき?にはいつも感心させられます。

生まれた時にはすでにインターネットやデジタル機器が身近にあり、日常生活の中でデジタルを活用することが当たり前の彼らの世代は「Z世代」といわれています。
年代の区切りには諸説あるのですが、おおよそ1996年~2015年の間に生まれ、今年6歳~25歳になる世代。世界全体では人口の4分の1を占め、日本では令和の幕開けと同時に社会に出た人を含む、これからの時代を切り開く世代です。

1つ前の世代(=「ミレニアル世代(*)」)もインターネット環境の整備が飛躍的に進んだ時代に育ち、情報リテラシーに優れたデジタルネイティブではありますが、Z世代の特徴的な相違点は、①学生時代にすでにスマートフォンが世の中に浸透し、ガラケーを使ったことがない「スマホネイティブ」であること、②スマートフォンとともに世の中に広がっていったSNSを使いこなす「SNSネイティブ」「ソーシャルネイティブ」であることです。

Z世代は、膨大な情報やコミュニティを選択できる環境におかれていることから、多様性を認め、ジェンダーや社会問題に対しても興味関心が強く、個性を尊重する価値観をもつ傾向にあるといわれています。SNS上での炎上やいじめを目の当たりにしてきたため、プライバシーには慎重である一方、口コミなどのフィードバックは積極的に行います。また、不況の時期に育ち、リーマンショックや社会不安の経験が影響して、消費に対しては保守的、実用主義であることが特徴です。したがって、ブランドのネームバリューよりも実際の質やサービスのコンセプトに共感できるか、それに見合った費用なのか、と多面的に本質を求める側面があります。昨今、必要な費用で活用できるサブスクリプションサービスの利用が増えてきているのは、こうしたZ世代の価値観に響いたからと言えるかもしれません。

Z世代は、10年後にはマーケットの中心となり消費を支える中核層です。また、コロナ感染症拡大の影響により、これまで以上にデジタル上での販促活動が重要視される中では、デジタルネイティブかつソーシャルネイティブであるZ世代の消費傾向や価値観を掴むことが必要です。

一般的な検索エンジンが主として過去の情報を取り扱う傾向にあるのに対し、今この瞬間の情報や速報についてはSNSの方が得意なので、Z世代の約半数はあまりググらない(検索エンジンを使わない)傾向にあるそうです。そのかわりSNSで興味深いものを見つけると、アカウントやハッシュタグを活用して検索をし、お目当てのお店や商品に到達しているとも言われています。したがって、SNS内のトレンドに目をむけることがマーケティングの上ではとても大切だと言えるでしょう。

また、SNSネイティブであるZ世代は、CMや雑誌で取り上げられている商品よりも自分がフォローしているインフルエンサーに強く影響される傾向があり、自分が「価値がある」と判断した商品に対しては支出を惜しみません。したがって、トレンドセッター(トレンドを発信する人)による効果的な発信を行うインフルエンサーマーケティングの活用は今後ますます重要になるでしょう。

日々大量の情報に接しているZ世代は、1つのコンテンツに費やす時間が短い傾向にあり、インスタグラムのストーリー機能やTikTokといった、より短時間で見られる動画や画像など、ビジュアルを使った情報交換を行います。そのため、良し悪しの判断も速い傾向にあり、興味のないものはすぐに拒否し、画面をスライドして次のコンテンツに移ります。様々なプラットフォームを行き来しながら、直観的に良いと思ったものは抵抗なくシェアします。情報の発信者からすると、いかに彼らの集中力を惹きつけるかということがポイントになり、一つの方法として、動画をはじめとしたビジュアル的な面に重きを置いた訴求が有効となるでしょう。

人は幼少期や青年期に受けた影響により、その後の消費傾向や価値観が決まっていきます。したがって、消費者の過ごした時代や各世代の特徴を知ることが、効率的なマーケティング施策を立てる上で重要となります。自社製品やサービスをいかに効果的に訴求していくか戦略を立てる際、ぜひ念頭に置いていただきたいと思います。

*「ミレニアル世代」:おおよそ1980年~1995年の間に生まれ、今年26歳~41歳

中小企業診断士 大山マリ子

人財育成