2021 | ブログ・コラム

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2021年の投稿

組織が磨かれるリーダーシップ③~関係性の質を高める組織の進化~

2021.12.22

皆さんの組織では、売上金額をあげるために反省会のような会議が行われていたり、分析を繰り返したりしていることありませんか。そして部門長やリーダーは弱みをみせないように理論武装、分析結果を上長に報告する、失敗することを恐れて建前と本音を使い分けて発表する、それに余分な労力をかけていることがないでしょうか。

そうして、弱みをさらけ出せないが故に周りも見て見ぬふりをする、陰口が横行する、雰囲気が悪くなる、建前と本音が分離して、自分と会社の分離も起こり、「本当に思っていること」が語られないために詮索するための労力(=コスト)がかかってしまう・・。

それって「結果の質」にフォーカスした手法をとっているからです。「結果が上がらなければ意味ない」というのは会社である以上当然、じゃあ何が間違っているの?という声も聞こえます。でも上記のような「無駄な労力」がかかっているようであればますます「効率」が悪くなっていくのではないでしょうか。

「関係性の質」については、以前のコラムもご覧ください。

組織が磨かれるリーダーシップ①~関係性の質とリーダーシップ~

https://accelc.co.jp/blog/soshiki4/

 

5年前、10年前を思い返してみてください。違いますよね。今と・・・個々の価値観が進化して生きること働くことへの意識も変わってきました。特に近年は激変です。個人も組織も進化していくはずです。そもそも人にはよりよくなりたいという欲求がある、それを活かすことで進化ができると信じています。

 

「結果の質にフォーカスしなかったら事業が成り立たないでしょ?」という反論も見えますが、そもそも、皆さんは何のために事業をされているのでしょうか?世の中に価値を提供する、喜んでもらえる人を増やす、そのことで対価を頂くという流れだと思います。そうするとその部分をまずは一緒にやっていくメンバーが必要で、1人でできないからこそ組織化していますよね。

 

以下、チームビルティングの出発点といわれる考え方を紹介します。組織開発コンサルタントのベックハード氏が提唱した「GRPI(グリッピー)モデル」です。
組織の健全性を考えるフレームワークで、目標→役割→手順→関係性という4つの要素に着目します。会社の提供する価値、目指したいことなどゴールイメージを共有したうえで、チームで役割分担ができていれば、ルールや手順が見える、チームメンバーの合意形成がなされている状態、その前提のもと日々のコミュニケーションがとれていれば関係性ができている、そんな状態にあなたの組織はなっているでしょうか?

 

お互いの関係性はこのモデルでも土台となります。今回「関係性の質」ということから始めることをお伝えしたかったのですが、その前提として、目標→役割→手順→関係性という順番でまずは確認してみてください。

そして本題の「関係性の質」。

最近ますますエンゲージメントや幸福度ということが言われると同時に、「関係性の質」も浸透してきました。「選択」と「集中」とか、「投資」と「効率」、そういった管理方法は工場の管理が中心で、計画⇒統制ということを大切にしていました。機械の場合は「結果」に重点を置いて管理できますが、人の場合は、結果に焦点を当てると関係性の質の悪化で以下の図のバットサイクルのような状態に陥ってしまいます。それが冒頭の例です。

上の図の右側に当てはまっている言葉のような状態をつくろうとすると、まずはリーダーが自己開示をしたり、弱みを見せたり、メンバーに相談することが大切です。営業進捗会議で「●%達成」とかいう報告だけで、場が殺伐としていませんか?人を操作しよう、コントロールしようとする姿勢では、「相互尊重」や「助け合い」ってできるでしょうか。リーダーがそんな態度だと、メンバーは信頼関係高めようっていう意識にはまずなりませんよね。

こちらの「バッドサイクル」のようになってしまわないように、「グッドサイクル」を回しましょう。意識しないと、長年の習慣から「結果」から入ってしまいがちです。私たちも「人」「もの」「金」は経営資源だからそれを有効に使って利益を出しましょう!という王道の考え方を事業運営の中でいつの間にか身に着けてしまっています。そして、先に述べた「統制」や「管理」を「人」にも当てはめてしまいがちです。「人」は、やる気や働きがいがないと動きませんし、自律的に成長できる存在、自分の意志で止まることもできてしまいます。

「関係性の質」と直結しているのが「心理的安全性」だったり、「エンゲージメント」だったり・・。知っているし、実践しているといった方ももちろん多いとは思います。

次回、また改めてお伝えしますね。

 

中小企業診断士 阪本純子

 

※メンバーの「持ち味」を尊重し、社員が主体となって会社の行動指針を作るコンサルティングを行っています。「私たちが決めた、自分事になった行動指針」について、詳しくはこちらをご覧ください。

非対面型法人営業「ゼロからセールス」①

2021.12.4

今回から新しい連載をスタートします。

テーマは「非対面型法人営業ゼロからセールス」です。

 

これまでの営業活動の常識が通用しない世の中になりました。

売上回復を図るためには新規営業が必要ですが、新規開拓をしようにも見込み先に訪問ができずにお困りになっている企業が多いと思います。

 

従来の営業活動はもう通用しません。

時代に適した新しい営業のカタチを作っていく必要があります。

 

キーワードは、「営業のデジタル化」と「営業のパラダイムシフト」です。

これからの時代の営業活動をゼロから構築して、売上アップを実現する方法をわかりやすくお伝えしていきます。

 

まずは企業を取り巻く環境の変化を見ていきましょう。

日本は人口減少が進んでいますが、果たしてどれだけの人口が減っていくのでしょうか。

 

2015年末には127,095千人いたのが、2040年末には107,280人になると言われており、自人口が15%以上減少します。

企業・事業者数も同様に、2015年末に約400社だったのが、2040年末には約300社と25%以上減少します。

 

人口や企業数が減少すれば、当然ですが見込み客が減少するということであり、これまで以上に競争が激しくなることが想定されます。

 

また、経営環境や社会環境の変化も大きく、IT化の進展、消費者ニーズの変化、エネルギー転換、生活様式の変化、働き方の多様性、消費者行動の変化など、様々な点で変化が生じています。

このような変化が激しい時代に、これまで通りの営業活動が通用するでしょうか?

外部環境の変化がしているのであれば、営業活動も変化していく必要があります。

 

企業経営も同様に、⻑期的な視点で⾃社の将来を考え、持続的な発展につながる経営と事業展開を図る必要性があります。

営業活動の変化については、次回以降に扱っていきたいと思います。

 

中小企業診断士 石井 規雄

WEBでの情報発信 ~私のための情報!~

2021.11.29

今年も残すところ約1ヶ月。昨日、行きつけのヘアサロンに行くと、入り口から店内まですっかりクリスマスの飾り付けになっていました。そろそろクリスマスプレゼントや自分へのご褒美、外食のためのお店や年末年始の宿泊先などを探すため、ネットであちこちのサイトを見ておられる方も多いでしょう。
商品やサービスを提供する企業・お店側としては、少しでも多くのユーザーの目にとまるような情報を発信したいものです。

WEBでの情報発信ツールとして、ホームページ、ブログ、SNSの役割の違いについて、前回お伝えしました(「WEBでの情報発信ツール(HP・ブログ・SNS)基本のキ」)。
どのツールにおいても、文章・テキストが重要であることは言うまでもなく、文章力は必要です。文章力とは「伝達することすべて」であり、コピーライティングも含みます。動画やSNSであっても、サムネイルに魅力的なコピーがあるかどうかで、ユーザーに見てもらえる確率や頻度が違ってきます。

まず大事なことは、この情報はあなたのためのものだと伝えることです。つまり、読む人にとっては、これは私のための情報だ!と感じてもらうこと。
日々大量の情報に接しているネットユーザーは、1つのコンテンツに費やす時間が短い傾向にあり、自分には関係がなさそうだと興味をひかないものはすぐに拒否し、画面をスライドして次のコンテンツに移ってしまいます。

たとえば、「30代の働く女性の皆さまへ」という伝え方をしたとしたら、どうでしょうか?
「30代の働く女性」といっても、家族、住んでいる場所、仕事内容、価値観、生活スタイルは様々です。
貴社・貴店が提供したい商品やサービスは、具体的にどのような場面でどのような人に必要とされるのかを考えて、限定的に訴えましょう。

具体的な例として
①~~したいけど、・・・な方へ
②~~、かつ・・・な方へ
③~~するときに・・・な方へ

たとえば、こんな感じです。
①ダイエットしたいけど、つらい食事制限はしたくないあなたへ
①英語を話せるようになりたい。でも、勉強の仕方がわからないという方へ
②外見だけではなく、内面からきれいになりたいあなたへ
②美味しくて、ヘルシーな料理を簡単につくりたい方へ
③就寝時に、手足が冷えてなかなか寝付けない方へ

この最初の呼びかけで、これは私のための情報だ!読むべき!と思わせ、画面をスライドする手と目をとめてもらい、読んでもらうコンテンツの中で売りポイントをしっかりと訴求していきます。

あふれる情報の中から選んでもらうために、とても重要なWEBでの情報発信の最初のつかみ。これを適切に行うには、自社は「どのような顧客に」売っているのか、「こういう顧客に」買ってほしいという点を明確にしておくことが必要です。

中小企業診断士 大山 マリ子

人財育成

創業者・後継者のための経営講座~ウィズコロナ、アフターコロナの経営戦略編②~

2021.11.17

岡原です。

対象を創業者と後継者としていますが、「これから新しいことを始める経営者にお役に立つ情報を提供する」というコンセプトで書いています。

前回は、「経営の方向性」を考える前段階として、自社の強みと経営環境という視点について、お伝えしてきました。

創業者・後継者のための経営講座~ウィズコロナ、アフターコロナの経営戦略編①~

ここ最近は事業再構築という言葉が良く聞かれるようになったり、コロナ後あるいはウィズコロナを見据えて、新たな事業を検討する会社さんが多くなっていると感じています。

今回は、今後の「経営の方向性」を考えるにあたって、下の画像にある大切な4つの視点の内、1の選択と集中についてお伝えします。

1.選択と集中

今後の事業の方向性を考える時に、是非頭の片隅に常におきながら、考えてほしい大切な視点です。

選択と集中とは、事業を絞り込んで考えるということです。

あらゆる人にお役に立てる事業というのはありません。そのような事業を考えても、溢れかえる市場の中で見込み客に見つけてもらうことはできません。見つけてもらうことができなければ、事業として成立しないわけです。

では、何を絞り込めばいいのかということですが、まずは、「ターゲット」の絞り込みです。
私たちの事業で最もお役に立てる人・会社はどんな人(会社)で、どのような悩みごと、困りごとを持っている人(会社)なのかを明確にして、その人にとって、最高にお役に立てる事業を作っていくということです。

これは、小規模企業だけではなく、大企業においても選択と集中は行われています。

牛丼チェーン店はどのように選択と集中をしているか・・・
もっともお役に立てるターゲットを、「手早くご飯が食べたい人」に設定している牛丼チェーンがあります。
彼らは、そのターゲットに最もお役に立てるように、店舗の設計を行い、メニューを決め、社員教育を行っています。

  • 皆さんの会社が最もお役に立てる人(会社)はどんな人(会社)でしょうか?

 

  • こんなことで困っている人(会社)は、同業他社ではなく、絶対にうちの会社に来た方がいい!!というのはどのような人(会社)でしょうか?

アフターコロナやウィズコロナにおいて、新たな事業を検討されている方には、方向性を検討する際には、是非一度上記の視点で考えてみましょう!

お問い合わせはこちらへ!

中小企業診断士 岡原 慶高

組織が磨かれるリーダーシップ②~大人だからこそ成長できる~

2021.10.25

秋になると、大人の学びも盛んになるようで、オンラインセミナーがますます溢れているような気がします。リカレント教育、リスキリングなどといった社会人の学び直しニーズが高まっている中、コロナ禍によるオンライン選択の幅が広がりました。「大人の学び」市場は大きく拡大しているようです。

リスキリングについてはこちらに書いています

リンク先:ビジネスモデル再構築と組織開発 その①

リーダーシップに関して、企業からの要望も度々あります。管理職層にもっと成長してもらいたい、もっと会社全体のことを考えてほしい、部下を育成する力をつけてほしいなどなど。そこは、スポットの研修で解決できるものではなく、やはり社内外の継続的な取り組みとしての社内の環境づくりが大切で、経営者がまずは率先してつくっていく必要があります。ここはボトムアップを待っておくのではなく、トップダウンが必要な部分でしょう。

 

前回「関係性の質」そしてサーバントリーダーシップについてお伝えしました。

リンク先:「関係性の質」を高める「サーバントリーダーシップ」

ここから本題、今回はリーダーとして、リーダーシップをもつ人材を増やしていくためにも必要な考え方を紹介します。(すでに知っている方は復習を兼ねてご覧くださいね) これ、実は私が子どもの発達過程を勉強している中で出会ったのですが、一般的みたいですね。

【成人発達理論】

人間の意識の成長・発達は「主体から客体へ移行する連続的なプロセス」 意識が成長するほど客体化できる能力が高まり、認識できる世界が広がる、次の意識段階に移行できてこれまでの意識段階を客観視できるということになります。

 

※成人発達理論は10年ほど前から注目され始めました。ロバート・キーガンは『なぜ人と組織は変われないのか(英治出版,2014)』の中で、リーダーの発達段階が高度になればなるほど問題解決能力は高まり、より優れたリーダーになることができると述べています。

 

すこし紹介すると、「知性の発達段階」として「3段階」を提示しています。

①環境順応型知性⇒②自己主導型知性⇒③自己変容型知性

 

③の段階になると

「自己変容型知性」の段階になると、周囲からの情報や自分の価値観に対して「頑な」ではなく、「しなやか」に対応します。周りからの情報が自分の価値観をバージョンアップさせてくれると考えているので、「聴き入れる」スタンスをとります。

そんな日ごろからの「聴き入れる」姿勢を周囲の人はわかっているので、「あの人は聞いてくれる人だ」という評価が定着していて、良い情報も悪い情報も自然と入ってきやすくなります。その結果、優れたリーダーシップを発揮できるのです。

 

私自身は③になりたいと思いながらも②で止まってしまっている場合もあります。それはなぜか?固定観念が邪魔してしまうんですよね。変化することへの抵抗というより、もっと奥の気づいていない利己的な部分とか、恐れていることとか・・・このあたりも心理学に入ってしまうので今回は深追いせずに・・・。(嫌われたくない、弱みを見せれない、他人に嫌な思いをさせないなどなど・・・)

詳細は、「成人発達理論」で検索してみたり、もっと知りたい方は関連書籍を読んでみてください。

プレイヤーとして優秀だけどマネージャーとしてはまだまだ・・というようなお話をよく聞きます。この成人発達理論と合わせると、発達段階をあげていく働きかけが必要となりますが、発達段階をあげるということが必ずしも良いわけでもないのでは?という疑問もあります。周囲との関係性、その人自身の特性=持ち味を周りが受容すること、周囲が発達することでよりよい関係性が出来てくるという可能性もあり、それが個人と個人の関係性の変化で自律的な組織へ成長している段階とも捉えることもできるのではないかということを思いめぐらせています。

成人発達理論における成長段階を知って「スキル」として身に着けるということは「組織が磨かれるリーダーシップ」の1つだと思います。

「人は一生かけて成長していく、生涯をかけて成長していく」

今まで以上に幅広い年代(少子高齢社会の中、シニア活用も必要とされて久しくなります)や、様々な価値観や考え方や特性をもつ人材を活用していくことで経営がより持続的に発展できることを考えていくことと同時に、自身やメンバーの発達についての知識はリーダーには必須のこととなってきています。

次回はもっと具体的に、組織としての「関係性の質」と組織の発達についてもお伝えしていこうと思います。

中小企業診断士 阪本純子

 

※メンバーの「持ち味」を尊重し、社員が主体となって会社の行動指針を作るコンサルティングを行っています。「私たちが決めた、自分事になった行動指針」について、詳しくはこちらをご覧ください。