2021 | ブログ・コラム - パート 4

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2021年の投稿

創業者・後継者のための経営講座~ビジネスアイデア編②~

2021.5.27

岡原です。

対象を創業者と後継者としていますが、「これから新しいことを始める経営者にお役に立つ情報を提供する」というコンセプトで書いています。

今回は、ビジネスアイデアをどのようにして考えていくのかのパート2です。

ビジネスアイデアを考えたり、広げていくために4つの視点があるのですが、前回、「好きな事、得意な事から創業分野を決める」「市場を見渡して考える」の2つを紹介しました。

今回は残りの2つのうち、1つをご紹介します。

それは、「組み合わせで考える」です。

ひとつのアイデアは、定義上はひとつですが、複数の既存アイデアの組み合わせであることがほとんどだと言われています。

要するに起業、創業のビジネスアイデアを考える時、当然今までからある同業他社と同じ工夫も競争力も、違いもないビジネスで起業・創業する方はいないと思います。

自分たちの特徴、工夫は何かを考えて、少しでも市場に支持されるようなビジネスで起業・創業したいと考えているはずです。

そのような時には、是非「組み合わせ」で考えてみましょう。

『アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない』 (ジェームズ・W・ヤング)

何か新しいビジネスを考えていく時、ゼロからクリエイティブに考えていくこともできると思いますが、それよりも既存の複数のアイデアを組み合わせることで、新しいものを生み出していこうという考え方です。

上の例でも、iphoneやフリクションボールペンも既存のアイデアの組み合わせで、市場にない新しいものが生み出された典型です。

その他にも・・・

コインランドリー × 美容室

伝統工芸 × 0歳~6歳児

日本画顔料 × アクセサリー

などなど、私たちの身の回りの新しい、面白い商品・サービスにも、組み合わせて開発されたものが、溢れています。

皆さんも提供しようとしている商品・サービスと何かを組み合わせて、ちょっと他とは違う、工夫された、商品・サービスでの創業や新規事業を考えてみましょう。

中小企業診断士 岡原 慶高

 

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ビジネスモデル再構築と組織開発 その②

2021.5.10

ビジネスモデル再構築を考える時、事業そのものはもちろんですが、自社の人的資源をどう割り振っていくかということは重要です。得意な人に得意なことをやってもらう、その人の好きを引き出す、適材適所を考えることが、事業を推進する立場として、そしてチームづくりの肝となります。

前回は、成長マインドセットとリスキリングについてお伝えしました。ビジネスモデル再構築の場ではこれまで個々が思い描いていなかった能力を磨く必要性がでてくることもしばしば。営業担当が、SNSや動画編集者になるといったようなことだけでなく、工程管理者がソフトウェアエンジニアになるとか、これまでの未経験の分野で学びを得る必然性が出てきます。そんな時、今回お伝えする「計画された偶発性理論」をメンバーに伝えていくことで、偶然を必然と捉え、成長マインドを育てることに役に立ち、組織の転換に適応したチームワーク、事業再構築に企業全体で前向きに取り組んでいくことが出来るのではと思い、すでに知っている方もおられるとは思いますが、「計画された偶発性(Planned Happenstance)」(理論の詳細はググって下さいね)簡単にご紹介します。

起業家、経営者の方は、自社の製品を世の中に広げていくこと、そして有名になりたい、売上利益を最大化していきたい、従業員をたくさん雇用して規模の大きな会社にする、そのための努力は人一倍やっているし、掲げた目標は必達でやり遂げていく・・・強い意志を持って、情熱があること、それは、とても素晴らしく尊敬できることだと思います。

ただ、そんな起業家の方ばかりでもありませんし、雇用されている方であれば経営者目線を持てといわれても・・という方も、また、新しいことに取り組むとき、不平不満が出てくることも多く、現状を変えることに不安が高まることも多いでしょう。でも、せっかくこの組織で働いているのであれば、面白いことをしたいというマインドは心の底にはだれもが持っているものだと信じています。

最初に「その人の好きを引き出す」と書きましたが、それだけではないのが今回の話。ひとつは、組織だからこその意欲が引き出されるのは、周りの雰囲気(実際は一緒に仕事をしている仲間の態度など)で、学びたくなる、新たなスキルを身に着けることにポジティブな感情が生まれて新たな事業にも意欲的に取り組めるのではないでしょうか。その点で、チーム内のリーダーの声がけや育成姿勢、そして組織風土の影響は大きいです。もうひとつは「計画された偶発性」ということをベースにして面談などで、キャリアの考え方を伝えてみることが大切で、このことが事業変革の時期は特に必要なことだと考えます。

つまり、「予期せぬ出来事を学習の機会と捉えること」、今回の業態転換のような、偶然の出来事や出会いを積極的に活用することで、自らの力でキャリアの機会を創造することになるかもよ、この機会に一緒にやってみようよという気持ちを丁寧に伝えること。事業転換など方向性が大きく変わる時には、そんな風に、スタッフに丁寧に伝えることで限りある人材の離職を起こさずに、成長マインドのあるチームが形成されていくのではないでしょうか。

改めて振り返ってみると私自身も、偶然の出来事の積み重ねで今があるなと思います。大きな目標というより、成り行きで素敵な出会いに巡り合えたから。そんなことをチームメンバーで改めて語り合える場も新たなことに取り組むときほど必要となりそうです。

アフターコロナを見据えたビジネスモデル再構築③

2021.4.23

ビジネスモデル再構築の連載3回目です。

前回は「コロナがもたらした変化を知る」というテーマで、V-RESASというツールを使って事業者や地域経済に与える影響を見る方法をお伝えしました。

アフターコロナを見据えたビジネスモデル再構築②

 

コロナは私達の生活や経済活動に様々な影響を及ぼしています。

日々、国内での感染状況が変化し、それによって各方面で対応を迫られています。

 

このような生活が当面続くことが想定されますが、コロナがもたした変化について今一度考えてみましょう。

 

「変化はピンチかチャンスか」

 

コロナによって多くの人々が厳しい状況に立たされていますが、こうした変化は状況によってプラスともマイナスとも捉えることができます。

 

日々生活していると、長期間で生じている変化は気づきにくいですが、コロナによる社会生活の変化のように、急に生じる変化は敏感になりがちです。

この変化を捉えて、新たな動きや事業を展開する事業者も多数出ています。

 

コロナをチャンスと捉えれば、これまでやり方に固執しない新しいチャレンジができます。

つまり、「事実はみな同じ、解釈の違いが未来を作る」ということです。

 

コロナのような外部環境の変化は、あらゆる人々の影響を及ぼすという事実に変わりませんが、その影響をどう捉えるか、解釈するかで、進むべき道(未来)が大きく変化します。

コロナのせいにして、この状況が過ぎ去るのを待つのか、それともコロナをきっかけに、新しく生まれ変わるのか。

全ては事業者の判断・決断次第ですが、それぞれの解釈と歩み方次第で未来は変わってくるものです。

 

「コロナがもたらしたのは、常識の転換」と言われます。

マスクの常時着用、人との距離(ソーシャル・ディスタンス)などは、いまや世界中の常識となっていますが、1年ほど前には考えられなかったことです。

他にも私生活や職場でも、これまでの常識が非常識となったり、新たな常識・ルールが作られたりしていないでしょうか。

 

こうした「常識の転換が起こる時、ビジネスが大きく変わる」と言われています。

国内でも、2011年の東日本大震災、2008年のリーマン・ショックなどの大きな出来事で、これまでの価値観や常識が大きく変化したことは記憶に新しいと思います。

 

実はこうした出来事の後に、新しい事業が次々と生まれることがあるのです。

例えば、日本で8400万人以上が利用しており幅広い世代に支持されている「LINE」は東日本大震災をきっかけに生まれたサービスです。

 

LINE社のホームページにはこういう記載があります。

『LINEは、東日本大震災発生時に大切な人と連絡がとりづらかった経験から、「こういう時にこそ大切な人と連絡を取ることができるサービスが必要だ」という想いの元、スマートフォンで大切な人とつながるコミュニケーションアプリとして2011年6月に誕生しました。』

 

Airbnbはリーマン・ショックが起きた2008年に創業しました。

日本の大企業の中には、戦後まもなく創業した企業が多数存在します。

 

コロナがもたらした変化をきっかけに、多くのビジネスが生まれ、10年後の私達の社会に欠かせないサービスとなることでしょう。

 

今はまさに変革のチャンスと言えます。

今の事業を見つめ直し、事業再構築をする最適の時期だと思います。

 

次回からは、具体的なビジネスモデル再構築の方法についてお伝えしていきます。

創業者・後継者のための経営講座~ビジネスアイデア編~

2021.4.15

岡原です。

対象を創業者と後継者としていますが、「これから新しいことを始める経営者にお役に立つ情報を提供する」というコンセプトで書いています。

今回は、ビジネスアイデアをどのようにして考えていくのかということについてです。

毎年、いくつかの創業塾を担当させていただきますが、参加者の中で創業する業種が決まっている方とそうでない方がいます。

仮に創業する業種ややりたいことが決まっている方でも、再度様々な角度で創業するビジネスについて考えていただくことで、より成功しやすいビジネスに近づけていくことができます。

ここではビジネスアイデアを考えたり、広げていくために4つの視点があるのですが、今回は2つご紹介します。

1つ目は、「好きな事、得意な事」から創業分野を決めます。これは一般的に皆さん考えるので、説明は省きます。

2つ目は、「市場を見渡して考える」です。

①チャンスから考える
・これから5年、10年で増えていくものは?
・これから5年、10年で求められるものは?
・消費者や事業者が不満・不便・不自由・不快・不安と感じているものは?
・これから感じると考えられるのは?
・自分自身が不満・不便・不自由・不快・不安と感じているものは?
・業界では昔からこれが当たり前・・・を打ち破るものは?

要するに、1つはこれから伸びていく可能性があるマーケットで創業することを考えるということと、ニーズをしっかりと考えようということです。

多くの方は、創業する分野での技術や経験があり、商品やサービスを提供することが可能な状態にあります。しかし、よく抜け落ちてしまうのは、「どんなニーズに対応するか」です。

そのためには、その市場は伸びるのか? どんなお客さんの困りごとを解決するのか? を考えて、創業分野を再度考えていきます。

もうひとつの視点は、「業界では昔からこれが当たり前」と思われていることを。打ち破ることができれば、その事業は大きくブレークスルーできる可能性があります。

例えば、10数年前、印刷業界では営業担当者がお客様のところに足繁く通い、打ち合わせを重ねながら、受注しての納品するという仕事のやり方が当たり前でした。

その当たり前を打ち破ったのが、「印刷通販」という業態です。ネットでデータを入稿して、発送するというビジネスの形態ですね。

当時は、そんなやり方成功するはずがない!と言われていましたが、そのマーケットは確実に大きくなり、今では多くの印刷通販の会社が存在しています。

価格ドットコム、10分の身だしなみで知られるQBハウスなんかも、顧客志向で業界の常識を打ち破って成長したのではないでしょうか。

既に会社を経営されている方とお話ししていても、たまにあるのですが、「それは業界ではやらないんです」とか「それはうちの業界では無理です」と聞くことがあるのですが、私はそこにビジネス成長のヒントが隠されている可能性があるといつも感じています。

柔軟な経営者はそこに商機を見いだしていくために、どうしたらいいかを考えているように思います。

②「社会課題」から探す

事業上の最大の機会は、新技術、新製品、新サービスではなく、社会の問題の解決 、すなわち 社会的イノベーション にある(P.F.ドラッカー著:マネジメント[エッセンシャル版]: 基本と原則)

もうひとつは、社会課題から創業分野を考えてみるということです。

皆さんの周りにも様々な社会課題があります。

最近、多くの企業でも経営計画に取り込まれているSDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)もその一つの視点になります。

もう少し身近なことでも、様々な社会課題、地域課題を考えながら、その困りごとをビジネスで解決する方法を考えていきます。

少子化、過疎化、高齢化、買い物難民・・・様々なものがありますが、皆さんの身近なことから考えていきましょう。

 

 

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ビジネスモデル再構築と組織開発 その①

2021.3.23

これまで、コロナ禍での「雇用」という言葉で「働き方」について書いてきましたが、これから数回、組織や人材育成にまつわることをお伝えしていきます。

今注目の「事業再構築」、企業がビジネスモデル再構築の際には、設備を購入する資金だけでなく、事業を担うための新たなノウハウの獲得や経験が必要となります。

新たな人材投資だけでなく、現在のメンバーの新たな技術習得、それ以前の社内の事業再構築に向けた組織目標の設定なども必要となるでしょう。組織の再構築を同時にやっていくことが必須となります。新しいことに取り組む「何をやるか」はもちろんですが、働くメンバー同士が新たな事業に対して成長意欲を持って取り組めるチーム体制をつくっていくことが大切になるでしょう。組織づくりにおいて重要なことをいくつか提示します。

  • 成長のマインドセット

組織が新たなビジネスモデルを再構築して成長しようというとき、組織の成長のためにはその構成の個々が成長しようという意欲があることが前提です。企業としての方向性を個々が自分事にできるように、自分の果たす役割に納得して、これまでやってきたことから新たなに取り組む意欲を高めていく組織の環境に配慮していく必要があるでしょう。

とりわけリーダー層や社歴の長い層の変化を促すために、仕事の進め方そのものを変化させ、今まで以上に社外に目を向け、新たな知識や新たな関係性をつくる行動力も求められます。

そこで必要となるのが「成長のマインドセット」です。新たな事業を、組織と自身の成長の機会ととらえて、困難なことや失敗を「学習の機会」としてとらえて、さらに挑戦の意欲を高めていけるマインドを持つことです。ちなみに、反対の言葉は「固定型マインドセット」や「停滞型マインドセット」です。つい「変えられない」「○○のせいで」「才能やし」と思考停止のマインドセットになってしまうことです。

成長のマインドセットには、経営者とリーダー層のメンバーへの任せ方や仕事の割り当て方、そして何より目標設定が大きく影響します。社歴や年齢やその人本来の持つ性質よりも、組織の環境が大切となりますので、新たなビジネスモデルで大切にしてほしい価値観を都度都度伝えていくこと、そして個への成長支援をしっかりとしていくこと、少し今までよりも高い目標設定をし、失敗を恐れず挑戦できる安心安全な組織づくりが求められます。その組織づくりが事業の成功に直結すると考えます。

(参考)【成長型マインドセットについて】(弊社セミナー資料より)

  • リスキリング

インバウンド業界から国内市場を対象としたサービス業へ、出向で全くの異業種へといったように、今まで以上に業態業界を超えた人的資源の移動が起こっています。「やっぱり時代はDX化だ!」とIT人材を新たに雇用するということは難しく、今働いているメンバーの新たな学び直しや技術習得が前提となります。製造ラインのスタッフがソフトウェアエンジニアになる必要も出てくるかもしれません。ロボットを導入すれば、手で組み立てる仕事をしていた職人がロボットのシステムエラーに対応できるようになれば、仕事の役割や価値が変化します。年齢や経験を問わず、組織的に取り組んでいくことがビジネスモデル再構築において大切なこととなるでしょう。当然、高齢な社員も、中途採用の方もいて、働き手の多様化も進む中、個々の能力が違いハードルもありますが、そんな時こそ社内に学び合う成長マインドが組織的に育っているとスキルを身に着けるスピードも速くなるはずです。

私たち自身が思考構造の中に、当然にデジタル技術、オンラインやクラウドなど取り入れていることが必須となっており、その分野の学び直し、再教育が必要です。そのような職業能力の再開発を「リスキリング」という言葉で表しています。デジタル技術によって、企画の立て方、製品の作り方、売り方、デリバリーの仕方、金銭の授受の仕方、原料の調達や在庫の管理まで、ありとあらゆる事業での方法が変化しています。その方法を理解し選択することが必要です。デジタルについてのみでなく新たな業種業態への適応もスピードが求められます。リスキリングにおいても必要となってくるマインドが前述の「成長のマインドセット」であり、それが個々人ではなく組織に存在していることです。

【補足:リカレントとリスキリング】

リカレント教育とは、1973年にOECDが提唱したもので「再教育」「回帰教育」近いのが「生涯学習」の考え方。リカレント教育は、特に数年前の「ライフシフト」が認知されてきた頃から再び広がっていた言葉でした。さらに、このコロナ禍で、オンラインの学びの場が充実したことから企業発信と言うよりも、個々がキャリアを意識し、身近な課題解決につながる学びをしようという潮流も見られます。対して、「リスキリング」は企業発信で、職業能力をつけること、とりわけ現在のデジタル技術への対応人材を育てること、新しい事業に向けた人的資源を育成の必要性が言われるようになり頻繁に使われるようになりました。