今年は生成AIの1年となりました。日経MJのヒット商品番付で東の横綱が「生成AI」となり、生成AIが非常に注目された1年でした。今後、生成AIはさらに進化し、経営面だけでなく様々な事象で生成AIの知識や経験を求められることになります。そこで今回のブログでは、生成AIを使うときのメリットとデメリットについてまとめました。
メリット①:業務の効率化
生成AIは、データ分析だけでなく、プログラミングや画像・動画などのコンテンツ作成などの作業を高速で行え、業務を効率化することができます。データ分析についてはChatGPT-4(有料版)のData Analysisでデータをアップロードし、分析内容を指示すれば、自動で答えを導き出してくれます。生成AIでプログラミングをすることで、エクセルなどに用いられるVBAコードを作成し、繰り返し作業を自動化すれば、時間を大幅に短縮できます。
メリット②:クリエイティビティの補助
生成AIを用いれば、クリエイティブな内容もすぐに作成できます。アイデア出しについてはChatGPTに指示をすれば、それに合わせた回答をいくつも出してもらうことができますし、新しい視点やアイデア、気付きを得ることができます。また、音楽や画像、動画についてもDALL-3などそれぞれの用途に応じた生成AIを用いれば、創造性の高い作品を短時間で作成してもらうことができます。
メリット③:容易にカスタマイズできる
生成AIを使えば、簡単に自分の使いやすいように生成AIをカスタマイズすることができます。最近話題になっているMyGPTs(有料版)がその1例です。そのほかにもZapierなどアプリ間で自動化できるツールもあり、生成AIにより簡単に自身が使いたいようにカスタマイズできるようになっています。
デメリット①:品質と正確性が低いこと
生成AIで生成される情報やコンテンツは、常に高品質かつ正確性が高いとは限りません。生成される情報やコンテンツは確率論で作成しているため、品質や正確性を求められる仕事で生成AIを使用する場合は、確認作業が必須になります。
デメリット②:倫理的・社会的懸念
生成AIはこの1年で大きく進化したため、それを取り締まる法律がまだないのが現状です。生成AIによりプライバシー侵害や著作権違反など倫理的および社会的な問題を引き起こす可能性があります。2023年12月現在、生成AIの生成物であっても他人に被害を与えると違反となるという解釈が主流になっています。そのため、AI生成物を公開・納品する場合は、違反しないか十分な確認が必要になります。
デメリット③:情報漏洩の懸念
処理負荷の大きな生成AIを利用する場合、自身で使用しているパソコンでは処理能力が乏しいため、その生成AIを管理している業者のサーバーを用いることが一般的です。例えば、ChatGPTを用いる場合、ChatGPTを運営しているOpenAI社のサーバーで処理して生成物を得ています。一度、情報が外部に出ることになるため、機密情報を使って生成AIで処理させる場合は、かなり慎重な対応が求められます。
生成AIのメリットとデメリットを理解しておけば、問題なく生成AIを使うことができ、仕事で大きなメリットを得ることができます。将来の企業経営に向けて、生成AIは必須になるので今から生成AIを使ってみましょう。
経営コンサルタント
平田 紘基