働き方改革 | ブログ・コラム - パート 2

中小企業の経営力と業績向上を加速する アクセルコンサルティング株式会社 近畿経済産業局認定 経営革新等支援機関

〒600-8095 京都市下京区東洞院通綾小路下ル扇酒屋町289番地デ・リードビル6F

友だち追加

補助金に関するお問い合わせは、
現在お受付を休止させていただいております。

無料メールマガジン

「ゼロから」収益向上を加速する!無料メールマガジン・アクセルニュース!小さな会社の経営者のための最新情報をお届けします。

カテゴリ:働き方改革

リーダーに必要な自己内多様性〜組織力を高めるために〜

2023.7.13

阪本です。今回は 前回も少し触れた多様性とリーダー、チームワークとの関係性について考えてみました。

※「自己内多様性」
※「イントラパーソナル・ダイバーシティ(Intrapersonal Diversity)」とは、一人ひとりの中に多様な視点や役割を持つこと。日本語では「個人内多様性」などと呼ばれています。組織におけるダイバーシティというと、多様な属性・経験を持つ人を採用することで実現できる「人材の多様化」を指します。一方、近年はイノベーションを創出する観点から「個人内の多様化」が注目されています。役割を一つだけ担っている人と、複数の役割を担い役割間の対立による葛藤を経験している人とでは、個人の中の「知の組み合わせ」の数に差があり、後者の人材のほうがイノベーションを起こしやすいと言われています。出所:「日本の人事部」https://jinjibu.jp/keyword/detl/1566/

先月、小学5年生の息子の授業参観があり、授業は「LGBTQ+」についてのこと。私自身にとっても学びとなるものでした。子どもたちは、SDGsや気候変動について、大人以上の知識や関心を持っています。個人の尊重や個性の認め合いは当然のことであり、持続可能な社会を築くためにも重要な学びの項目として学校の教育の中にも入っています。授業の進め方も対話型が多いようです。例えば、図工であれば、自分以外のクラスの仲間の作品を見て、すごいと思ったことなどの一言感想を付箋に書いていくといったワークも取り入れられています。そして、昨日知った夏休みの宿題は、「ユニバーサルデザイン」や「バリアフリー」について調べることだそうで、私の時代にはなかったような内容であることも少し驚きました。

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)

さて、大人の世界の話。「多様な人材が活躍できる組織をつくる」という考え方は、人材不足の問題が起きる前から存在していました。調べてみると、海外では1970年代以降、国内では1990年代以降、企業や組織がダイバーシティ&インクルージョン(D&I)経営を重視するようになったといわれているようです。D&Iは企業の競争力や「サステナビリティ」といった考え方において重要な要素となっています。平等性、公平な機会や待遇が企業の雇用の姿勢として求められています。特に大企業では、D&Iに取り組むために女性活躍推進、介護や育児との両立支援、シニアの活躍促進、障がい者の雇用などの人事施策としても実施されていることで、いい会社としてのPRにも活用されています。

ただし、ダイバーシティの意味をもっと広く深く(これを「深層的ダイバーシティ」というそう)、一人一人の個が違っているという前提で「多様な個を活かす経営」が実現されることがD&Iの本質です。 特に人材に限りある少人数の小さな組織、中小企業においては、これが重要な要素となります。当然 「多様性」を重視し、様々な能力やバックグラウンドを持つ人材がいる組織では、バラバラでうまくいかないのです。

自己内多様性とチームワーク

従来のチームは同質性が効率的であるとされ、協調性が重視されていました。しかし、今では年齢や経験だけでなく、価値観においても「多様性」が当たり前になりました。多様な個を活かす組織を実現するためには、経営層やリーダーが「自己内多様性」や「個の中の多様性」を意識して磨くことが重要です。組織内では、部門横断的な経験や異なる立場を経験することによって、見えていなかった側面が見えるはずです。リーダー自身が「自己内多様性」を持ち、経験やスキルの多様性を磨くこと、会社外での経験やリスキリングを肯定的にとらえ、社内でもそれを自己開示し、積極的に取り組む後押しをできる環境を整えることが必要です。

自己内多様性を高めることで、受容力や創造性も高まり、相手と自分のバックグラウンドが異なることを前提として、よりわかりやすい意思伝達や丁寧なコミュニケーションが実現できるようになります。いわゆる「他者視点」(心理学的には「認知的共感」)が生まれ、時には創造的な摩擦が起こることもあります。これによって、多様性を持つチームのマネジメント力がつき、チームワークを仕掛けることができるリーダーとなっていくことがみえますよね。さらに「承認力」の醸成にも通じるものとなります。

さて、わが社を見てみると、代表含め4人のメンバーは多様性にあふれていると思います(笑)個の中の多様性も磨かれているようです。社内で実践していることといえば、全体ミーティングのチェックイン時の話や、ランチの時間がお互いの多様性を感じられる場となっていること、そこが信頼関係の構築につながりチームワークが自然と醸成できていっているんじゃないかなと感じています。会社は数人いればチームですし、社内外問わず、対人間との関係性で進める仕事が多いと思います。その中で、認知的共感、他者視点が必要なことを改めて書いていて気づきました。そのためにも「自己内多様性」について意識して、あえて「脱マイパターン」な行動するようにすれば、そういった能力も高めていくことができそうです。

是非、自身の一週間の行動を振り返って「自己内多様性」が高まっているか考えてみてくださいね。遊びも仕事のうちという自己肯定感を高めることになるかもしれませんが、ほどほどに(笑)

リーダーとしては、他者視点をもってメンバーそれぞれの活躍を後押しする気持ちが持てるようになってくるといいチームワークが作れそうじゃありませんか?

(参考)【改訂版】ダイバーシティ経営診断シートの手引き多様な個を活かす経営へ~ダイバーシティ経営への第一歩~2021年3月:経済産業省https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/turutebiki.pdf

「ダイバーシティ経営」は、社員の多様性を高めること自体が目的ではありません。また、福利厚生やCSR(企業の社会的責任)の観点のみを直接的な目的とするものでもありません。経営戦略を実現するうえで不可欠である多様な人材を確保し、そうした多様な人材が意欲的に仕事に取り組める組織風土や働き方の仕組みを整備することを通じて、適材適所を実現し、その能力を最大限発揮させることにより「経営上の成果」につなげることを目的としています。出所【改訂版】ダイバーシティ経営診断シートの手引き多様な個を活かす経営へ~ダイバーシティ経営への第一歩~2021年3月:経済産業省

 

『インクルージョン』とは、一人ひとりが「職場で尊重されたメンバーとして扱われている」と認識している状態を指します。そのためには、職場メンバーの一員として認められることと、その人の持つ独自の価値が組織に認められていることが必要です。しかし現実には、必ずしもそうなっていないケースが多くあります。たとえば外国籍の社員に対して「海外市場への進出」に際して言語や文化的側面でだけアドバイスを求め、その他の重要事項は日本人の社員だけで決めてしまう場合は「分化」の状態を創り出してしまう可能性があります。逆に、シニア社員が「昔の経験を語ると社内で疎まれる」と考えて有益な知識の共有を控えるような場合は「同化」の状態を作り出している可能性があります。多様な人材が、それぞれ自分の「居場所」を実感できている状態が「インクルージョン」であると言えます。出所:令和2年度ダイバーシティ経営普及・定着手法開発等事業検討委員会 森永雄太委員(武蔵大学教授)

 

中小企業診断士 阪本純子

※メンバーの「自己理解・他者理解」を促進し、社員が主体性を引き出して持続可能な組織づくりをしませんか?詳しくはこちらをご覧ください。

 

チームワークのカギは自己開示、その前に?

2023.5.23

こんにちは、阪本です。  今年度は、下の子の保育園では父母会副会長、上の子の小学校ではPTA副会長、そして町内会では体振委員と、家族内でもバタバタとしています。行事が復活するタイミング、これまで話したことのなかった方と話す機会も増えて、新たないい刺激となっています。一緒に作業をする中で、自然と自己開示が進み、役割分担がされて「チームワーク」が生まれ、関係性が良くなっていくとやる気や心地よさが生まれてきます。きっとこれも※「自己内多様性」を磨くことになるはずと信じて(笑)
※ ひとりひとりの中に目で見える役割だけでなく視点もいろいろ持っているということを「イントラパーソナル・ダイバーシティ」とか「自己内多様性」と言う

私たちは子どもの頃から「チームワーク」という言葉は日常でした。ただ、時代の変化とともに、チームワークの定義やあり方は変化しています。 個が活かされないと、チームワークは十分に発揮されません。チームワークの重要性について考えてみましょう。

自己理解と自己開示、そして他者理解

自己理解とは、リーダーや管理職だけでなく、全てのメンバーにとって必要な要素です。自分自身の得意なことやスキルを掴むことで、積極的に貢献できる分野を見つけることができます。

自己理解が進み自己開示されることで、他者のことを知る機会が増えお互いの理解が進んでいると、苦手な分野では、得意な人にサポートを頼むことや、スピードを求められる場合には他のメンバーに任せることもできます。また、チームメンバーそれぞれの得意や苦手、価値観、性格などを理解していれば、仕事の割り振りや役割の選択が容易になります。 さらに、任せる仕事の意味や背景を説明する方法も変わってくるでしょう。 チーム内の自己理解と他者理解が進むと、自信を持ちながらお互いを認め合える関係性が築かれ、心理的安全性のある環境が生まれます。結果的に、チームワークが向上し、組織全体のパフォーマンスや生産性が向上するのです。

自己開示の前に会社の情報開示

自己開示は個人への働きかけではなく、組織全体の取り組みとしての仕掛けが必要です。会社が十分な情報を開示していなければ安心して開示することはできません。 従業員にとって会社はただ時間を過ごし稼ぐ手段としての場所になってしまいます。経営層には会社の情報開示と共有の仕組みを整備する重要な役割があります。積極的にオープンな環境を構築することで、チームワークを育むことができます。1対1での情報共有という名の指示ばかりになると、仕事は属人化するのが当然であり、他メンバーからのアドバイスや意見は出てきませんし、チーム意識が欠如していってしまいます。常に進捗を共有するためにITツールが必須です。社内情報には全メンバーがアクセスできるようにしておくことが大切です。コミュニケーションを開示するにはITツールをどんどん活用すべきです。

躊躇ある経営情報開示

経営情報の透明性も重要です。かつて私が働き方改革のプロジェクトに参加した際に、ご一緒した金融機関のOBの方が、「財務情報は従業員に開示できている?社員に出せない経営者が、従業員と共に取り組むことを求めるのは違うと思うで」と言われた経験があります。経営情報の透明性が欠けていると、従業員は残業削減や経費削減の意義や影響を実感することができません。従業員は自発的に作業を効率化する意欲を持つこともありません。

損益情報を従業員と共有することで、「自分たちにも還元してほしい」といった声や、経費の使われ方についての疑問が生まれるかもしれません。経営者はこのような反応を恐れるかもしれませんが、会社の数値情報が透明になることで、従業員の興味が他の部署や全体の業績にも向けられ、他者理解も促進されます。従業員が自分の給与に興味を持つのは当然ですが、会社の数字にも興味を持てる環境を作ることが大切です。組織全体での情報の透明性や危機感の共有によって、チームワークが高まり、困難を乗り越えるための強力なチームが形成されるでしょう。

以上のように、会社の情報が開示され自己開示も進み他者理解が進むことは、チームワークの向上につながります。チームメンバーがお互いをより深く理解し合い、心理的安全性のある環境を作り出すことで、意見やアイデアの共有が活発になり、創造性や生産性が向上します。さらに、組織全体の情報開示と透明性も重要であり、従業員が会社の目標や現状を理解し、共有することで一体感が生まれます。これらの要素を組み合わせることで、より強力なチームワークが形成され、組織の成果をより高めていけるということがイメージできますよね。

次回は「自己内多様性」と組織力について書きますね!

研修導入時のアイスブレイクタイム

中小企業診断士 阪本純子

※メンバーの「自己理解・他者理解」を促進し、社員が主体性を引き出して持続可能な組織づくりをしませんか?詳しくはこちらをご覧ください。

 

AIもできる?「やる気を出して」は禁句、信頼関係と伴走力から高まるパフォーマンス

2023.3.20

阪本です。最近、新しい言葉が飛び交っていて、追いつくのに必死です。先日、DAO(分散型自律組織)という説明を展示会で聞き、調べてみると分かったような、分からないような・・・数年前、ティール組織(自律分散型組織)が注目され、私も、勉強したりあちこちでお話ししたり、友人と議論したりしていました。DAOは分散型自律組織という日本語略。さらに進化しているものかというとまたちょっと違うようです。気になる方はぜひググってみて下さいね。いや、chatGPTで聞いてみて下さい。感覚的にですが、未来の組織の形はどんどんフラットに変化していきそうです。

「先生」の役割が変化

さらに、今ホットなchatGPTをはじめとして、何でも手元にスマホがあれば、どこでもいつでも人に聞かなくても調べることができる世の中。当然のことながらすでに、知識のインプットは動画で手軽にできるようになってきて、悩み事もAIに相談すれば一般的な回答には簡単に行きつけます。そんな中、学校に求められるのは、指導するのではなく、引き出して自分で選択して判断して切り開いていく力をつけてあげること、励まして、寄り添って、生徒に合わせて対話を重ね、人と人の関係性を学んでいける場を作ること、プロジェクトをチームで推進できるようになること、そのために支えることなどが先生の役割になっていきそうです。選択肢があることを気づかせてあげたり、何気なく支えてあげたり、学びを促していく「伴走者」の役割が今まで以上に求められると思います。

信頼関係の構築と伴走する力

企業のリーダーも同じですよね。リーダーに求められる役割は組織の個々のメンバーやチームの伴走者であること。以前のブログでもご紹介した、「サーバントリーダー」と通じますが、信頼関係の構築を前提に、伴走力が必要です。私たちのような経営支援業の役割も「伴走者」であり、またそのクライアント様の従業員、その先のお客様、そして社会全体を含めたあらゆるステークホルダーに価値をもたらすために仕事と思っています。お客様と信頼関係の構築は何より大切、すぐに頼れる存在でありたいと切磋琢磨しています。(私たち中小企業支援現場でも「伴走型支援」「対話型支援」「経営力再構築伴走支援」の機運醸成が図られています)

伴走者としての声がけ

では、伴走者って具体的にどんな声がけをしますか。

経営者の方とお話ししていて「従業員にやりがいを持って動いてほしい」というようなことを言われることは多いです。「やりがい」「働きがい」はとっても大切なことですし、私自身も「やりがい」を持って働きたいと思っています。ただ、「やりがいを高めて働こう」「やる気を出してほしい」とそのまま伝えてもやりがいややる気は生まれるでしょうか。言われた従業員側は「じゃあ給料どれだけ上がるの?」なんて思いになるでしょう。「がんばって」と言ってやる気はうまれるでしょうか。

他にもよくありがちな言葉に、「何でも聞いて」「いつでも相談して」と声がけし、従業員と話しやすい関係性をつくろうとする姿勢は大切です。一方、従業員の立場からは「話しかけにくい」「伝えても分かってもらえない」「話を聞いてもらえない」というほうが先で「何でも」「いつでも」というあいまいさゆえに余計にコミュニケーションに躊躇が生まれる、そもそも信頼関係が薄いということがないでしょうか。従業員が主体的になれないというのもよく出てくる声です。例えば、1on1をはじめとした対話の場や信頼関係構築のための場を「時間がないから」「面倒だから」とどこかで感じていませんか。すり合わせていける場をスケジュールに入れていくことも大切。「承認しあえる関係性」「エンゲージメント」そして「定着」を高めるための仕組み(「レコグニション」と言われます)をつくり、環境を整えていくことがリーダーとしての役割です。

さらに、このブログを書いている間に、マイクロソフトのワードやエクセルにもAI搭載のニュースが・・・メールの文章も、経営分析も、箇条書きを文章化してくれるようになるそうです。人間だから、AIだからではなく、AIと共存して、人が使うことでAIは強化学習され寄り添えるようになり、人間をモチベートしたり、チームメンバーとなることもできそうです。でも必要なことは普遍的なことなのかなと思います。

信頼関係の構築、人と人の関係性の質の強化、チームワークの醸成、そして伴走力、人間力を磨いていく必要性をますます感じる最近です。これって経営者だから管理職だからではなく、どんな立場でも必要なことですよね。

組織内外における関係性の質を高める仕掛けをつくっていきませんか?研修の中ではメンバーの特性やありたい未来を知って、仕事で活かしてもらえるよう、それぞれの未来に寄り添って支援できるリーダーであるために、他者理解を深めていくことをやっています。そうするとチームワークが自然と生まれ、会社内のコミュニケーションも円滑になり、働く場の活力が高まります。

当社では、会社の状態に合わせて関係性の質を高めていく仕掛けづくりに伴走するご支援しています。

たくさんのオンラインツールも出てきていますが、未来の組織の形をメンバーで想像しながら、次世代のメンバーとも共有し、持続可能な組織基盤を醸成していきましょう。

中小企業診断士 阪本純子

※メンバーの「自己理解・他者理解」を促進し、社員が主体性を引き出して持続可能な組織づくりをしませんか?詳しくはこちらをご覧ください。

 

コロナ禍の雇用対策③企業が対応する働き方

2020.12.7

阪本です。

12月も中旬に入ってきました。コロナ禍で、仕事と生活の融合だけでなく、企業や組織の境界が曖昧になるような施策も進んでいます。前回取り上げた「雇用シェア」についての取組みもさらに進みそうです。これらに対応することは今後、大切なことだと思います。いくつか関連するトピックを紹介しつつ(法制度の詳細は検索して調べてくださいね)、その際に必要となってくることを書いてみます。

【従業員シェアが助成金の対象に】

従業員シェアは、従来の取引などに基づいて実施される出向や派遣と異なり、組織、業種、地域といった既存の枠組みを越えて人材の有効活用を促す仕組みです。これに、厚労省が助成金を出すことで促進しようとしています。前回と重なりますが、雇用を守ると同時に、別の仕事を経験し、スキルアップを促すといった利点があると言われます。

過去から、人口減少社会に対応した動きとして、主に女性や高齢者のこれまで就業していなかった層への施策として、「多様就業型ワークシェアリング」という取組みがありましたが、特定の層への対応ではなく、もっと広い取組みで、助成があることで社内規定の整備も進み、企業・組織を超えたつながりが広がるきっかけとなると思います。従来の雇用したら社内で定着ということではなく、個々の能力やキャリアを見極めて、組織外も見越しての人材配置がますます必要とされそうです。

【兼業・副業への労務対応の簡素化】(詳細は、社労士さんにご相談ください)

・労災給付について

労働者災害補償保険法の改正により、「複数事業労働者への労災保険給付は、全ての就業先の賃金額を合算した額を基礎として、保険給付額を決定する」となっています。

・勤怠管理について

兼業・副業者の勤務時間の管理、残業時間の把握にハードルがあり、管理は雇用主にありますが、9月に出されたる労働時間管理に係る通達によって、比較的簡易な管理ができるようになっています。

(抜粋)「副業・兼業の開始前に、A社(先契約)の法定外労働時間とB社(後契約)の労働時間について、上限規制(単月100時間未満、複数月平均80時間以内)の範囲内でそれぞれ上限を設定し、それぞれについて割増賃金を支払うこととする。これにより、副業・兼業の開始後は、他社の実労働時間を把握しなくても労働基準法を遵守することが可能となる」

(副業・兼業の促進に関するガイドライン)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html

 

【高年齢者活用への対応】

高年齢者雇用安定法が改正され、2021年4月以降65歳までの雇用確保が義務づけられていますが、従業員が望めば70歳まで働けるようにする努力義務を負います。また年金改革法の成立による制度変更ですが、国としては長く働き続けてほしいという意図ですよね。いづれは70歳までの雇用確保も義務化されることが予想できます。男性の健康寿命が70歳を超えているとはいえ、そのまま同じ企業内で同じような仕事をしてもらえるかというとそうではありませんし、年代を問わず、キャリア教育のようなことが必要になってきますし、企業としてはひとりひとりが主体性を持って人生について視野を広く考える機会、自律的に働いていただけることに目を向けてもらう必要もあるでしょう。

以上のような、3点から言えることは、個々の働き方の変化への理解はもちろん、企業側の人員計画に、様々な機会(リスクともなる)への個別対応が今まで以上に必要となってきます。個別対応を無理なくするためには、働くメンバー間の相互理解もより大切なこととなってくると思われます。次回以降、また引き続きこちらでも発信していきますね。

組織としてのチームワークの高め方、そのための自己理解他者理解の進め方等についてのご支援もできますので、お気軽にお問い合わせください。