こんにちは、認め合えるしなやかなチームづくりを実践している阪本です。
今回も、毎年お話をお聞きしている株式会社宮田運輸の宮田会長の講演をもとに、「働きがい」と「働きやすさ」について考えを深めました。今回で宮田社長のお話を聞くのは5回目、宮田会長のお話しから、今回もやはり「人」を起点とした事業の広がりが印象的でした。宮田運輸は、規模はそれほど大きくないものの、社内には3人の代表取締役と5人の執行役員がいるそうです。今年の4月に、今の社長に交代、宮田博文社長は会長となり、福島の物流センターの社長に就任しました。福島の事業は、福島の復興に携わりたいという思いと、福島で働く人がいたから実現、まだ工場などが何にもないところに物流センターをつくられましたがそこがあることで工場の誘致ができ復興していくことになりそうです。最近では、元競輪選手の社員が廃業寸前の自転車屋を承継したいという話があり、宮田会長は「それなら会社としてやろう」と決断されました。儲かるか儲からないかは分からない、ただ「この人が必要だからやる」というシンプルな理由でした。このような決断、なかなかできないですよね。
※阪本が事務局をしているイノベーション・キュレーター塾のプログラムの一環で、宮田会長には毎年ゲストスピーカーとして来ていただいています。
経営者の役割は場をつくること ~「美点凝視」
宮田会長が強調していたのは、経営者が「美点凝視」、つまり人の良い面に目を向けて育てることが重要だという点です。宮田運輸では、目標はトップが決めるのではなく、みんなから自然に上がってくるものです。また、数字も積み上げ方式で管理され、「みらい会議」では、固定費や変動費まで含めたすべての経費項目がオープンにされ、外部の人にも公開されています。この会議は、社員の主体性を尊重し、「感謝と承認の場」として、笑顔とやる気にあふれる場となっています。自由参加の日曜日開催にもかかわらず、多くの社員や家族、さらには外部の人までが参加し、外部参加枠は常にキャンセル待ちです。皆さんの職場でも、こうした「感謝」と「承認」が自然に生まれる場があるでしょうか?
管理職は支援職~開かれた心から
宮田運輸では、管理職ではなく「支援職」という言葉が使われています。まさに、理論でいうサーバントリーダーシップですね。トラック運転手(宮田運輸では運転士といいます)が働く運輸業界では、通常ドライブレコーダーなどで厳しい管理が行われがちです。不安を恐れて仕事をすると、主体性はなくなっていく、自律性は発揮できません。もともと人の持っている良心を引き出していくのが管理職の役割で、徹底的に人を大切にして信じていくこと、違う考え方であっても「そんな考え方もあるよね」という心を開いて受け入れていく支援職の方々が各支店におられます。困ったときには、上司や仲間が助けてくれるという安心感がある組織が育っています。オープンな会社にしていこうとすると社会からも受け入れられていく、社会で必要とされる存在の会社になっているんですね。目的意識(売り上げ目標や短期的な目的などは特に)が強すぎると閉じてしまう、分けて考えてしまう、何だか思い当たることありませんか?
選ぶのではなく選ばれる会社へ
宮田運輸の採用は「先着順」で、すでに31組(300人中62人というと約2割!!)の親子が一緒に働いています。昨年は28組でしたが増えています。これも、特別な制度ではなく、自然な流れとして生まれたものです。信頼関係が築かれているからこそ、3回も出戻っている社員やもともと引きこもりだった社員を受け入れ、3年後には経理職として活躍している社員も、おられるそうです。人を信じ、人の良心を引き出す、「愛でいけるやん」という温かい環境が、社員にとっての働きやすさ、働きがいを生み出しているのでしょう。
人の心が社会をつくる
宮田会長のお話を聞くたびに感じるのは、「人の心が社会をつくる」ということです。自分の仕事が社会とどうつながっているのか、それを実感できると、人は自然とイキイキと働けるようになるのではないでしょうか。それは強制できないので環境を整えていくこと、まずは「わたしから」。これこそ「内発的に」内から湧き上がってこないと持続しないなーと思います。私たちも、承認研修や持ち味研修を通じて、お互いを認め合い、支え合う組織を育てていきたいと思います。
いつも毎回感動する、そして毎年進化し続ける宮田運輸さん。優しさがつながる感動で心が洗われます。
つづく未来のために、まずは身近な働く場は、あたたかさのあふれる場にしたい、自分自身も社会とのつながりを感じて働いていきたいと決意を新たにしました。
管理だけでは人は成長しません。信頼し合い、助け合うことで、しなやかな組織が生まれます。あなたの職場でも、こんな場を一緒につくってみませんか?
永続的な社会をつくっていこうとすることで真の幸福感が生まれていく、社会をつくるために人づくりが必要 会社のためでなく社会のために人を育てる、まさにウェルビーイングでもありますね。
宮田運輸について書いている当社の過去のブログも合わせてお読みください。
【持ち味カードを使って】
お互いを深く理解し、認め合うための手段として数年前から活用していただいている企業様。
現在は社内で、各部門のリーダーがチーム内で実施できるようにもなりました。新入社員研修でも活用してもらっています。
組織内でお互いの価値観や表現方法の違いを知ることが、チームの一体感を生み出し、より良い成果につながります。
経営者だからこそできる場づくり
今いるメンバーを強制して直接的には変えれませんので、周りの環境、職場を整えていきましょう。その環境、職場づくりの手段として、当社の研修を使っていただければ思います。
①持ち味発見ワークショップ
社内でやっていただく「持ち味発見ワークショップ」を開催できます。持ち味カードをつかって、お互いの個性や強みを深く理解し、チームとしてどう活かせるかを探ります。画像をクリックして詳細をご覧ください。
②承認力向上研修
特に管理職層に特に必要な認める力。日常生活でも必要な承認力なので、職場だけでなく普段の生活も豊かになる、気持ちの持ちようが変わったということで受講してもらった経営者や社員からも好評です。
当社の研修は対面での研修が一番効果的ですがまずはオンランでお試し受講していただくこともできます。こちらもご覧ください。まずはオンラインでまずは話しませんか?
研修を通じてリーダーシップの新しい一面を発見し、組織をさらにしなやかに進化させることにつなげていきましょう。
中小企業診断士 阪本 純子