ビジネスモデル再構築の連載2回目です。
今回は、「コロナがもたらした変化を知る」というテーマで、事業者や地域経済に与える影響を見ていきたいと思います。
コロナによって事業環境は大きく変わりましたが、その影響は地域によって様々です。
また、飲食業・観光業ではGOTOトラベルキャンペーンのような経済対策による一時的な回復は見られましたが、その後の緊急事態宣言による時短営業や外出自粛の影響で、昨年春頃の状態に戻っています。
コロナによる影響は日々変化しており、その影響や変化を正しく掴み、企業経営に活かしていくことが求められます。
そこで今回ご紹介したいのが、V-RESASというツールです。
V-RESASは、新型コロナウイルス感染症が、地域経済に与える影響を把握すること等を目的に作られたサイトです。
まち・ひと・しごと創生本部と内閣府地方創生推進室によって2020年6月30日にサイトが開設されました。
V-RESASの特徴は、政府や自治体が公表している統計ではなく、民間企業の保有するデータが集計され公表されている点で、民間のビックデータを活用してタイムリーに状況を把握することができます。
新型コロナウイルス感染症の影響が大きい、人流、飲食、消費、宿泊、イベント、興味・関心の6分野が対象で、都道府県別や圏域別などでデータを見ることができます。
例えば京都府を見てみると、まず京都府の2020年1月以降のサマリーが表示されます。
20年4月5月では、「移動人口の動向」や「飲食店情報の閲覧数」、「宿泊者数」で大きな落ち込みがあるのがおわかりいただけると思います。
また宿泊者数は10月11月に前年同週比を大きく上回って伸びているのがわかります。
データを詳しく見ていくと、「予約代表者の居住地ごとの宿泊者数」では、「都道府県内」の数値が20年11月に257%に達しており、京都府民が京都府内の地域に宿泊する人数が大幅に伸びていることがわかります。
これは、GOTOトラベルキャンペーンを利用した、近場の宿泊を伴った旅行が多かったことが要因だと考えられます。
今後、感染が収束してGOTOトラベルキャンペーンが再開された場合、近隣のお客様を集客する販促施策が有効になるでしょう。
このように、コロナの影響を正しく掴み、自社の事業活動に活かしていくことが重要なのです。
ぜひ、V-RESASのようなツールを使って「変化を正しく知る」ことに取り組んでいただければと思います。