ブログ・コラム - パート 3

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よりよい職場を考える~自営型雇用システムって何?~

2023.11.7

阪本です。この秋開講の京都府主催の全6回の「職場づくり元気塾」に塾長として関わっています。そして、塾全体の監修・顧問として関わっていただいているのが同志社大学の太田肇先生。太田先生は、これまでも紹介している「承認力向上研修」で使っている「承認カード」や会社でも日々使っている「承認カレンダー」の監修もしていただいています。

この元気塾、より良い職場をつくっていくために、視野を広げ、視点を増やし、そして視座を上げていくようなプログラム。参加企業である20社の経営者や人事担当者とお話しして運営側も元気をいただいています。そんな中で、気づいたことも含めて何度かに分けてご紹介したいと思います。

阪本が、前職で採用や人事業務をしている時から著書を読ませてもらい、学ばせていただいた太田先生。人事部関連のイベントで、組織について、チームワークについての講演を聞いたり本を読んだりしていました。そんなことからも、誰もが活躍できる社会をつくりたいという私の思いの原点にもなっていて勝手にファンです。ご紹介したい内容を私なりにまとめて皆様にお伝えしますね。

 

二項対立を超えた組織理論としての自営型雇用システム

早速ですが、二項対立ってどういうイメージでしょうか?以下のような図、わかりやすいですよね。

教育の場でも親しんできた対比させる表の見せ方、組織課題におけるボトムアップ型対トップダウン型、ヒエラルキー型対ホラクラシー型とか、経営者対従業員などの対比させる見せ方がありますよね。本来は対立するものではないのに、対立させて考える方が分かりやすいからそうなってしまいがちです。「正しいこと」として明確にした方が楽だし、マネジメントしやすいかもしれません。でも、明確にせずに融合や統合で考えていくことができないと、今後の状況変化に適応できなくなってしまわないでしょうか。

そして、コロナ禍でリモートワークが浸透する中よく言われるようになったのが、上記の例であげた表。日本型雇用は「メンバーシップ型」、欧米型の雇用は「ジョブ型」と、聞くようになった言葉です。CMでも「リスキリング時代のジョブ型雇用」が連呼されていて、なんとなくそんな時代、ジョブ型雇用が増えていくようなイメージを刷り込まれていたりします。楽天やソフトバンクなどは既にジョブ型雇用を取り入れています。でも、小さな組織を構成するメンバー同士がそれぞれジョブ型だったらどうなんでしょう。エンゲージメントを高めることにつながるのでしょうか。本当に「ジョブ型」となっていくのか、それで人が成長できるのかは疑問です。

そんなことを思っていた時に太田先生のお話であった「ジョブ型」の起源から・・・ジョブ型自体は産業革命時から、メンバーシップ型より実は古い概念だそうです。歯車のようにピラミッド型で管理される組織で有効に機能する役割分担であり、今の時代には即さないものになってしまっているのではという指摘。特に解雇規制のある日本ではそもそも難しいやり方となっています。個人の職務が決められている故の「スキマ」が生まれ、人と人のつながりが弱くなったり分断されてしまうこと、それがメンバーシップ型との大きな違いです。 そこで、太田先生が提唱されているのが「自営型雇用」。言葉のイメージからは、表面的には業務委託やフリーランスの活用と見られてしまうかもしれませんが、「雇用」とついているのは会社組織として考えているからです。太田先生の研究からこう表現しているだけで、すでにその考え方で人を活かす組織になっているところもあるようです。例えば多能工化している、社員をコントロール下におかず、共同体型組織を脱して組織の一人一人が生き生きと働けるようになってきたという会社もあります。制度化されていなくても特に中小企業では当たり前に、個々が裁量権をもって自営型のように、あるいはプロジェクトとして、メンバーの個性を生かしている場合も自営型と言えそうです。自営型においては、社内教育の在り方も変わります。これまでの階層別研修として与えるのではなく、個人が希望するキャリアの能力を開発するためにサポートするという姿勢で教育していくことになります。

組織は、個人でやれないことを協働する場、働く場としてのコミュニティ

DX化、さらにAIの活用により今後は会社の規模は組織の人数規模では図れなくなってくるでしょう。効率性、生産性を追求するために組織をつくるのではなく、やりがいのある仕事を提供する場としての職場が当たり前になってきそうです。例えば、元気塾のゲストスピーカーである㈱アグティさんの経営理念は「会社は働く人のためにある」。そのために事業があり、社会にお役立ちできる働く場を提供しているだけということをシンプルに掲げられています。そんな組織を太田先生は「インフラ型組織」と表現されています。これまでのメンバーシップ型の組織では、組織の構成員は「組織人格」で行動しているけど、インフラ型組織では個人が主体的に自律して働く場で活躍して価値を出すということになります。

そうすると、チームワークは下がるのではないでしょうか?という疑問も出てきました。個人主義になるのでは?という質問もありました。実際は、よりチームワークが発揮できるのだそうです。「メンバーシップ型はブロック塀のような組織、自営型は石垣のような組織のイメージ」と例えられていて、イメージわきますよね。お互いに強みを補い合いながら、それぞれの器や力量で力を発揮し支え合うことができるということです。そのためにはお互いのことを知っている、目標やあるべき姿は共有できているという前提が必要となりますよね。

高度な評価制度よりも「透明性」「オープン」「相互承認」「フラット」

「人間関係」がほぼ離職の原因であることが多いです。表面的には、給与が低いとか評価されていないという離職理由もありますが、その根本は「関係性」です。職場の人間関係や悪くなるのは、漫然と働き続けるとエンゲージメントが下がっているからだそう。「人知れず苦労させられているとエンゲージメントは低下する」「細かく評価制度をつくるより、成果を社内外に見える仕組みが大切」なるほどです。認められていないと思うと不満が出て不安にもなります。ただただ、働かされていると思ってしまう仕事、仕事の意義を感じない、生活のために働いているという意識だとエンゲージメントなんて遠い話ですよね。

まずは認め合えることから、私たちはそれぞれの持ち味を知りながら、更に承認し合える関係性をつくる組織の土壌づくりの面でもご支援したいと思っています。

中小企業診断士 阪本 純子

ChatGPT、さらなる高みへ ~ChatGPTが持つ新たな4つの機能~

2023.10.20

ChatGPTは日々進化しています。特に、2023年10月はChatGPTの大型アップデートがあり、全国ニュースでも取り上げられるほど大きな話題となっています。今回は2023年10月の大型アップデートの内容について紹介いたします。

※今回の大型アップデートの内容は有料版のChatGPTに関する内容です。本ブログの内容を確認されたい方は有料版ChatGPTにご登録ください。また、無料版のChatGPT-3.5をご利用の方は、以前に当サイトで紹介したブログ記事をご覧ください。

ChatGPTを使いこなせ! ~業務効率化を実現する方法とポイント~

生成AIの波に乗れ!中小企業経営者が生成AIを活用すべき3つの理由

ChatGPTの新機能3選!知って得するChatGPTの最新機能を徹底紹介

今回の大型アップデートで大きく更新されたことは、様々な形態の情報をChatGPTが認識できるようになったことです。右の図は、ChatGPTの情報のインプットとアウトプットを表した図です。ChatGPTなど多くのAIはテキストや画像など様々な形態の情報をインプットし、自身のAI機能で処理してから様々な形態の情報としてアウトプットします。ChatGPT-3.5や4の場合は、紫の囲みのようにテキストをインプットし、LLM(大規模言語モデル:滑らかな言語を生成するための機能)で処理してからテキストでアウトプットしています。

①ChatGPT-4V(赤枠)

ChatGPTはテキストだけでなく、画像も認識できるようになり、それを組み合わせて処理して回答できるようになりました。この機能は、今回のアップデートで「ChatGPTに目がついた」と大きな話題になっています。ChatGPT-4Vを使えば、テキストの条件に合わせて画像を分析してもらうことができ、新たな気付きを与えてくれます。また、職場の写真をアップロードすると作業の効率性を高める改善を提案してもらうことができます。画像認識ができるようになったことでさらに高度な分析やアイデア出しが可能となりました。

②DALL-E3(青枠)

ChatGPTに画像を作成するようにテキスト情報を与えると画像を作成します。パソコン上で画像を作成する場合、特別なスキルが必要になるため、ある程度の時間の余裕をもって外注する必要がありました。つまり、一般の人がデジタル上の画像を作成する場合、時間とコストをかけていました。しかし、DALL-E3を使うと、10秒足らずで画像を作成してくれます。また、外注の必要はなく、慣れれば自社で作成することができます。つまり、時間やコストを大幅に削減することができます。

Voice conversations(緑枠)

音声をChatGPTにインプットすると音声でアウトプットされます。つまり、ChatGPTと会話することができます。将来的に音楽や会話の抑揚を認識できるようになるとアウトプットの条件をさらに絞ることができ、回答の精度が向上します。

④Web Browsing(黄枠)

ChatGPTがインターネットの情報を参照して回答してくれる機能です。本機能はテキストでインプットし、テキストでしかアウトプットできません。しかし、将来的には画像や音声もインプットできることで検索しやすくなり、画像や音声のアウトプットを得られることで分かりやすくまとめて回答を得ることができます。つまり、検索時間を大幅に短縮できると期待されています。

 

以上の4つが大型アップデートの内容になります。それぞれの業種で見ると大幅な生産性向上に役立つものもあると思いますが、現状はこれらの機能をビジネスでどのように生かせるのかを全世界の人が考案している状態です。弊社でも新たな生成AI情報が出るたびに情報提供しますが、その情報にすぐに対応できるように日々勉強し、生成AIに慣れておくことが重要になります。

経営コンサルタント

平田 紘基

成長のための筋肉痛 ~居心地の良い場所から一歩を踏み出そう!~

2023.10.11

10月に入って、ようやく朝晩が涼しくなり、秋が感じられるようになりました。今年の夏は本当に暑かったので、秋の気配が待ち遠しかったですね。

さて、この秋、何かを始める方も多いかもしれません。私の周りでは、最近運動を始めたという声をよく聞きます。ちょうど健康を本気で気にする年代だからかもしれません。コロナ禍で中断していたジムやプール通いを再開したという友人も何人かいます。低価格でいつでも気軽にちょいトレができるコンビニジムも話題ですね。私の家の近所にもオープンしたので、最寄り駅では連日チラシが配られています。

私はというと、逆にコロナ禍中に始めた筋トレが丸3年続いていて、つい先日は通算250回目のトレーニングでした。週に1.6回のペースで通ったことになります。3年前とは比較にならないほど体力がつき、我ながらよく頑張っていると思います。しかし、これはトレーナーさんのサポートのおかげであるところが大きく、一人では続けてこられたかどうかわかりません。
ボディビル経験のある私のトレーナーさんは、決して甘やかさず、でも無茶はさせず、とてもいい感じに追い込んでくれます。もし自分一人でスクワットや腹筋をしていたら、これ以上もう無理~と思った瞬間にやめてしまうところ、絶妙なタイミングで「はい、あと3回!」の声がかかり、最後の力を振り絞らされる。そのラスト3回が本当のトレーニングで、成長の鍵になるのだそうです。
もう無理~と思った瞬間にやめてしまえば、いつまでたってもそれ以上のところには行けず、力はつかないのですね。自分ができる範囲から、少し無理をして、しんどい思いをして臨むと成長できる!

人や組織が成長するためのキーワード
■コンフォートゾーン:居心地の良い場所、快適な場所
慣れた環境で特別な苦労なく、自分が持っているスキルで安心感を持って仕事ができるストレスの少ない状態
■ラーニング(ストレッチ)ゾーン:未知の領域
今までのスキルだけでは対処できない領域なので、少し努力して新しいスキルを習得していかなければならない状態
■パニックゾーン:今の実力では、頑張っても手も足も出ない領域
心身ともにストレスが大きすぎて落ち着いて学習が不可能な状態

人や組織が成長するには、居心地の良い場所からラーニングゾーンに飛び出す必要があります。しかし、パニックゾーンまで飛び出してしまうと、必要以上の負荷がかかってとても危険な状態に陥ります。
私の筋トレでは、ベテラントレーナーさんが適度な追い込みで私を体力増強ゾーン(ラーニングゾーン)へ連れて行ってくれているわけです。決して、過度なやり方でケガをさせるようなパニックゾーンに踏み込むことはありません。

コンフォートゾーンからラーニングゾーンに一歩踏み出すためには
・スモールステップで小さな目標を達成し、成功体験を重ねていくこと
・学びや成長意欲の高い人の近くで刺激を受けること
・新しい業務や役割を引き受けること
・自分が今どのような環境に身を置いているかを意識すること
・第三者のサポートやアドバイスを受けること
などが役に立つでしょう。

何を始めるにもいい季節になりました。
「ずっとコンフォートゾーンにとどまっていませんか?」
「ラーニングゾーンへの適度な挑戦ができていますか?」
「パニックゾーンを避けられていますか?」

程よい筋肉痛は、成長ホルモンが筋繊維の小さな損傷を修復させている証拠。そして、無事に成長ホルモンによって筋肉が修復されると、これまでより少しだけ強く(太く)なるのだそうです。
この3年でたしかに強くなりました。
ラーニング(ストレッチ)ゾーンでの成長体験、筋肉以外でも頑張っていきたいです。

中小企業診断士 大山 マリ子

東京都デジタルサービス局の「文章生成AI利活用ガイドラインVersion 1.2」からChatGPTを学ぶ

2023.9.26

今回のブログでは、東京都デジタルサービス局が2023年8月に公開している「文章生成AI利活用ガイドラインVersion 1.2」というものがあります。

このガイドラインは、東京都で初めてとなる文章生成AI(ChatGPT)の利活用ガイドラインということで、ChatGPTなどの文章生成AIは、業務大きく変革する可能性があるが、リスクも指摘されています。東京都では、23年4月にプロジェクトチームを設置し、文章生成AIの利活用について議論を重ね、ガイドラインとしてとりまとめましたということです。

民間企業と比較して保守的である行政機関がChatGPTについてのガイドラインを策定したことは、文章生成AIをはじめとする
AIが今後、業務に欠かせないものになるという東京都の未来への危機感を表しているようにも思えますし、8月からは文章生成AIを共通デジタルツールとして全局に導入することも決定しているようです。

このガイドラインが、基本的なことからわかりやすく書かれているので、都の職員さん以外にも活用できるものです。

これからChatGPTを活用していきたい、生成AIのことを知りたい、効果的な活用方法、社内ルールを制定したいなど、考えている中小企業の方にも是非参考にしていただきたいと思います。

以下、ガイドラインの目次の抜粋ですが、この部分をさっと読むだけでも、ChatGPTなどの文章生成AIについて理解が進むのではないかと思います。

1章文章生成AIについて
文章生成AIの特徴
文章生成AIの活用可能性とリスク

3章利用上のルール
利用にあたっての約束事
職員が守るべきルール

4章効果的な活用方法
文章生成AIの効果的な活用に向けて
有効な活用分野
有効なプロンプトの方法

5章今後の展望
発展を続ける生成AI
生成AIをめぐる動向

 

次に、ChatGPTなどの文章生成AIについてのアンケートが掲載されています。

やはり、「アイデア出し」や「文章作成」の用途で使ってよかったという回答が多くなっています。また、文章生成AIの利用により、平均で1日当たりどれぐらい業務時間が短縮されましたか、という質問に対しては、現段階ではそれほど多くの時間が短縮されたというわけではありませんが、今後も利用したいが80%を占めているということで、今後の業務への活用に期待感が高いのではないかと考えます。

 

文章生成AI利活用ガイドラインVersion 1.2発行:東京都デジタルサービス局より転載

 

当社ブログの以下の記事でChatGPTについて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

ChatGPTの新機能3選!知って得するChatGPTの最新機能を徹底紹介

ChatGPTを使いこなせ! ~業務効率化を実現する方法とポイント~

生成AIの波に乗れ!中小企業経営者が生成AIを活用すべき3つの理由

中小企業診断士 岡原 慶高

続く社会をつくる組織の意義ってなんだろう〜幸福を考える〜

2023.9.12

阪本です。先日の日曜日、株式会社宮田運輸さんがたくさんの協賛企業とともにに実施された「こどもミュージアムフェスタ」に行ってきました。ラッピングされたトラックの展示のほか、たくさんのスポンサー企業のブースがあり、子どもたちを楽しませる企画が盛りだくさん。うちの息子たちは、左官体験とパッカー車のかぶりものの色塗りに精を出していました。協賛企業とたくさんのボランティアの皆さんで運営されているあたたかな優しさあふれる空間で楽しませてもらいました。

主催する「こどもミュージアムプロジェクト」は、10年前の2013年8月に宮田運輸が起こした交通死亡事故をきっかけに生まれた取り組みです。こどもたちが描いた絵をトラックにラッピングすることで、トラックをより心温まるものに、やさしい気持ちにすることにつなげて交通事故もつなげていく取り組みをされています。その取り組みで事故が4割減少したそうです。そして1年に1回、今回のようなイベントを開催されています。

当社のブログでも今年の2月に大山が詳しくは書いていますので、ブログも合わせてごらんください。

https://accelc.co.jp/blog/aikotoba/

宮田社長のお話は先々週にお聞きする機会があり、2020年に初めてお聞きしてから4回目でしたが、毎年どんどん進化されていて学びがありましたのでここでもご参考になればと思い紹介します。毎年進化し続けられていること、日々の活動から続く社会をつくっていく思いが反映されている意義ある事業としていることに都度感銘を受けています。

社会の利益になっている実感から幸福感が生まれる

SDGsに貢献できること、社会課題解決のためのビジネス、IT系のスタートアップなどが注目されがちですが、運送業は世の中で必須であって当たり前の仕事、だからこそ社会の中の立ち位置を見据えないと、そこに従事する意義を見出せなくなってしまいます。組織の土壌を常に意識して整えていく必要性ますます感じます。きちんと届いて当たり前、あらためて感謝されることもない仕事って私たちが生活する中で常に支えてもらっているのに、気にしないことが多いのではないでしょうか。そこで働く人に感謝するってわざわざ口に出さないし、当たり前になっている。未来につながっている実感が持ちにくい仕事だからこそ、組織で働く意義を感じられないとモチベーションは高まりません。

 

㈱寝屋川興業さんのブースで被り物パッカー車の色塗り

一丸となる必要も、ベクトルを合わせる必要もない

過去には会社のために売上利益を達成しよう!というようなスローガン、ベクトルを合わせてとか、一丸となって達成しよう!というような会社組織が当たり前だったかもしれません。私が以前働いていた会社も「ベクトルを合わせる」という事業部長からの話が毎月の会議であったことを思い出します。宮田社長は一丸となる必要はない、一人一人は違うもの、会社のために、誰が頑張りますか?それぞれ違う個性を持っているしそれを合わせようとするのは会社の都合ですよと。会社は続く社会をつくるための手段なんです。人が誰でも持っているやさしい気持ち、助けようという良心を発揮しやすい場を作ればチームワークは自然と生まれるものになっていく、助け合える関係性がつくられていくんですね。社会課題を生まない心をつくることが必要じゃないですかと。

社外に開かれた認め合える場

毎月、会社の中だけではなく社外にも開かれた「みらい会議」をやられています。勤務時間ではなく日曜日に開催され、社員の家族も参加されています。会社を開いていく活動の一つです。会社の中だけで考えるのではなく、社会の中でつながっている実感を持つこと、そのために自社の社員が社外の目に触れられる場となっていることに意味があります。各事業部の月次損益が社内外の参加者に配布され、社外の方も持って帰ります。数字について会議の場でつめるわけでなく、それを事業所ごとにつくる過程を大切にしています。それを役職者じゃない社員が発表することをやられています。そこが認め合える場になっているそうです。社長は事前に目を通しておき、発表ごとに「美点凝視」でコメントしているそうです。貴重な認め合える場として組織が大きくなっても機能しているなと思います。そんな開かれた会社だからこそだからか、親子で働かれている社員が28組もおられるそうです。

やさしい気持ちが未来をつくる

監視されるのではなく、良心に従うことを信じる、そのために教育も行われています。なぜこどもの絵なのか?ということについては、誰でも昔はこどもだった、経験のあることだから、本来の自分に帰る、生まれながらに持っている良心を取り戻す、こどもたちを感じることで未来を感じることができるということです。

普通、出庫のトラックの出入り口には「止まれ」っていう文字が書いてあるはずなのですが、宮田運輸の今回富岡町につくった物流センターでは「止まる」なんだそうです。ここも良心に従うということを信じていることの現れですね。

当社は「幸せ創造企業の創造」を掲げています。幸福を感じる会社をつくる意義、続く会社のためには続く社会のことを考えること、幸福を感じることは社会の利益になっている実感から生まれていること、管理を強化していくことでは幸せになれない、会社の発展のために人を雇うのではなく、人を活かすため経営していく、社員のためにではなく社員とともに事業を作っていくこと、社会のため未来のために仕事をしていくこと・・・たくさんの大切なことを宮田社長のお話から学びました。

社会で役に立つ実感を得れる、その土壌としての組織づくりを進めていくことが大切です。それを社外からお手伝いするために承認しあえる組織づくり、関係性構築を進めていきたいと思います。

中小企業診断士 阪本 純子