ブログ・コラム - パート 2

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組織の土壌づくりが紡ぐしなやかな経営

2025.8.11

阪本です。

近所で通っているシェア畑も4年目に入りました。農業委員も2期目に今年度から入り4年目、食育活動に加えて農業についても少しずつ学んでいます。組織の土壌づくりということを以前からお伝えはしていましたが、本物の土壌づくりをしていく中で、やはり畑も組織も土壌が大切ということを身をもって体感しています。8月からは、秋冬の作付けに入る前の土壌づくりが始まる時期です。

そして今、その土壌づくりを後押しする心強い道具がAIです。ChatGPT5もリリースされましたね。生成AIを使って、農業でいう土壌診断や生育予測のように、見えにくい状態を可視化し、改善の方向を示してくれます。

今年はトマトはだめできゅうりの方が育ちが良く。 追肥のタイミングと水やりが要因のようです

有機肥料のような遅効性の取り組み

畑では堆肥やぼかしといわれる有機物から作った有機肥料を使っています。化学肥料のような即効性はありませんが、遅効性でより改善効果があるようです。土の中でじっくりと分解され、微生物を育て、時間をかけて土を肥やします。組織でも同じように、目先の数字を動かす即効策だけでなく、理念の共有や日々の小さな承認、感謝の習慣といった遅効性の取り組みが、長期的に組織を強くします。

習慣というのは強い意志がないと続きません。形骸化しているように見えても実は組織を強くしていることがあると思います。朝礼を半年続けてみる、毎年の経営方針発表を従業員参加型で毎年継続する、早寝早起きのような習慣づけで土壌を改善し、いつの間にか離職率が下がり、豊かな関係性が育まれていくはずです。

 

AI活用ヒント

社員アンケートや面談記録をGeminiやChatGPTに入力し、『この組織の強みは?』『摩擦が生まれやすいポイントは?』と尋ねてみましょう。

※必ず個人情報や機密部分は削除・匿名化してください。法人向けの有料契約(ChatGPT Enterprise や Google Workspace Geminiなど)を利用するか、公開しても差し支えない情報だけを入力すること

が安全です。

 

水やりと間引きのバランス

最近の高温や水不足で、調整が難しかったです。畑では、水の与えすぎも不足も害になります。芽が混み合えば、間引きも必要ですがついつい躊躇してしまいます。組織でも、過干渉も放置も人の成長を妨げます。適度な関わりと役割の見直しが、健全な成長につながります。手をかけてあげるのと同時に。観察することと原因を探ることが大切です。

 

AI活用ヒント

日報や業務記録をAIに読み込ませ、『負荷が偏っている部署や人は誰か?』『この人の得意分野は?』と聞くと、役割調整のヒントが得られます。

※この際も個人が特定できる氏名や顧客情報は必ず削除してから入力してください。

 

理念があっても成果が出ない理由

理念は掲げただけでは機能しません。ホームページに載せ、朝礼で唱和しても、日々の意思決定や評価の基準に反映されなければ、現場では「理念は理念、現場は現場」と受け取られます。

以前から、経営者と従業員、そして関係する社内外の仲間と共につくるということが大切だということをお伝えはしています。ただ、経営者は「責任をとる」という役割があります。従業員の要望を聞くこと、現場の困りごとをきちんと聴くことは大切ですが、社員側には理念に沿って「責任を果たす」という役割があります。理念でフィルタリングせずに全てを受け入れると、方向性が散漫になり、資源が分散し、成果は上がりません。

理念を基準に意識決定をすること、理念をもとに優先順位をつけること、理念を行動や評価の基準に落とし込むこと、この3つがなければせっかくの土壌も収穫まで到達できませんよね。

収穫と次の種まき

肥料切れの合図は観察から 土壌改善が必要なので有機肥料を施肥します

畑では、収穫はゴールではなく次の準備の始まり。振り返りながら片づけつつ、次の土壌づくりに入らないといけません。意外に休憩の期間がないものです。経営も同じで、成果を振り返り、学びを次に活かすことが重要です。まさにPDCAサイクルを回すことでより良い成果を目指すイメージです。

AI活用ヒント

売上や顧客データをAIに渡し、『過去3年間の成長要因と、来期に伸ばすべき領域は?』と聞くと、季節や市場サイクルも踏まえた提案が得られます。

※顧客名や取引先名などの固有情報は削除してから入力してください。

 

畑も組織も、成果を生むには見えない“土壌”が命です。有機肥料のように時間をかけた取り組みと、AIによる可視化を組み合わせ、理念を軸に意思決定を重ねること。これは、経営者にしかできない仕事です。

経営者一人では気づけない景色も、経営層としてリーダーを育てることと合わせて、生成AIも日々の壁打ち相手として加えてみれば、より広く、深く見渡すことができます。小さな企業でも、「耕し、対話し、可視化する」ことで、しなやかで持続可能な組織を育てていきましょう。

※ただし、GPT5になってから人間味が減ったという投稿もあるように、ほかのAIも併用していくと良いかと思います。そのうち、hpやこういったブログも参照されなくなり、すべてAIアプリで解決してしまうと・・と私たちの仕事ももっと変化させなきゃいけないし、広告もHPの役割もまた変わってきそうなのですがね。そのあたりのAIとの共存についてもキャッチアップしていきましょう。

中小企業診断士 阪本純子

ChatGPTとGemini、結局どっちを使えばいい?AI初心者のための超わかりやすい選び方ガイド

2025.7.22

費用の3/4は助成金を活用し、これからの時代に必須の生成AI・RPAの知識をお得に学べる研修はこちら↓

ChatGPTとGemini、結局どっちを使えばいい?
AI初心者のための超わかりやすい選び方ガイド

 

「AIを使って仕事を効率化したい」と思ったとき、いくつか選択肢はありますが、まず目に入るのがChatGPTとGemini(ジェミニ)の2つがあります。

でも、いざ使おうと思うと「どっちがいいの?」「何が違うの?」「両方使う必要ある?」と迷ってしまいますよね。

実は、この2つは全く違うタイプのAIなんです。

今回は、AI初心者の方でも迷わずに選べるよう、それぞれの特徴と使い分け方を、専門用語なしで分かりやすく解説します。

そもそもChatGPTとGeminiって何?

まずは基本から。この2つのAIを「人」に例えて説明してみましょう。

ChatGPT = 優秀な相談相手

  • 作ったのは:OpenAI(アメリカの会社)
  • 得意なこと:文章作成、アイデア出し、相談に乗ること
  • 性格:親しみやすく、何でも相談に乗ってくれる

Gemini = 情報収集の達人

  • 作ったのは:Google
  • 得意なこと:最新情報の検索、データ収集
  • 性格:効率的で、とにかく新しい情報を見つけてくる
  • 実際に両方使ってみると分かりますが、それぞれに明確な「特徴」があります。

具体例で見る:同じ質問、ちょっと違う答え

「新商品のアイデアを考えたい」という相談をしてみましょう。

ChatGPT → カテゴリーに分けて、分かりやすく複数のアイデアを提案してくれる
Gemini → 市場分析から始まって、詳しい商品設計まで提案してくれる

Gemini2.5proの回答抜粋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ChatGPT4.0の回答抜粋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どっちが優秀?」は間違った質問

だから結局、Gemini2.5pro、ChatGPT4.0、「どちらがすごいAI?」なのと思ってしまいがちですが、これは「ハサミと包丁、どっちが優秀?」と聞くのと同じです。

それぞれ回答の特徴があるので、自分のしっくりくる方を選択するのがいいのでと思います。

 

「両方使い」の超簡単な始め方

「両方興味あるけど、使い分けが面倒そう…」と思っていませんか?

実は、簡単なルールを決めるだけでOKです。

シンプル使い分けルール

📝 文章を作るとき → ChatGPT

  • メール作成
  • 企画書の下書き
  • ブログ記事の執筆
  • アイデア出し

🔍 情報を調べるとき → Gemini

  • 市場調査
  • 競合リサーチ
  • 最新ニュースのチェック
  • データ収集

超簡単!連携パターンの例

例:新しいサービスを企画したい場合

  1. Geminiで市場調査 「○○業界の最新トレンドを教えて」
  2. ChatGPTで企画書作成 「以下の市場データを基に、新サービスの企画書を作って」 ※Geminiの回答をコピペ

たったこれだけで、市場調査から企画書まで一気通貫で作れます!

私はよくこの「両方使い」というか「AI同士のキャッチボール」をします。

・claudeに大量のテキストを読み込ませて、ポイントを抜き出し、ChatGPTで分かりやすく整理するとか・・・

・ChatGPTでアイデア出しをして、Gemini2.5proで競合調査したり、ニーズに合った形にまとめてもらったり・・・

結構、オススメの使い方です。

 

画像認識は・・・
個人的な感想ですが・・・現段階ではGemini2.5proが勝っているように思います。

結構精度高く、PDFの表を画像化して、読み込ませたりしても、特に数字はしっかりOCRしてくれるので、助かっています。

みなさんも自分なりの複数のLLMをはじめとした生成AIを活用して、仕事の効率と品質を高めていきましょう!

 

少し前にこんなAIの比較もしていますので、参考に。

ChatGPT vs NotebookLM 便利なのはどっち??

こんな講座もやっていますので、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

経済産業大臣登録 中小企業診断士
岡原慶高

ついにGPT-5が7月登場!ビジネスに効く5つの進化ポイントを解説

2025.7.7

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日々、生成AIは進歩していますが、OpenAIから最近注目の情報が発表されました。それは最新モデルGPT-5が今年の7月にリリースされるという情報です。今回のブログでは、ChatPGT-5について、正式に公表されている情報をもとに紹介します。ChatGPTだけでなく、生成AIの全体像を知りたい方は以下をクリックしてご覧ください。

今どきの生成AIは何ができる?生成AIアプリの全体像と代表サービスまとめ【2025年版】

 

◎GPT-5の主な変更点

  1. より強力な推論と計画能力

GPT-4で課題とされてきた「長期的な文脈把握」や「論理的推論」「マルチステップの思考」について、GPT-5では大幅な強化が予想されています。

  1. 超長文を理解できるようになる

GPT-4は12.8万トークンが限界でしたが、GPT-5は推定100万トークンと現在の10倍程度に処理能力が強化されるとの報道があります。これにより、書籍1冊レベルのドキュメント処理や複雑な業務フローの処理が可能になると見られています。

  1. マルチモーダルの進化版

GPT-5ではさらに「動画理解」や「3D情報」への対応が進む可能性があり、Soraなど動画生成技術との連携も注目されている。

  1. 機能の統合

従来は、LLMのモデルの選択やDeep Researchの選択、Canvas機能などを選択しないと使えませんでした。しかし、GPT-5ではプロンプトの内容から推論して回答に必要な機能を自動で選択できるようになります。

  1. 無料で使える

現在出ている情報として、制限はかかる状態となるがGPT-5は無料で使えると言われています。有料版になると制限がなくなったり、更に優秀なLLMモデルを使えるというオプションがつくのではないかと報道されています。

 

◎メリット

  1. 誰でも使いやすくなる

LLMモデルの選択など不要となり、ChatGPTの知識やノウハウがない人でも生成AIが自動で最適な回答をするために様々な機能を自動で使うようになります。

  1. 無料でもお試し可能

どのような制限がかかるか公開はされていませんが、GPT-5という最新モデルを無料で使うことができます。

 

◎デメリット

  1. 専門性の高い回答を得る場合は、利用者はある程度の学習が必要

生成AIはその人のレベルに合わせて回答するため、プロンプトに専門的な言葉を入れる必要があります。GPT-5の回答を仕事で使う場合は、生成AIのリサーチ機能等を使って生成AIから学んだり、LLMの使い分けなどが必須になります。

  1. 自分が欲しい回答を得るまでに時間がかかる可能性がある

GPT-5は答えを得るまで、複数のステップを自動的に踏んで回答します。この思考回路は、現在は非公開であり、公開の予定はありません。そのため、その思考と利用者の思考が大きく乖離していると欲しい回答を得るまでに時間がかかることになります。

このようにGPT-5を仕事で使う場合は、ChatGPTの機能を十分に理解した上で使わないと生産性が低下することになります。

 

GPT-5はマルチモーダル、長文文脈、推論力、エージェント機能がすべて使えるようになり、より「人間らしさ」がさらに高まると予想されています。本ブログでもGPT-5について新たな情報が入り次第、紹介していきますのでGPT-5がリリースされるまで待ちましょう。

 

経営コンサルタント

平田 紘基

AIに頼りつつも5Sを見直してみよう

2025.6.25

費用の3/4は助成金を活用し、これからの時代に必須の生成AI・RPAの知識をお得に学べる研修はこちら↓

阪本です。

今回は古典的なテーマを取り上げてみます。

なぜ今、5Sを見直す必要があるのか?

先日、中小企業の経営者層向けに京都府の補助金に関わる生産性向上セミナーを数回開催しました。5s・3S・カイゼンの視点から生産性向上を図る取り組みをしていこうという補助金です。5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は多くの企業で導入済みのはずですが、形だけになって効果を生んでいないケースも少なくありません。実際、「うちでは5Sはやっているつもりだけど……」という声も多く聞かれました。では “基本” と言われる5Sが、なぜ今、京都府の補助金のテーマにもなっているのか、やはり労働力不足の中、より生産性を上げようと思った時の基本となることを見直すことが意図されています。補助金は事業者に気づいてほしい行政からの意図があってのものです。

最近の補助金では、より効率化できる働き方のための環境整備に、それによる生産性向上と給料の上昇が目指されています。

セミナーでの気づき~5Sはやっている“つもり”?~

 

5Sの基本と誤解~それは単なる清掃活動ではない~

こうした気づきを受けて、セミナーでは改めて5Sの基本に立ち返りました。5Sとは整理(必要なものと不要なものを分け、不要物を捨てる)、整頓(使うものを誰もがすぐ取れる所に置く)、清掃(職場や設備を常に清潔に保ち異常を見つける)、清潔(3Sを維持して標準化する)、(決めたルールを守る習慣付け)という5つの柱からなる活動です。よく「5S=掃除」と思われがちですが、それは大きな誤解であり、5Sは単なる美化活動ではなく、職場全体の効率と安全性を高めるために不要なものを取り除き、必要なものを誰もが使いやすいよう整えるための仕組みとして取り組むものです。現場が忙しいとつい後回しにされがちな清掃も、「単に掃除すればOK」ではなく、清掃しながら機械の不具合に気づく、ホコリの蓄積を防いで故障を未然に防ぐ、といった 職場の改善活動 として捉えることが重要です。さらに「躾(しつけ)」まで含めて推進することで、決められたことを守る企業文化の醸成や人材育成にもつながっていきます。そこにチーム制を取り入れることでみんなで取り組むという意識がチームワークの醸成になります。

 

何より、5Sを正しく実践すれば作業時間の短縮やヒューマンエラー削減、転倒事故の防止、コスト削減といった多くのメリットが得られて職場の安全衛生意識も高まるんです。つまり5Sは現場をキレイにすること自体が目的ではなく、働きやすい環境づくりを通じて業務改善や安全管理に直結する基盤づくりなのだと再認識する時間となりました。

セミナーでは参加者同士でチェックリストを使って現場の状況を振り返りました。「5Sはやっているつもりだったが、見直すと抜けが多い」――例えば、倉庫の奥にはいつの間にか不要な在庫品が残ったままになっていたり、作業場の通路に一時的に置いた荷物が常態化して動線を邪魔していたりと、5Sが徹底できていない実例が次々とあります。「普段から整理整頓しているつもりでも、動線や物の配置についても、「よく考えたら無駄な動きが多い配置になっていた」など多くの現場で「5Sの基本」が意外と徹底できていない現状を見直す時間となりました。

【事例】

工具や備品の定位置管理 – 工具や治具、一つひとつに「ここに戻す」という指定位置を決め、ラベルやマークで表示します。ある製造業では、この定置管理によって「無い物が一目でわかる」状態を作り、工具探しの時間を大幅に削減することに成功しました。使ったものを所定の場所に戻すルールを徹底することで、探し物に費やすムダな時間が消え、生産性向上に直結します。

 

作業動線の見直し – 現場のレイアウトや人の動きをマップに書き出し、ムダな移動がないか検証します。先ほどの企業では、作業位置(レイアウト)を見直すことで 移動時間のムダを削減できた部署もあったそうです。頻繁に使う道具や部品は作業者の近くに置く、重い材料はなるべく移動距離を短くする位置に配置するなど、「最短・最速で仕事ができる動線」を意識したレイアウト変更がポイントです。

 

見える化の工夫 – 5Sの現場では「誰が見ても分かる」状態づくりが大切です。例えば床にテープで境界線を引いて材料置き場や通路を明示し、決められた場所以外に物が置かれていれば一目で気づけるようにします。工具棚にシルエット(型紙)を貼り、工具が欠けていればすぐ判別できるようにする会社もあります。こうした 目で見て分かる仕掛け によって、現場全員が整理整頓を維持しやすくなり、「あれがない」「どこに片付けた?」という無駄を防止できます。小さな工夫ですが、積み重ねることで大きな効率化につながります。

 

これらの他にも「5S掲示板」でビフォーアフターの写真を共有して改善意識を高める、5Sチェックリストをデジタル化して改善点を記録・分析する等、各社が創意工夫を凝らしています。大切なのは、自社の現場に合った工夫を見つけ、継続することです。

協力隊時代に事務所掲示用に作った英語バージョン

協力隊時代に事務所掲示用に作った英語バージョン

まとめ~現場改善の出発点を経営者が率先垂範する~

セミナーを通じて改めて感じたのは、5Sこそ現場改善の出発点だという原点的な事実です。どんな最新技術を導入しようとも、職場が整理整頓されていなければ本当の生産性向上は望めません。言い換えれば、5Sが徹底されて初めて問題点やムダが可視化され、さらなる改善活動(カイゼン)につながります。だからこそ、今こそ経営者自らが5Sに率先して取り組み、その 「本質的な価値」を現場に伝えること が求められます。5Sは古くて地味な取り組みに思えるかもしれませんが、必ず現場力の向上と会社全体の生産性アップにつながることを気づいていただけました。「整理・整頓・清掃・清潔・躾」――今一度この原点に立ち返る、私自身も仕事だけでなく、身の回りも気にしてみようと思います。


 

中小企業診断士 阪本純子

中小企業の業務効率化を実現する「NotebookLM」活用ガイド

2025.6.13

費用の3/4は助成金を活用し、これからの時代に必須の生成AI・RPAの知識をお得に学べる研修はこちら↓

過去のブログはこちらから!

AIはChatGPTだけじゃない!NotebookLMって知ってますか?

ChatGPT vs NotebookLM 便利なのはどっち??

経営者の皆様、こんなお悩みはありませんか?

  • 「膨大な社内資料があるのに、必要な情報をすぐに見つけられない」
  • 「ベテランのノウハウが属人化し、新人指導に時間がかかる」
  • 「同じ作業を何度も繰り返し、時間を浪費している」

限られたリソースで成果を上げるためには、眠っている資料を”使える資産”に変える必要があります。本記事では、GoogleのAIノートツールNotebookLMを活用し、日々の情報整理や業務効率化を実現する方法をご紹介します。

1. NotebookLMとは?

NotebookLMは、GoogleのAI「Gemini」を搭載したリサーチアシスタントツールです。PDFやWord、PowerPoint、Googleドキュメント、YouTube動画、音声ファイルなど、手元の資料をアップロードするだけで、AIが内容を理解・要約・検索してくれる”AI付きノート”です。

特徴

  • クローズド型AI:インターネット全体ではなく、アップロードした自社資料のみをソースに回答
  • 正確性の担保:回答には必ず引用元を明示し、事実確認をサポート
  • すぐに使える:Googleアカウントがあれば無料でスタート可能

※最大の特徴は、ハルシネーション(AIの幻想)がほぼないということです。また、ウェブ検索したりしてチャットをアウトプットするのではなく、特定資料(ソース)に基づいて回答してくれ、なおかつ引用元を示してくれるので、ファクトチェックがやり易くなっています。

ココで言う「ソース」というのは、NotebookLMが検索に使うデータのことで、自分が持っているファイルや行政公表資料(法律、規約、補助金公募要領など)をインプットしたもののことを言います。

2. 対応ソース形式と活用シーン

PDFファイル

  • 活用例:契約書や業界レポートの要約・重要条項の確認
  • メリット:
    • 長文PDFでも「解約条件は?」と質問すれば即答
    • 図表付き資料のグラフ傾向もAIが解説
  • 注意点:
    • スキャンPDFはOCR処理された文字情報が必要

テキストファイル(.txt/Markdown)

  • 活用例:議事録やメモの要点抽出、日報の自動要約
  • メリット:
    • 「決定事項は?」で箇条書き出力
    • コピー&ペーストで手軽に取り込み
  • 活用シーン:
    • 会議後すぐに要点だけを共有したいとき

Wordファイル

  • 活用例:提案書やマニュアルの内容チェック、FAQ自動生成
  • メリット:
    • 「提案の要旨は?」と聞くだけで即座に要約
    • 資料から自動でFAQや学習ガイドを作成
  • 活用シーン:
    • 新人研修用の想定問答集を瞬時に作りたいとき

PowerPoint/Googleスライド

  • 活用例:プレゼン資料の包括サマリー、特定スライドの深掘り
  • メリット:
    • 全スライドの要点を一気に把握
    • グラフ・図表の傾向説明もAIが実施
    • 要約を元にパンフレットやナレーション原稿を自動生成
  • 活用シーン:
    • 取引先からの長大な提案資料を短時間で理解したいとき

Googleドキュメント・Googleスライド

  • 活用例:社内Wikiや議事録の横断検索、運用マニュアルのQA
  • メリット:
    • Google Driveから直接インポート
    • 「○○の手順は?」で即答する運用QA機能
  • 注意点:
    • 原本が更新されても手動で同期が必要

YouTube動画・音声ファイル

  • 活用例:会議の録音データ分析、研修動画の要約
  • メリット:
    • 音声・動画の自動文字起こしと要約
    • 会議から議事録を自動作成
    • 研修動画から学習ガイドを生成
  • 対応形式:MP3、WAV、M4A形式
  • 注意点:
    • YouTube動画は公開から72時間以上経過したもののみ対応

3. 音声生成機能で”耳から”インプット

NotebookLMには、資料内容をAIナレーター2人の掛け合い形式で読み上げる「音声概要(Audio Overview)」機能があります。2025年4月より日本語を含む50以上の言語に対応し、日本語での実用的な利用が可能になりました。

なかなか流暢な日本語でしゃべります。一度試してみてください。

  • メリット:
    • 隙間時間で効率的に情報収集
    • 対話形式で聞きやすく記憶に残りやすい
    • 音声ファイルをダウンロードして外出先でも視聴可能
    • 社内ポッドキャストとして共有可能
  • 留意点:
    • 要約中心なので細部は省略される
    • AI要約の誤り防止のため、重要点は必ずテキストでも確認
    • 無料版は1日3回まで(Plusは20回)

4. プラン比較と料金

無料版

  • 料金:完全無料(Googleアカウントがあれば利用可能)
  • 制限:
    • ノートブック数:最大100個
    • 1ノートブックあたりのソース:最大50個
    • 1日のチャットクエリ:最大50件
    • 音声概要生成:1日3回まで

NotebookLM Plus(有料版)

  • 料金:Google One AI プレミアム(月額2,900円)に含まれる
  • 拡張機能:
    • ノートブック数:最大500個(5倍増加)
    • 1ノートブックあたりのソース:最大300個(6倍増加)
    • 1日のチャットクエリ:最大500件(10倍増加)
    • 音声概要生成:1日20回まで
    • 高度なアクセス権限コントロール(チャットのみ共有など)
    • 回答スタイルと長さのカスタマイズ機能

5. 導入ステップ

1. 対象業務の選定

  • 文書参照が多い営業提案、補助金申請、人事労務などをピックアップ

2. 資料の整理とデジタル化

  • 紙資料はOCR対応でスキャン、デジタル資料を階層整備

3. 社員教育・定着

  • 実際に試しながら運用してみる。全社展開する場合は、ルール策定

6. セキュリティと注意事項

データの取り扱い

  • 学習データ利用:アップロードした資料はAIの学習データとして使用されない
  • プライバシー保護:業界標準のセキュリティ対策で保護
  • 機密情報:重要な機密情報のアップロードは避ける

まとめ

NotebookLMは、中小企業の限られたリソースを最大限に活用するための強力なツールです。無料版でも十分な機能が提供されており、まずは試しに導入してみることをおすすめします。業務の効率化と情報活用の改善に大きな力を貸してくれるはずです。

まずは無料版で身近な業務資料を1つアップロードし、NotebookLMの威力を体感してみませんか?

中小企業診断士 岡原慶高