ブログ・コラム - パート 10

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非対面型法人営業「ゼロからセールス」④

2022.6.17

「非対面型法人営業ゼロからセールス」の連載4回目です。

 

前回は「営業活動の変化」という話をしました。

非対面型法人営業「ゼロからセールス」③

 

今回は営業担当者の役割の変化について解説していきたいと思います。

人口増加時代は良いモノを作れば売れた時代でした。

そのため、営業活動では以下のことが重視されました。

・1件でも多く訪問する、電話をかける

・商品の特徴や機能を説明する

・失注したら、次の案件に照準を合わせる

 

しかし、人口減少時代は頑張っても成果が出にくい時代です。

現代では以下のような変化が起きています。

・営業手段が多様化している(例:ネット通販、SNS・・・)

・商品の基本的機能や類似商品/競合他社情報は、既に顧客が知っている

・営業できる見込み顧客が減少している

 

このような背景があり、営業担当者に期待される役割が変化してきています。

ところで、営業担当者の役割とは何でしょうか?

・商品・サービスを売ること

・お客様に訪問すること

これらも営業担当者の役割の一つであることは変わりません。

 

しかし、これらは自社都合であって、顧客が求めているとは限りません。

営業担当者は顧客のお役に立つことが、何よりも求められるようになりました。

営業訪問ではなく、お役立ち訪問

そして、お役に立つためには、まず顧客のことを知る必要があります。

さらには顧客のお困りごとや問題・課題を解決する方法を教えるということが求められるようになりました。

 

商品・サービスが売れるのは、顧客のお役に立つことができた結果です。

どうすればモノが売れるのかを考える前に、どうすれば顧客のお役に立つことができるか?

この問いに答え続けることが、現代の営業担当者に求められる役割ではないかと思います。

 

中小企業診断士 石井 規雄

コロナ禍で注目されたモノ・サービス ~人気のパーソナル○○に行ってみた~

2022.6.11

3年ぶりに行動制限なしのゴールデンウィークから1か月以上が経ち、私たちの日常生活は一時に比べれば平常に戻りつつあります。しかし、コロナ禍で変わった人々の生活様式は元に戻るということはなく、これからはウィズコロナの生活が続きます。

コロナ禍で社会やビジネスに起きた変化について振り返ってみましょう。
キーワードとしてまず出てくるのが、「オンライン」「テイクアウト」「リモートワーク」です。この3つは、すでに私たちの生活にすっかり定着しましたね。
「巣ごもり需要」という言葉も生まれました。自宅でできる○○、自分で作る○○など。そこからガーデニングやDIYに挑戦する人が増えました。
「おうち時間」が増えたため、おうちで作る○○も流行り、みそや納豆を自分で作る人も。そこに健康や免疫力への関心の高まりが相まって「発酵」が注目を浴びました。プラモデル人気の復活は、昔、子供の頃にあこがれだったお値段少しお高めの商品が中高年に売れたからだそうです。特化型小型家電の売れ行きも好調でした。レトルト食品をお湯なしで温める専用の調理器、焼き芋が作れる専用調理器、ホットサンドメーカー、クレープメーカーなど。
「おうち時間」を楽しむためのサブスクサービスも増えました。定期的に違う絵画が家に届いて部屋の雰囲気を変えることができるレンタル絵画のサブスク、お手軽な月額料金で少量の香水が試せる定期便サービスなど。

コロナ禍が追い風となったのはキャンプなどのアウトドア関連で、釣り、ゴルフ、バイク、スポーツ自転車の人気も高まりました。これらは3密回避という点がコロナ禍での市場拡大につながったと考えられます。
また、「安全でパーソナルなスペース」「個の空間」「自分だけの空間」へのニーズが生まれ、そこからパーソナル○○というビジネス需要が増えました。パーソナルジムでのマンツーマントレーニング、パーソナルコーチング、様々なパーソナルレッスンなど。ジムのトレーナーを養成するスクールも人気だそうです。

ところで、パーソナル○○というサービス業が注目されているのは、単に3密回避という目的以上に、サービスという個別性への顧客の欲求の高まりもあると考えられます。つまり、「言ったことをしてくれる」「期待に応えてくれる」「信頼できる」といった満足度のレベルを超えて、「自分のために力を尽くしてくれる」「熱心に手助けしようとしてくれる」「必要なことを先回りして察知してくれる」などの高い欲求レベルを顧客が求めているということです。「基本的サービス」よりも高いレベルの「エクセレントサービス」については、今後またあらためてご紹介しようと思います。

パーソナル○○の中でも、自分に似合う色のタイプを診断してファッションやメイクのアドバイスをしてくれるパーソナルカラー診断や、身体の質感・ラインの特徴から自分の体型を最もきれいに見せてくれるファッションアイテムを導き出すパーソナル骨格診断が、特に“自分らしさ”を重視するZ世代に人気だそうです。
Z世代ではありませんが、私も先日、知人の紹介で初めてパーソナルスタイリングレッスンを受けてきました。美容・ファッションのプロが私のパーソナルカラーに合わせて私に似合う洋服のスタイリングや着こなしのポイントを教えてくれるというものです。紹介してくれた知人が大絶賛していたとおり、とても満足度の高いレッスンでした。予約したその時間、私だけの空間で、私のために全力で向き合ってくれる姿勢はまさに「エクセレントサービス」。高次元のサービスを体感することができました。  これで美容やファッションに対する私の意識が目覚めて、遅ればせながら美に磨きがかかるかどうか???私自身も楽しみです。

中小企業診断士 大山 マリ子

あなたの商品に「経験価値」を追加してみませんか?

2022.6.1

創業者・後継者のための経営講座
~ウィズコロナ、アフターコロナの経営戦略編⑤~

岡原です。

テーマを創業者と後継者としていますが、「これから新しいことを始める経営者にお役に立つ情報を提供する」というコンセプトで書いています。

前回は、同業他社との違いを出し、競争力を持って事業を行うかを検討する際の視点として、「モノ」提供業から「価値」提供業へ、についてお伝えしてきました。

創業者・後継者のための経営講座~ウィズコロナ、アフターコロナの経営戦略編④~

今回は、同業他社との違いを生み出し、顧客の満足を高めるための「経験価値」についてお伝えしたいと思います。

最近は、あらゆる分野でオンライン化が進んでいるので、少しやりにくくなっている部分はあるのですが、工夫次第で、オンラインでも経験価値を提供している会社は多くあります。

B・J・パインⅡ/J・H・ギルモア:著 「THE EXPERIENCE ECONOMY」日本語訳:「経験経済」脱コモディティ化のマーケティング戦略 という書籍で、経験価値という考え方が広まるきっかけになりました。

経験価値とは、「消費者は単に商品やサービスを消費するのではなく、得られる体験そのものに価値を見いだす」という考え方です。

もともと、多くの商品がコモディティ化する中で、どのようにして差別化していくかということが根本にあると思うのですが、要するにコーヒーを提供するとしても、様々な提供に仕方があるということです。

次の中で、より経験価値が高いものはどれでしょうか?

①缶コーヒーにして提供する(コモディディ)

②コーヒー豆にして袋詰めにして提供する

③コーヒー豆を自分の好みに目の前でブレンドして提供してくれる

④コーヒー豆を挽いて、目の前で時間をかけてドリップし、その時間も楽しみながら、美味しいコーヒーを飲む

⑤自宅でも、職場でもない、第三の場所でゆったりとくつろぎながらコーヒーを飲む

いかがでしょうか?

①よりも②、②よりも③、④⑤に行くほど、コーヒーを買うという購買行動のみだけでなく、コーヒーを飲む時の体験が価値になっていることが分かると思います。

先日、アップルウォッチをネットで見ていたのですが、サイズ・色・ベルトの種類など、自分に合ったものをカスタマイズして注文することができます。

どれにしようかな・・・と選ぶ経験そのものに楽しみがありますよね。

まさに、経験価値を提供しています。

皆さんの会社でも、経験価値を提供しようと思ったら、どんな提供の仕方があるか、考えてみるのも、違いを生み出すことにつながるかもしれません。

アフターコロナやウィズコロナにおいて、競合との違い・差別化を検討されている方は、是非一度上記の視点で考えてみましょう!

お問い合わせはこちらへ!

中小企業診断士 岡原 慶高

組織が磨かれるリーダーシップ④~人的資本経営とシェアド・リーダーシップ~

2022.5.9

阪本です。

学校行事も再開、制限はありつつも対面の機会が戻ってきました。一方、コロナ禍で始まったオンラインでの朝活も継続しています。

前回「人は関わることで、主体的になる場が増えていく」と書きましたが、複数の組織、コミュニティに関わることで、自分事となる課題は増えていくことを、ますます実感する毎日です。日々のお客様との出会いに感謝しています。そして、その関わる組織で、自己理解と他者理解を積極的に進めていけば、「自分事」「主体性」って発揮できることを身をもって感じています。さて、今回も引き続き人と組織に関するリーダーシップについて考えてみました。

前回のブログ:https://accelc.co.jp/blog/soshiki7/

人的資源を「管理する」はもう古い、人的資本による価値創造へ

経営資源の基本は、古典的ですが、基本として人・モノ・カネ・情報といわれます。会社の経営計画策定のフレームワークとしてよく使われますよね。そして近年、目立ってきた「人的資本経営」として考えてみましょう。「資源」ではなく「資本」と言われるのはなぜでしょう?上場企業だけでなく、小さな会社でも今後のありたい姿を考えるうえで重要なことです。

【経営資源】

企業が経営を行う上で利用できる有形あるいは無形の資源。人的資源・物的資源・資金力・情報・商標・信用などの総体をいう。

 

経営資源のうち人的資源は、特殊なものです。会社が自由にコントロールできませんし、感情や状態によって変化するものです。資源は、企業が付加価値を生み出すために必要なものです。特に最近は人的資源を充実させるために人材戦略としてリスキリングやリカレントの重要性があちらこちらで話題になるようになりました。とはいいつつ、HRMという言葉に現われているように「人的資源管理」、人は管理の領域であり、人材育成費用として捉えられていました。

それが、近年は人的資本=ヒューマンキャピタルとして、「管理」ではなく。価値創造できるものであり、人材育成が「費用」ではなく「投資」として捉えられるようになっています。人々の価値観や働き方が多様化し、様々な考え方や背景を持つ人が個々を磨いて、それを組織の力として活かしていかなければ事業継続ができない状態になってきたからともいえます。

多様な働き方ができないと人は定着しませんし、少子高齢化で将来にも不安がある世の中です。人生100年時代、より長く働く時代に突入しています。人的資本を可視化するために企業は賃金や離職率といった分かりやすい数値的なことだけではなく、エンゲージメントや従業員満足度、従業員の育成への投資など定性的なものを分かりやすく見える化して公開していくことになってきています。それらが会社を評価するための指標となり、求職者だけでなく顧客も企業を選ぶ基準になってきています。

【人的資本】

一般に、人的資本は個人の持って生まれた才能や能力と、教育や訓練を通じて身につける技能や知識を合わせたものとして幅広く定義される。(時には健康も含まれる。)ただし、人的資本の概念を熱狂的に受け入れている実業界ではこれをもっと狭く定義する傾向があり、主に企業や特定産業の成功に直接的に係わる労働力の技能や能力と見なされている。(経済協力開発機構(OECD)の定義)

人的資本経営で有効なシェアド・リーダーシップ

人的資本経営では、共感や対話を通じて「個の力」を「組織の力」へ高めていくことが欠かせません。経営者はもちろん、経営に近い立場にある役職者にも当然必須な能力となります。旧来型のリーダーシップである経営の方向を示して、価値観を揃えて数字を掲げて部下を率いる「自分についてこい」タイプ、いわゆるカリスマタイプ、ワンマンタイプといった支配型のリーダーシップは時代遅れであることは誰もが感じています。

以前こちらで書いた組織を支える「サーバントリーダーシップ」はまさに大切なリーダーシップの概念ですよね。今回は、加えて「シェアド・リーダーシップ」についてもご紹介します。「シェアド・リーダーシップ」とは「チームメンバー全員でリーダーシップを発揮する」ということです。人的資本経営への注目と合わせて見直されているリーダーシップの概念です。

組織表上の管理職や役職者だけでなく、全員がリーダーシップを持って活躍できる組織ってどうやったらつくれるのでしょうか?新しくつくった組織であれば、ひとりひとりがそういった意識を持てるのでしょうが、元々支配型のリーダーシップやヒエラルキーな組織として継続している企業であれば、「メンバーから自発的に」ということを説いても、つくっていくことができません、リーダーシップを発揮する環境づくりを率先してできるのは、現状の多くの中小企業の組織であれば、経営層でしかないのです。

その環境づくりの第一歩は、経営層が、課題や問題と感じていることを常に見えるようにしておく、情報を公開していないと巻き込めません。全体感を把握できるような仕組みを作っておくことです。全体感を把握できず部分的な一部分の仕事しか見えないと、メンバーにリーダーシップを発揮できる場がありません。

その上で、活発なコミュニケーションができる土壌のもと信頼関係が培われている状態をつくっていくことで、安心して自発的に行動できるようになっていきます。そのためにも、役職としてのリーダーはもちろんメンバーそれぞれの強みや弱みを把握していること、自己理解と他者理解ができていること、全員が積極的にお互いのことに関心を持っていることが必要となります。

~まとめ~

シェアード・リーダーシップを発揮できるような環境は、①活発なコミュニケーションがある②お互いの自己理解・他者理解が進んでいる③目標と情報が共有されていて情報の偏りがないという、環境です。その環境をつくっていくことで、結果として成果を生み出す組織、生産性の向上が期待できます。

関連するサーバント・リーダーシップについては、以前のコラムもご覧ください。

組織が磨かれるリーダーシップ①~関係性の質とリーダーシップ~

https://accelc.co.jp/blog/soshiki4/

人的資本経営については経済産業省の検討会資料も大変参考になります。

https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/jinteki_shihon/pdf/009_02_00.pdf

中小企業診断士 阪本純子

※メンバーの「自己理解・他者理解」を促進し、社員が主体性を引き出す環境をつくるコンサルティングを行っています。「私たちが決めた、自分事になった行動指針」について、詳しくはこちらをご覧ください。

非対面型法人営業「ゼロからセールス」③

2022.4.15

「非対面型法人営業ゼロからセールス」の連載3回目です。

 

前回は、ビジネスツールは変化し続けており、10年後には今はないツールが主流になっている可能性が高いこと。

社会の変化に対応して、ビジネスや営業活動も変化させていくことが求められるということを説明しました。

非対面型法人営業「ゼロからセールス」②

 

コロナによって営業活動の転換点を迎えました。

今回は、営業活動の変化について解説していきたいと思います。

 

今の営業活動は、頑張ってもなかなか成果が出にくい時代と言えます。

人口増加時代は、国内経済が成長しており、消費も活発でした。

営業活動量を増加させると、それに比例して成果も出た経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

しかし、今は営業担当者の活動量が成果に繋がりにくい時代です。

人口増加時代は、100件のリストがあると、50件のアポが取れ、20件が見積提出まで進み、10件の受注が取れたとしましょう。

今は、100件のリストがあっても、なかなかアポが取れず25件になり、7件が見積提出まで進み、ようやく3件受注できるといったように、次のステップに進める見込み客も減少しています。

 

それなら、リスト200件受注して活動量を増やせばいいという考え方もあるかと思います。

しかし、営業担当者の活動量には限界があります。

やみくもに活動量を増やしても成果には繋がりません。

 

そして、コロナによって非接触・非対面が求められるようになり、特に新規の訪問営業が厳しくなりました。

コロナによって営業活動の転換点を迎えたと言えるでしょう。

大海原で1本釣りをする営業ではなく、釣り堀を作って魚を育て囲い込み釣り上げる営業へ転換を図ることをお勧めしています。

ITやデジタルツールを活用した企業活動が普及していますが、単にツールを活用すればよいということではなく、営業に対する考え方や組織体制も変更していく必要があります。

これらの点については次回のブログで解説していきたいと思います。

 

中小企業診断士 石井 規雄