フードロスと企業経営 | ブログ・コラム

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フードロスと企業経営

2019.11.29

阪本です。

早くも12月。忘年会の季節です。今日は働くお母さんたちで集まる子連れパーティに参加します!!

3010の声がけやっていますか?
(さんまるいちまる運動:最初の30分は食べて最後の10分も食べてしまう時間をつくる声がけをすることです)
ここ数年で、飲食店でのフードロスへの意識がだいぶ定着してきたような気がします。
最近、なかなか忘年会のような宴会に出る機会がなかなか持てませんが、ケータリングのパーティや飲食店の会合の場では食べ残しをしない雰囲気の場が増えて
気持ちよく過ごせるようになってきたことを感じます。
(せっかく楽しい場であっても、解散時にテーブルにたくさん食べ残しがあると罪悪感を感じてしまいあまり気持ちよくないですよね~)

フードロス、特に育休中の活動で、通常だと廃棄される原材料を使った商品を広げるための取組に参加し、その時に食品ロスについて関心が高まり調べてみたことがありました。そして最近、食関連の事業者の方と関わる機会に話題に上ることもあり今回取り上げてみました。
フードロスの発生元は家庭と企業どちらもあります。

当時作成資料より
(ぷちガチ育休MBAのサイトに飛びます)
マテリアルフローコストの解説講義にも触れています。当時の講義レポートはこちら

当時の資料では、日本で出されるのは632万トン、ここに示しているように「家庭ロス」の割合が約半分もあるんです。そして残りの半分が「事業者ロス」です。私たちが普段から意識できるのが「家庭ロス」削減、そして今、一部の企業で積極的に取り組んでいる「事業者ロス」削減、私たちそれぞれが「自分事」として捉えなおし、会社でも家庭でも意識して取り組めれば削減できることです。

現在は、この割合は、家庭ロス291万トン、事業者ロス352万トンとなっており、家庭ロスは少し削減されていますが、事業者ロスについては増えて合計643万トンとなっています。約55%を占める「事業者ロス」の内訳は外食産業が132万トン、小売業が66万トン、そして残りが卸売業で特に外食産業からの発生が多いです。外食産業も積極的にロスを出さない工夫を重ねています。作り直しをしない、本来は廃棄する部分を使った「塚田農場」のメニューも良く事例として取り上げられています。

作りすぎということは、無駄な資源(原材料)そしてそれを生産している人の労働力、また農地の土壌など、環境や労働に無駄があるということ、そして加工する人の時間や労働力も結局は無駄であるということであり、過剰な品質や過剰な顧客への配慮によって無駄が多く発生しているということです。そしてそれを廃棄するのにもエネルギーや人手がいります。これらって本当に無駄なものですよね。業務効率化、生産性向上が言われている中、逆行していることになります。

さて、フードロスと企業経営。CSR的な考え方からではなく、無駄や無理を減らすことはもちろん、そして収益性向上の発想からも考えてみませんか?モノが豊富であることがいいという時代は、品揃えのために、お客様に満足して選んでもらうために、作りすぎが当たり前で、廃棄することより、機会ロスをなくし売上を少しでも多くお客様の満足度は少しでも高くということが重視されていました。

フードロス削減に取り組むことが企業経営にプラスに働くことって考えてみると意外と多いのではと思います。商品の品揃え、仕入の無駄の排除によって原価が削減できたり、賞味期限を延ばすことで無駄な在庫がいらなかったり、捨てていた材料を使ってそれが売上につながるようなメニューをつくったり。私たちの常識だと、パン屋さんは朝早くから働かなければいけないし、その次の日に売れないので廃棄も多いというイメージ、でも、日持ちできるように、次の日も販売できるような材料の商品だけにして、種類を絞り、開店前の早朝勤務をなくてパン屋さんのイメージを大きく変えているベーカリーもあるそうです。
また業務効率化の話題でもよく出てくるIOTの活用、需要予想をより精度を高くすることでロスを出さない仕組みなどもいろいろと調べてみるとありそうです。身近なところだとお天気予測のシステムもあります。

こういった事例、食は仕事でも生活でも欠かせないもので、飲食関係の業種のフードロスに限ったことでなく業務効率化、働き方の見直しにおいても密接につながっているなと思います。それぞれの生活者として家庭のロス削減の意識はもちろん、企業さんとこんな話からも、より良い経営についてお話しできるとと嬉しいです。

関連して・・・昨年の記事ですが京都市のスーパーでやった販売実験、売上増の結果になったそうです。https://news.yahoo.co.jp/byline/iderumi/20180522-00085508/

営業時間もスーパーの夜10時や12時閉店が増えた記事にもブームにも、営業時間の延長はしておらず、20年以上前から夜は20時閉店のスーパー、業績も順調なようです。閉店前の売切りに店舗の力も入っていてそこが、利益にも働く人のモチベーションアップにもなっているような気がします。フードロス、適正量をつくり適正量を提供するビジネスには、働き方や、従業員のモチベーション、生産性の向上までつながっていきますね。