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中小企業の経営力と業績向上を加速する アクセルコンサルティング株式会社 近畿経済産業局認定 経営革新等支援機関

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エンゲージメントが高い組織は関係性から

2024.4.16

阪本です。

4月も後半、桜も散り初夏を感じさせる気候に入ってきました。先日の日曜日は、私が住む地域で5年ぶりに完全復活した玄武神社のやすらい祭りが行われました。桜と共に散り広がる疫病を花傘に集めて神社に封じ込めるという1年間の無病息災を祈願するお祭りです。

息子たちが参加するので、練習風景も少しだけ見ていましたが、祭りで練り歩く花形の鬼役、お囃子の笛の男の子たちは2週間、毎晩の練習。やんちゃな男の子たちの前に立って指導に当たる高校生や大人の方の熱気もすごいし、何だかいい空気です。短期間の力の入れようを感じます。こういった短期間の目標が明確な行事ってみんなの本気度が集結して、普段地域で顔見知りだったり遊んでいたりする間柄ではあるものの、普段とは違った場の中でそれぞれの強みが発揮できる場だなあと感じました〜ただ、私たちに見えるのはほんの短期間だけで、氏子町内会からの初穂料で何とかお祭りが継続し保存されています。この時期だけでなく、日々活動されている各町内の宮総代さんや踊りの保存会の方々のおかげ、そして声掛けなどもあり継続できていることも改めて知ることにつながりました。

さてさて、引き続きよりよい組織づくりからよりあたたかい豊かな社会をつくっていきたく発信していきますのでお付き合いください。

関係性から始まる、beから始まる

度々ご紹介している「関係性の質」もう一度復習的に・・・

前回のブログでもご紹介した木村社長と先月に再びお話しする機会に恵まれ、また学びました。人と人の関係性、コミュニティは「いる」→「なる」があって「する」があるはずなのに、会社では「する」が先に来てしまっているからうまくいかなくなるだということ。「いる」があって「なる」ために、雑談を含めて考え方を話すこと、一緒にいて話す時間を増やすために、3ヶ月に1回の社員同士で企画する社会科見学をやっているそうです。期待や成果をベースとなる「する」が前提にならないように。ヒューマンビーイングがあるとチームワークが生まれて、助け合う組織ができてくる。当たり前のようなことながら、人間性が大切と言いながら目先にとらわれると、気づかないうちに機械的に扱ってしまうことがないでしょうか。丁寧に扱えなってしまうと信頼関係と関係性は一気に壊れてしまいます。

共感しあえる目的を語り合う

目標はなくてもいい、目的があればいい。以前にもご紹介したアグティさんの齋藤さんが言われていました。目標を達成したらそこどまり、本質的な意味を考えなくなってしまう、思考停止してしまうと。じゃあ売上や利益目標って何?社内に説明していますよね。小さな目標の積み重ねがあってこそ目的は達成されるし、年始や期の始まりに「経営目標」を発表されている会社もあると思います。ただそれはあくまでも「経過」であることを忘れてはいけません。あくまでも「目的」を達成するための手段が目標です。ひとりひとりの価値観や生きる目的は違うかもしれません。でも重なり合う部分を分かり合っていれば組織で一緒にやっていく価値を感じてもらえるはずです。メンバーそれぞれの違う部分を認め合い共感しあえること、立場が違うこと、分かり合えないことを前提に、わかろうとすること。今風の言葉で立場の違う相手とベクトルを合わせていくスキルのことを「エンパシー」と言ったりもしますね。

 採用は入口が大切

先ほどの木村石鹸の木村社長のお話の中では「調整コストがかかりすぎる人は採用しない(大変さん、ネガティブ誇張ポジティブ矮小な人、心配症過ぎる人など)」と言われていました。ネガティブな人や心配症の人は必要だけど、周りによくない影響を与える人のことを「調整コストの高い人」として採用しないとしているそうです。そして「自分の機嫌を自分でとれるようになろう」と育成しているとのこと。とはいえ、社長が面接するのは最初だけ、あとの面接は幹部や現場の7人で面接し、一人でも×を付けたら採用しない、全員一致で採用とのことです。社長が決めるのではなくて現場が責任をもって採用する人、一緒の仲間になる人を決める、その基準は「する」ではないんですね。他の会社でも聞いたのが、やはり社長ではなく現場が採用を決めていく、そうすると現場も育つし、しっかりと自分事で思いを伝えようとする、そうすると「する」ではなくまずは「いる」ためにお互いのことを知ろうとする関係性から始まる組織になっていくことに直結しますね。

もう一つご紹介したい事例があります。京都にアミタホールディングスという会社があります。そこでは「入社」と言わずに「合流」というそうです。中途入社じゃなくて「中途合流」、入社説明会ではなく「合流説明会」。同じ夢の実現を目指す仲間に入るということを表しています。

ただ人不足といわれる今、特に小さな会社の採用では、最初から「夢」を目指すといった志が高い方ばかりとは限りません。ただ、採用時のマインド、「いる」ことができる関係性は大切です。採用の基準は、一日一緒に過ごしても苦痛じゃないかを確認しているという経営者の方がいたことを思い出します。まずは「いる」ことから、入社後の組織で共に働く「仲間」に「なる」ということ、そして初めて「する」ことができる。そこを育成し社会で活躍できる人材を育てる器であることも会社の社会的な役割です。

新入社員が入られた会社も多い時期、これまで書いてきたこととの重複もありますがお伝えしたくまとめてみました。今年度もよろしくお願いします。

より良い組織づくりについて、語り合いましょう。お気軽にお声がけください。

11月のブログhttps://accelc.co.jp/blog/jieigata/

中小企業診断士 阪本 純子

どれだけ社員を愛していますか?~社員と会社の相思相愛実現のために~

2024.3.29

大山です。まもなく開花宣言。今年も桜の季節がやってきました。昨日からの雨はやみ、晴れ間が見えています。3月下旬のこの時季に降る雨は「催花雨(さいかう)」といって、桜をはじめいろいろな花を催す(咲かせる)雨だそうです。水分をたっぷり吸収した桜が、もうすぐ一気に咲き始めるでしょう。楽しみです。

昨年9月から参加させていただいていた『次世代女性リーダー研修』(主催:輝く女性応援京都会議、運営:京都商工会議所)は全6回のプログラムを終え、今月8日に成果報告会が行われました。この研修を受講していたのは、主に京都市内の中小企業でリーダーの立場にいる、あるいはこれからリーダーをめざす女性48名。報告会では6名×8チームがそれぞれ工夫をこらしたプレゼン発表を行いました。

私は自身がリーダーをめざすという立場ではありませんが、組織内のリーダー育成のご支援をさせていただく者として参加させていただき、あらためて良い学びを経験することができました。
以下、最終の報告会で私が発表したメッセージ内容です。

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人生100年時代。
これからはさらに多くの人が「生涯現役」を目指すようになるでしょう。
そんな誰もが、やりがいを持ってイキイキと働き続けられる居場所をつくるのは、リーダーの役割だと思っています。

リーダーは、
・揺るぎない「志」とぶれない「軸」を持ち
・一緒に働く仲間をとことん愛すること!
そんなリーダーのもとには自然と人・仲間が集まり、きっと多くの人が豊かな「生涯現役」人生を送ることができると信じています。

講師の先生からいただいた印象深い言葉
「大好きな職場に明るい灯をともすことを忘れずに」
「職場を育む人になってください」

私は中小企業診断士として、社員と会社が相思相愛であるような企業や組織を世の中に増やしていきたいという理想を持って、仕事をしています。
そんな想いを一人でも多くのリーダーに伝え、共感してもらうために、これからも努力します。

≪私の行動宣言≫
・素のまんまの自分で対話を重視する姿勢を大切にします
・人と出会い、交わり、丁寧に関わっていきます
・学び続けます!
・人間力を高めるために、美しいものを見て、楽しいことをして、心を動かします
・喜びの多い仕事をしていきます
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日々仕事をする中で、多くの経営者の方にお会いします。リーダーシップも様々ですが、とにもかくにも、社員に対するリスペクトもなく社員を愛していないトップのもとに人材は育たず、そこで働く人は幸せにはなれないということを感じています。前回のブログ(コチラです→そんな時代は終わりました! ~組織を変える第一歩はリーダーから~)でも書きましたが、社員をコストとしかとらえず、「どうしたら自分の思い通りに動かせるのか?」ばかり考える経営者のもとには、結局良い人材は集まらず、経営もうまくいきません。

採用募集をしていないにもかかわらず、ぜひ雇ってほしい、そこで働かせてほしいと常時履歴書が送られてくる会社があります。社長はできる限り直接面談をし、求める人物像に合う人は採用しているそうです。社員が大好き、仲間が大好き、仲間が集う自分の会社が大好きな社長です。指導・教育スタイルはかなり荒っぽく時代錯誤なところもありますが、それでも人が集まってくる。社長の信念・想い・愛情が社員に響き、社員の行動に影響を与え、目には見えない組織風土が形成されて、そんな会社に人が集まってくるのだと思います。

「どうしたら社員を自分の思い通りに動かせるのか?」と悩むなら、自分は社員をどれだけ愛しているか?考えてください。結果をつくろうとすると結果は逃げてしまう。なぜなら、人は心を持つ生き物だから。だからこそ、人には丁寧に関わってください。

こんなことを、これからもずっと、経営者やリーダーを目指す方をはじめ多くの人に伝えていきたいと思っています。でも、これって、会社経営だけでなく、家族や友人との関係、自分の人生、生き方にとっても大事な普遍的なことではないでしょうか。人は一人では生きていけません。自分の人生を豊かにしたいのなら、周りの人をもっともっと大切にすること。リスペクトと愛情をもって!

さて、最後になりましたが、私このたびアクセルコンサルティングを離れることとなりました。2021年3月から3年余り、皆様には大変お世話になりました。
いつも申していることですが、私の人生、ご縁で成り立っています。こちらでいただいたご縁も大切にしながら、今後も熱く優しく寄り添う企業支援専門家として邁進してまいります。またいつかどこかでお会いできれば嬉しいです。
心より感謝をこめて、ありがとうございました。

中小企業診断士 大山 マリ子

Google Chromeの拡張機能はすごく便利!!省力化ツールのご紹介

2024.3.15

岡原です。今日はGoogle Chromeの拡張機能について紹介します。

私は経営コンサルタントで、小さな会社の戦略やマーケティング面から業績向上や新規事業の立ち上げなどを支援していますが、人手不足や収益性の低さが課題になっている小さな会社での生成AI活用は重要なテーマだと感じています。

そういう意味で、AIに関するブログを最近よく書いています。

皆さん、Google Chromeの拡張機能って使っていますか?

これが実はすごく便利機能があるんです。私もまだまだ研究中ですが、今日は2つの拡張機能を紹介します。

1.Google Chromeの拡張機能とは

Google Chromeの拡張機能は、ブラウザの機能を拡張し、カスタマイズするための追加プログラムです。これらは主にPC版のGoogle Chromeで使用でき、モバイル版やシークレットウィンドウでは利用できません​​​​。拡張機能は、作業効率の向上、ブラウジングのカスタマイズ、特定のタスクを容易にするために設計されています。例えば、広告ブロック、スクリーンショットの撮影や加工、新着メールの通知など、さまざまな機能があります​​。

拡張機能はChrome Webストアから簡単に追加でき、多くは無料で提供されています。インストールしたい拡張機能を見つけたら、「Chromeに追加」ボタンをクリックしてインストールします。使用しなくなった拡張機能は、ブラウザの右上にある拡張機能アイコンから削除することができます​​​​。

拡張機能によっては、常に自動で機能するものと、手動で機能させるものがあります。インストール後、拡張機能がうまく機能しない場合は、手動でアクティブにしてみると良いでしょう​​。

 

Chromeの右上のジグソーパズルのようなボタンをクリックすると、拡張機能が開きます。

一番下の拡張機能を管理をクリックすると現在インストールされている拡張機能がわかります。

新しく拡張機能をインストールするには、chrome ウェブストア で検索してみましょう。

 

2.おすすめ拡張機能

①Text Blaze

Text Blazeは、Chrome拡張機能およびWindowsアプリとして利用可能な生産性向上ツールです。テキストのスニペットをテンプレートとして保存し、ショートカットを割り当てることで、繰り返しのタイピングやミスを減らすことができます。動的テンプレート、フォーム、他のサイトとの連携を利用して作業の自動化が可能で、個人だけでなくチームでのタスク効率も向上させます。トップユーザーは月に28時間以上の時間節約が報告されています。

例えば、/@を入力するとメールアドレスが一瞬ででる。/naと入力すると自分の名前がでる。/adと入力すると住所がでるとか、ショートカットキーを入力することで、事前に設定したテキストを一瞬で出すことができます。

小さいことですが、すごく便利です。

長いテキストにも対応しているので、是非一度試してみて下さい。

②Tabox

Taboxは、開いている全てのタブを「コレクション」として保存し、瞬時に全てのタブを開くことができるChrome拡張機能です。

私たちも仕事柄多くのタブを開いて情報を検索したりするときがあります。途中で作業を終わらないといけない時にTaboxに保存しておけば、また作業の続きを行うときに一瞬で保存していたタブを開くことができます。

それ以外にもまだまだ自動化、省力化につながるものがありますので、順次紹介していきます。

過去の記事も参考にして下さい。

自分専用のGPT「MyGPTs」リリース!!ChatGPTがまたまた進化!!

ChatGPTの新機能3選!知って得するChatGPTの最新機能を徹底紹介

 

中小企業診断士 岡原 慶高

本当に地球が危ない!!環境経営、地域企業こそ取り組まないと!

2024.2.22

阪本です。

私は環境活動家でも、地球温暖化に詳しいわけでもないです。普通に暮らして働く市民として、地域の企業の皆様のご支援をさせていただく中で、「Think Globally Act Locally」を思い起こすことが増えています。この言葉なんと1960年代にできていたということにも驚きです)

例えば、昨夏の異常な猛暑、豪雨、この冬の暖冬と雨の降り方には気候の変化を感じずにはおれません。農業委員の活動で、農家の方の声をお聞きすることも増えました。異常な暖かさでの作物の出荷時期のズレや不作を心配しておられる方も多く、私たちの食卓への影響も今後も出てきそうです。「地球規模の視野で考え、地域視点で行動する(Think globally, act locally)」という考え方、まさに持続可能な社会の中で地域企業が存在価値を見出していくためには大切なことですよね。そのために具体的な取り組みが環境経営です。

 

知っておきたい流れ:サプライチェーンでつながっている

【上記は環境省の資料より】

地域企業で最近話題になっているカーボンニュートラル(以下CN)、脱炭素経営・環境経営とも直結することなのですが、取り組もうとするきっかけは取引先の大企業に求められたからということも多いようです。中小企業は、大企業にとっての上記の図のSCOPE3(事業者の活動に関連する他社の排出)にあたる部分であり、取引先の中小企業に対して、温室効果ガスの排出量を提出するようなことを言われていたり、どういったGHG(CO2等を含む)削減目標のもとに企業経営をしているのかということのヒアリングが入ったりしているそうです。

やってはダメなこと

大企業はできることができるが中小企業は無理じゃない?という声も多く聞かれます。小さな会社だとそんなこと考えている時間がない、専門知識を身に着けることができないというようなこともあるかもしれません。でも5年後、10年後を考えてみてください。

CO2減らそうと思うと生産量減らすことになるでしょ?うちのような小さな会社がやってもと大した影響はないんじゃないかと決めつけないでくださいね。確かに今時点をみるとそう思いますよね。今いる時点をみたらそうかもしれないですが、現時点で、できるかできないかを判断してはいけません。

CNへの取組ステップ

未来を見据えて、まずは2050年からバックキャストした自社の姿と私たちの暮らし、世の中を想像して考えましょう。30年近くあとは世の中もがらりと変わっているはずです。

【環境省 中小規模事業者向け脱炭素経営導入ハンドブックより】

まずは、「知る」ことから。たくさん情報は皆さん目にされていると思います。方針の検討をする際に、今、目先のできるできないかよりも、もっと未来から俯瞰しましょう。環境省のガイドブックにあるのですが「脱炭素経営へのロードマップを描く際には、実行可否が未確定の削減対策についても記載してください」となっています。すべてできるものでなくても、今はリソースがなくてできないけど自社として取り組みたいこと記しておくことが大切です。現時点では無理!と思うことあると思います。でも3年後5年後は周囲の脱炭素経営への取り組みも加速しているはずです。

やっぱりジブンゴトで、心で伝わり実行していく

何からっていうと、やっぱり省エネからになりますよね。省エネしよう!カーボンニュートラルに取り組もう!っていうんじゃなく、身近な働く場で未来を心で感じながら、思考停止せず取り組みを考えていく、そこから身近な家族、自社の仕入れ先と売り先とも波及しあえるはず。「カーボンニュートラルに向けた取組は自社のCO2排出量削減に留まらず、バリューチェーン全体に広がる」とか。仕入れ先側にも、お客様側にも、その先の最終ユーザーにも伝わって、当然未来にも関わるものです。最初は、とりあえず取引先から言われたから、なんかかっこいいからからでももちろん構いません。何より、今の目の前の小さな課題は、世界につながっています。

自分は2050年には完全にリタイアしているからあまり関係ないなんて思わないでください。私たちの子ども達や孫達に、50年前に地球温暖化の対策を全然してくれなかったから、食糧難の時代に、暮らしにくい社会になってしまったんだなんていう不名誉な先人に、不名誉な会社になりたくないですよね。

国や自治体の補助金も活用しながら、一歩進めてみる

温室効果ガス削減と生産性向上に資する設備投資等を支援するものづくり補助金(グリーン枠)もありますし、省エネ補助金、排出量の見える化・使用エネルギー量の管理を行う排出量算定ツールやエネルギーマネジメントシステムの導入などをIT補助金を活用するといったことも考えられます。導入事例なども調べてみてくださいね。当社でも情報発信していきます。

CNやGX推進なども含めたこれからの地域企業の未来を一緒に考えていくご支援もしますので、お気軽にご相談お声がけください。

そのほか参考

1)環境省「中小企業の取組事例集」(https://www.env.go.jp/content/000114657.pdf)

2)環境省動画「<ダイジェスト版>脱炭素経営で企業の新たな強みを創ろう」(https://youtu.be/4WH2qFIl6j4)

中小企業診断士 阪本 純子

組織はインフラ、働く場の環境づくり

2024.2.20

阪本です。

塾長として運営させていただいている「職場づくり元気塾」は全6回で、5回目までが終了し、残り1回となりました。5回目の現地視察では、伊賀の木村石鹸工業IGA STUDIO Projectを訪れました。この工場は2020年に稼働を開始し、「モノを作る」から「楽しいを作る」をコンセプトにしています。木村石鹸工業は、植物由来のせっけんや家庭用洗剤を製造するメイン工場であり、「STUDIO」として「楽しいをつくる場所」プロジェクトを推進しています。このプロジェクトは、常に進化し続ける場所として位置付けられています。

木村石鹸工業株式会社 代表取締役社長 木村 祥一郎氏:4代目社長、事業承継するつもりでなく、1代目の父親の後に工場長が引継ぎ、その後知人の外資系社長の経験のある方を紹介し、その方が会社の制度や評価を導入しその後保守的な組織ができてしまっていた。2013年に現社長が常務として入社し、その後2016年9月、4代目社長に就任。

各企業から参加されている塾生の皆さんからの事前質問でも多かった自己申告給与制度、親孝行強化月間について、その元にある考え方も社長からお話も聞き、そんな会社が増えていけば、もっとイキイキ働ける人もが増えていくことを感じました。

信頼関係の元となる透明性

全社員が、リアルタイムで自社の固定費の総額、限界利益を超えた売り上げのタイミングを見えるようにされています。賞与についても原資総額と関わる利益がみんなに見えるので、全社員での配分について納得感があるとのこと。信頼関係をつくっていくために、経営側がやらなければならないことは性善説に立った透明性のある環境づくり、「心配」ではなく「信頼」していくことと言われていて説得力がありました。経営側の透明性が必要というのは、サイボウズの青野さんが透明性の高い経営を実現することについて言われていた「公明正大=公の明るいところで正しいと大きな声で言える」とも通じるものがあると思い返していました。

経営者が率先する環境づくり

料理から発酵へ、管理ではなくよい環境をつくっていくこと。それって、組織が従来のピラミッド型のメンバーシップでなく、インフラ型になっていくこと、命令や統制で動く組織でなく、サーバーントリーダー的な支援できる土壌をつくることとも通じます。

「親孝行強化月間」は古くからやられている仕組みです。これも環境づくりの一つ。この制度では年に1回親孝行強化月間として1万円を支給されているそうです。親でなくてもお世話になった人を思い出し感謝の気持ちを伝えるきっかけとして使ってもらっているとか。心の使い方、より良い人間関係をつくっていけることが大切という思いが込められています。これも社員の育成の一つですね。見学案内の社員さんの工夫された説明、働く人へのインタビューなど顔も見えて気持ちの込められたおもてなしに温かな気持ちが伝わってきました。

これって、私たちの見学の受け入れも含めて、全部が社内外へのマーケティング活動ですよね。社内の人材の定着やモチベーションも高まる自律的な組織がつくられている。組織で働く人それぞれが、いい影響を与え合える共同体意識が生まれてそこではたらく価値を見出している状態になっている、心が通い合っている雰囲気、そこが商品やお客様にも伝播していく、それができる自律的な組織となっているなあと。そうすると会社のファンも自然と増えていきますよね。

心の使い方は磨いていくスキルと言われていたことも印象的でした。スキルとしてトレーニングできる環境をつくっておられます。心の豊かさを感じる場、よりよい人生をつくるための場が働く場であることで社会が持続可能に、やりがいと助け合い、よりチームワークのある社会になっていけば、もっと解決できる課題も増えそうですよね。

より良い組織づくりについて、語り合いませんか。お気軽にお声がけください。

11月のブログhttps://accelc.co.jp/blog/jieigata/

「職場づくり元気塾」の顧問をしていただいている太田肇先生の提唱するインフラ型になる組織について少し書いていますのでこちらも合わせて読んでいただければと思います。

中小企業診断士 阪本 純子